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第1回 ピンチはチャンス!クレームから改善・向上につなげる方法

著者:   小田 恵子

得意先からクレームが出たら、お詫びして終わる人、そこから今まで以上の信頼を勝ち取る人、さらに商品改善まで結びつける人と、対応の仕方で導き出される結果に大きな違いが生じます。

このコラムでは、クレームをチャンスととらえ、サービスの向上につなげる方法をご紹介します。


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謝るより、まず「聴く姿勢」でインタビュー

得意先からクレームが出た場合、まずお怒りの内容について「聴く姿勢」を見せることが大事です。
話を聴く前に「申し訳ございません」と謝っても、余計に怒りを買うだけです。まずは真摯な態度で話を聴くことからスタートします。実際に対面している場合は直立不動、視線はしっかり相手の顔に向けます。電話の場合は声のトーンを低めに、ゆっくりと話し、「ご不満に思われた内容について、詳しくお聞かせいただけますでしょうか」と、インタビューに入ります。聞き手に徹することが重要で、すぐに回答を出すことが求められているのではありません。
回答の前に、まず気持ちをわかってほしいと思っているため、それを解決することが先なのです。

インタビュー中は「合いの手」が重要

相手が感情的になっている場合は、それをニュートラルな状態に早く持っていく必要があります。そのためにわざとゆっくりと話します。
相手はそのペースにだんだん合わせてくるので、冷静に話ができやすくなります。
ただその際気をつけたいのは、あくまで「聴く姿勢」を崩さないこと。それは適切な「合いの手」を入れることと、「言葉を明瞭に話す」ことです。怒られて声が小さくなっていては、余計に相手にストレスを与えてしまうため、「はい」「そうですね」「なるほど」といった合いの手も、はっきりと発音しましょう。
消え入りそうな声で「ええ・・・」と泣きそうな対応をしていると「責任者出て来い!」と相手に不満をもたれてしまいます。

相手がペースダウンしたところで、提案開始

怒りのエネルギーも長くはもたず、話を聴いてくれる担当者がいることで相手の心も落ち着いてきます。それがわかるのは、対面の場合表情がやわらかくなる、電話の場合は語調が落ち着き、高めのトーンだったのが地声に戻り、話すペースもダウンしてきます。少し「気が済んだ」状態です。そうなると、相手は逆に話を聴く姿勢をもってくれます。そうなれば、クレーム処理のための提案をこちらから開始します。まず手落ちがあった部分を詫び、発生した問題を解決するための方法について説明、提案していきます。
その際も、ゆっくりしたペースを崩さないよう注意します。話を早く終わらせようと、事務的に早口になると、また逆戻り。油断大敵です。

結論を急がず、「お詫び」を「感謝」に

対面の場合はお見送りするまで、また電話の場合は電話を切るまでがクレーム処理の第一段階ですが、ここで相手に持たれる印象が、今まで以上の信頼を勝ち取ることができるかどうかを左右します。
相手に「大事な時間を使わせちゃって悪いね」と言われ、「そんなことはありません。弊社としてはお客様の貴重なご意見をいただき成長につなげたいと考えております。
本当にありがとうございます」と、「お詫び」から「感謝」につなげていくことです。常に相手から何かを学びたい、教えてほしい、という姿勢でいると、必ず得るものがあるはずです。
それに気づかなければ、クレーム処理の時間はお互いにとても無駄なものになります。

クレームは愛や期待の裏返し。好転させよう

よく、「愛の逆は無関心」といわれますが、クレームを言ってくるということは関心が高く、期待をもたれているといえます。「アンチ巨人」の人は「熱狂的な巨人ファン」になる可能性があるといわれます。キライキライも好きのうち、と関心を持たれていることに感謝し、期待に応えるよう努力すれば、クレーム処理のあとに堅い絆が生まれ、ファンになってくれるはずです。話をじっくり聴くことで相手のニーズを見極め、対応していくことは普段の業務と変わりません。
クレーム処理を自身のコミュニケーション能力を伸ばすチャンスとして捉え、「自分を成長させてくれる有り難い人」として接することで、相手を味方につけることが可能になります!

ガイドのポイント

  • 謝るよりも先に、話を「聴く姿勢」をみせよう
  • 合いの手は明瞭に、話すペースはゆっくりと
  • 誠意あるコミュニケーションで相手を味方につける

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著者プロフィール

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小田 恵子

関西学院大学非常勤講師/キャスター/キャリアコンサルタント/アナウンサーの経験をもとに、仕事での話し方、聞く技術についてアドバイスを行う。

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