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株主総会議事録の書き方と見本

株主総会議事録の書き方と見本

株主総会を開催したときには、必ず株主総会議事録を作成する必要があります。しかし、これまで株主総会議事録を作成した経験がない人だと、何を書いたら良いのかわからないでしょう。

そこでこのコラムでは、株主総会議事録の書き方について解説します。


株主総会議事録の書式テンプレート

株主総会議事録とは

株主総会議事録とは、法律で作成が定められている書類です。会社の規模に関わらず、株主総会を開催する場合には、必ず書面または電磁的記録による株主総会議事録を作成をしなければなりません。

株主総会議事録の必要性

会社法とは、会社の設立や組織、運営及び管理一般について定められた日本の法律です。株主総会議事録の作成については、会社法第72条にて定められています。

株主総会議事録を作成しなくても、株主総会で決議されたことが無効になることはありません。しかし、作成・保管を怠ると、100万円以下の過料などの罰則を科される可能性があります。

また、登記や税務調査の際に添付書類として提出する必要があるほか、株主総会後に何らかの紛争が起きた場合の証拠にもなるため、きちんと作成しておきましょう。

株主総会議事録の保管期間

株主総会議事録は、本店にて10年保管するよう義務付けられています。また、支店では株主総会議事録の写しを5年保管しなくてはなりません。

株主や債権者が株主総会議事録の閲覧を希望した場合、正当な理由がない限りは必ず応じる必要があるため、本店と支店の両方に保管しておく必要があります。

もし10年と5年に分けて管理することが難しい場合は、一律10年としても問題はありません。

株主総会議事録の書式テンプレート

株主総会議事録の記載事項と書き方

株主総会議事録に記載する内容についても、法的な決まりがあります。株主総会議事録に記載すべき基本的な事項は、下記のとおりです。

  • 株主総会が開催された日時及び場所
  • 出席株主などの総数
  • 議事経過の要領及びその結果
  • 株主総会において述べられた意見または発言内容の概要
  • 出席した取締役・執行役・会計参与・監査役または会計監査人の氏名または名称
  • 株主総会の議長の氏名
  • 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

それぞれの項目の書き方について、下記にてくわしく解説します。

株主総会が開催された日時及び場所

株主総会議事録の冒頭には、株主総会が開催された日時と場所を記載します。

【例文】
株式会社〇〇 定時(臨時)株主総会議事録
日時:〇〇年〇〇月〇〇日 午前(午後)〇〇時〇〇分
開催場所:〇〇会議室

出席株主などの総数

次に出席株主などの総数を記載します。リモートで株主総会に参加した役員がいる場合は、その旨も記載しておきましょう。

【例文】

  • 弊社の株主総数:〇〇名
  • 弊社の発行済株式総数:〇〇株
  • 自己株式総数:〇〇株
  • 弊社の総数議決権を行使できる株主総数:〇〇名
  • 議決権を行使できる株主の議決件数:〇〇件
  • 議決権を行使できる本日出席の株主数:〇〇名
  • 議決権を行使できる本日出席の株主の議決件数:〇〇件

議事経過の要領及びその結果

議事経過の要領及びその結果には、株主総会の議案や流れ、決議結果を簡潔に記載します。決議事項が複数ある場合は、個別に記載しましょう。何らかの書類が提出された場合は、書類の種類も記載しておきます。

【例文】
第1号議案 〇〇の件
議長は、〇〇年の定時(臨時)株主総会において〇〇について説明し、次の書類を提出してその承認を求めた。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書

出席株主中〇〇名(持株数〇〇株)の株主がこの議案に賛成したため、承認可決した。

株主総会において述べられた意見または発言内容の概要

会計参与や監査役の選任・解任・辞任など、会社法の一定の規定に基づいて意見が述べられた場合、その概要を記載しておきます。

【例文】
議長は、本定時(臨時)株主総会終結と同時に監査役全員が任期満了し退任するため、改選の必要がある旨を述べた。選任方法については、出席株主中から議長の指名に一任したいとの発言があり満場一致で承認されたため、議長は下記のものを指名した。

出席した取締役・執行役・会計参与・監査役または会計監査人の氏名または名称

出席した取締役や執行役などは、すべてフルネームで記載しましょう。リモートで株主総会に参加した役員がいる場合は、その旨も記載しておきます。

【例文】

  • 出席取締役:〇〇 〇〇
  • 出席執行役:〇〇 〇〇
  • 出席会計参与:〇〇 〇〇
  • 出席監査役::〇〇 〇〇

株主総会の議長の氏名

株主総会の議長の氏名も、フルネームで記載します。取締役などが議長を務めた場合は、「出席した取締役」で記載した氏名の横にかっこ書きで「議長」と書いてかまいません。

【例文】

  • 出席取締役:〇〇 〇〇(議長)

議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

株主総会議事録の作成担当者の氏名を、フルネームで記載します。議長と同じく、取締役などが議事録を作成した場合は、「出席した取締役」で記載した氏名の横にかっこ書きで「議事録作成者」と書いてかまいません。

【例文】

  • 出席取締役:〇〇 〇〇(議長兼議事録作成者)

株主総会議事録のひな形

株主総会議事録に不備があると、登記や税務調査の際に指摘が入ることがあるため、記載事項の漏れなどがないように作成することが重要です。

一から作成するとミスや漏れが発生しやすいので、株主総会議事録のひな形を活用すると良いでしょう。ここでは、役員報酬変更についての議事録と、定款変更についての議事録を紹介します。

役員報酬変更についての議事録

役員報酬変更手続きは、原則として事業年度開始日から3ヶ月以内にしなければなりません。その手順として、まず株主総会等で役員報酬変更を決定します。そして、その株主総会議事録を残す必要があります。記載すべき項目例は下記の通りです。

  • タイトル:臨時株主総会議事録
  • 議決権ある株主総数 ○○名
  • 議決権ある発行済株式の総数 ○○○株
  • 出席株主数(持株数)○○名 ○○○枠
  • 第1号議案 取締役報酬額改定の件
  • 第2号議案 監査役報酬額改定の件

株主総会議事録(役員報酬額の変更)

株主総会議事録(役員報酬額の変更)

定款変更についての議事録

株式会社の設立登記の後に、会社名や事業内容などを変更する場合は定款変更をしなければなりません。また、定款を変更するには株主総会で特別決議を行う必要があります。開催する株主総会は、定時株主総会、臨時株主総会のどちらでも良いことになっていますが、ここでは定時株主総会での例を挙げてみましょう。記載すべき項目例は下記の通りです。

  • タイトル『第○○期 定時株主総会議事録』
  • 発行済株式の総数
  • 議決権を有する総株主の数
  • 持株主の議決権の数
  • 出席株主の数
  • 出席株主の議決権の数
  • 定款変更の内容(変更前/変更後)
  • 日付
  • 出席者全員の記名・捺印

(株主総会議事録)定款変更

(株主総会議事録)定款変更

株主総会議事録の書式テンプレート

株主総会議事録のよくある疑問

株主総会議事録を作成するにあたり、「押印は必要なのか」「だれが署名するのか」など疑問が出てくることがあるでしょう。そこで、株主総会議事録のよくある疑問に回答します。

押印は必要?

法律上は株主総会議事録への押印義務はありません。定款で署名義務者を定めている場合は、その規定に従ってください。

取締役の就任承諾書を株主総会議事録で援用する場合は、再任を除いて、株主総会議事録に取締役の実印を押印する必要があります。

また、代表権を有する取締役を選任する場合は、議長と出席した取締役の押印が必要です。会社の代表にあたる取締役が会社実印を押印している場合を除いて、全員が実印を押しましょう。

社判について分かりやすく解説!社印との違いやその役割

だれが署名する?

原則として、出席した役員が株主総会議事録に署名する必要はありませんが、議事録作成者が署名するのが一般的です。

また、取締役会非設置会社が株主総会で代表取締役を決定するときなど、議長や出席した取締役全員の記名押印が必要になるケースもあるので、都度確認しましょう。

1人会社でも株主総会議事録が必要?

自分以外に取締役などがいない1人会社では、「みなし決議・報告」の制度を利用すれば株主総会の開催を省略することが可能です。

しかし、会社としての取り決めを報告しなくてはならないため、株主総会議事録は必ず作成する必要があります。株主総会議事録の記載事項はどの会社でも同じなので、ひな形を活用すると良いでしょう。

まとめ

株主総会を開催する場合には、株主総会議事録を作成し、本店で10年、支店で5年保管するよう義務付けられています。

不備があると登記や税務調査の際に指摘が入る可能性があるので、ひな形を参考に作成しましょう。

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