この文書は「PoC(プルーフオブコンセプト)業務委託契約書」という、IT業界やテクノロジー関連企業で頻繁に活用される実用的な契約書雛型です。
新しい技術やシステムの実現可能性を検証するための概念実証プロジェクトを外部企業に依頼する際に使用される契約書雛型となっています。
近年のデジタル変革の波に乗り、多くの企業が新技術の導入前に「本当にうまくいくのか」を確かめたいというニーズが急激に高まっています。
例えば、製造業の企業がAIを活用した品質管理システムを本格導入する前に、まずは小規模な実証実験を行いたい場合や、小売業が新しいECプラットフォームの効果を測定したい際に、この契約書が威力を発揮します。
実際の使用場面としては、金融機関がブロックチェーン技術を使った決済システムの検証を専門会社に依頼するケース、病院が遠隔診療システムの実用性を確認したい場合、自治体がスマートシティ関連技術の効果測定を行う際などが挙げられます。
実証実験という性質上、通常の業務委託契約とは異なる特殊な配慮が必要になります。
例えば、実験が失敗に終わった場合の責任の所在、開発したプロトタイプの知的財産権の扱い、実証データの機密保持など、PoCならではの論点が数多く存在します。
この契約書雛型では、そうした特殊事情を踏まえた条項が網羅的に整備されています。
適宜ご編集の上でご利用いただければと存じます。2024年4月1日施行の改正民法対応版です。
〔条文タイトル〕
第1条(契約の目的)
第2条(用語の定義)
第3条(業務内容)
第4条(業務実施場所)
第5条(履行期間)
第6条(業務実施体制)
第7条(甲の協力義務)
第8条(報告義務)
第9条(成果物)
第10条(検査及び受領)
第11条(委託料及び支払方法)
第12条(権利義務の譲渡禁止)
第13条(再委託の制限)
第14条(知的財産権の帰属)
第15条(機密保持義務)
第16条(損害賠償及び責任制限)
第17条(契約の解除)
第18条(不可抗力)
第19条(存続条項)
第20条(協議及び準拠法)
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