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第2回 具体的な数値や 実施事項の前に、根拠 とストーリーを示す

専門家に学ぶ!シーン別事業計画書の書き方


社長の言葉でストーリーを伝え、ミッション・ビジョンを明確に

前回のおさらいとして、経営計画達成の為には、意味・目的を社員に理解して共感してもらう事が必要だとお伝えしました。それを補完するタイプの経営計画書のフォーマットを用いて、どのように伝えていくかを解説していきます。

具体的には、まず「社長の言葉」のシートに、前期の総括と今期の方針、そして改めて当社の事業目的や社長の想いを、根拠やその背景と共に伝え、「どのような活躍を期待しているか」という社員一人一人に向けたメッセージを伝えていく事が必要です。

本来は貸借計画や投資計画等も必要ですが、今回は社員と共に目標達成していく、という事に重きを置いたパターンでの経営計画作成方法をお伝えしていますので、それらは省略させていただいています。

「社長の言葉」は、何度でも繰り返し伝える

「社長の言葉」のシートには、

  • 当社の存在理由、事業目的
  • 前期の振り返り
  • 今期の方針、目標、ゴールイメージ
  • 社員へのメッセージ

等を盛り込んで作成していきます。
ここだけは社長一人、じっくりと考える時間を作って、普段社員に伝えている事を整理しながらまとめ上げていって下さい。この「社長の言葉」は非常に重要な役割を果たします。このメッセージに、この後共に計画を作成する社員が共感できるかどうかが、結果的に計画自体の精度を左右し、目標達成の行方を決めていきます。「共に頑張りたい!」と社員が思えるような高次の目的と、考えるだけでワクワクするような未来のイメージを伝えて下さい。

ここからが社員との共同作業 議論を深めてよりよいモノを

共に作成する社員へ「社長の言葉」を伝えたら、そこから実際の計画作成に入っていきます。当然、何もない状態でいきなり「みんなで考えよう」という事では、途轍もなく時間を要してしまいますので、ある程度の叩き台となる数値計画や方針については、社長ご自身で提示していった方がいいでしょう。「方針と数値計画」のシートでは、ミッション・ビジョン・行動指針の3項目は社長の言葉から要点をスライドさせて記入していけば大丈夫です。行動指針については社員の意見も取り入れながら、より現状に即した形に修正していきましょう。

戦略はビジネスモデルの再点検 戦術を考える前に前提を見直そう

同じシートに「今期の大方針(戦略)」を記載する欄がありますが、ここが非常に重要なポイントとなってきます。つまり、戦略を見誤ると、どんな優れた戦術(具体策)を以てしても、結果が伴わないという事が起こります。戦略を見直すという事は、ビジネスモデルそのものを再点検するという事ですから、過去2-3年の売上、粗利推移を見極めた上で、商品戦略・価格戦略・顧客戦略などを見直していく必要があります。市場のライフサイクルを見極めた上で、ポジショニングを柔軟に変えていく事が、経営を安定させることに繋がります。ですので、この「戦略」については、ここだけで数日かけて考え抜く事も検討された方がよろしいでしょう。社員と共に合宿して議論することも一体感を生み効果的です。

戦術に落とし込み、更にはリスクヘッジを。

大方針=戦略、が固まったら、それを具体的にどのように実行していくかという観点で具体的な戦術を検討していきます。具体的には営業プロセス、組織体制、人員配置、広告・販促ツール、等の見直しを図ることや、よりこれまでの流れを強化していくための具体策を検討します。そして、多くの企業で見落とされがちなのが「想定される懸念事項」という項目で検討するリスクヘッジです。計画を立てるところまではいいのですが、もしそれが不測の事態も含め上手くいかなかった場合に、どのように対応していくのかという事を、予め検討しておく事で実際にそのような事態に遭遇した場合の対応スピードが格段に上がります。悪い事は縁起でもないから考えない、というのは経営に於いては逆に致命傷となり得るのです。

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