この合意書の雛型は、家族間での相続に関する話し合いをスムーズに進めるための雛型です。
注目すべき点は、「遺留分侵害額に相当する金額を相続税控除後の手取り額で合意する」という考え方です。
これは、相続の公平性を確保しつつ、実際に受け取る金額を明確にするという、とても実践的なアプローチです。
この方法の良さを分かりやすく説明しましょう。
通常、遺留分侵害額を計算する際には、相続税を考慮せずに金額を決めることが多いのです。
しかし、実際には相続税を支払った後の金額が手元に残るわけです。
この雛型では、その「手取り額」で合意することを提案しています。
つまり、「税金を引いた後、実際にいくら受け取れるのか」という、誰もが本当に知りたい金額をはっきりさせるのです。
例えば、遺留分侵害額が1000万円だとします。普通ならここで話が終わってしまいますが、この方法では相続税(仮に200万円とします)を差し引いた800万円を「確定額」として合意するのです。
これなら、実際に手元に残る金額が明確になり、後々の誤解や不満を防ぐことができます。
適宜ご編集の上でご利用いただければと存じます。2020年4月1日施行の改正民法対応版です。
〔条文タイトル〕
第1条(前文)
第2条(目的)
第3条(遺留分侵害額の確定)
第4条(支払い)
第5条(遺留分減殺請求権の放棄)
第6条(相続財産の範囲)
第7条(税務処理)
第8条(秘密保持)
第9条(地位の譲渡禁止)
第10条(完全合意)
第11条(分離可能性)
第12条(変更)
第13条(準拠法)
第14条(紛争解決)
第15条(その他)
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