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事業計画書の書き方を分かりやすく解説!テンプレートも紹介します

起業するときや、新しい事業に進出する目的で金融機関から資金の借り入れをするとき、事業計画書が必要となります。

事業計画書は銀行や金融機関、投資家から融資を受けるための説得材料ですので、事業に対する想い、事業内容、市場環境、戦略、資金の調達方法など、具体的な計画内容をきちんと盛り込まなければなりません。

この記事では、事業計画書の書き方の手順、作成するうえでの注意点や確認しておくべきポイントなどをまとめて紹介しています。

また「0から事業計画書を書くのが面倒!」という方向けに、事業別のフォーマットやテンプレートなど、今すぐ使える雛形も掲載しています。


事業計画の書式テンプレート

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事業計画書とは?

事業計画書とは、事業を行う上での構想をまとめた計画書で、作成する目的は2つあります。1つは融資を受ける銀行や金融機関に対して資金調達の目的を説明するための資料です。当然ですが、銀行や金融機関も返済の見込みがない企業にただで融資を行うことはできません。事業計画書内で事業の意義やメリットについて十分な説明を行い、お金を貸して良い会社だと信用を得る必要があります。もう1つはこれから自分が行う事業内容の整理です。相手を説得するためには事業内容を客観的に見つめ直す必要があります。頭で考えていた事業計画を事業計画書に落とし込むことで、不足していた検討事項を発見し、より具体的で現実的な事業経営につながることでしょう。

事業計画の書式テンプレート

事業計画書の具体的な書き方

テンプレートを用意する

まずは事業計画書用のテンプレートを準備します。計画書の全体像をつかむためにも型を先に決めておくことをお勧めします。テンプレートは取引先の金融機関から取り寄せる、ネットで検索するなどの入手方法が考えられます。
テンプレートといっても、パワーポイントをはじめエクセルやワードなど形式や書式は様々です。いろいろ見比べて一番分かりやすいものを選び、不足しているものは他から追加すると良いでしょう。

下記から、事業計画書の実例や記入済みのサンプルテンプレートをダウンロードできます。

事業計画の書式テンプレート

事業計画書に必要な項目9選

計画書に記入が必須な項目は以下です。事業によって若干変わりますが、ここでは代表的な項目をご紹介します。

1.概要

計画書の最初にとじ込む事業計画の全体像をまとめたもので、エクゼクティブサマリーとも呼ばれます。背景や環境、目的、リスク、成功のカギなど、読み手が以降の詳細を読み進めたいと思うような熱意があり、簡潔で要点を得た記述が必要です。他の資料を完成させた後でもう一度見直して、細心の注意を払って作成してください。

2.会社概要

事業を行う会社の沿革、経営方針、役員構成、資本金、株主構成、本店所在地、従業員数などを記載します。起業の場合には役員の略歴や株主構成などを、新規事業の場合には既存企業の関与状況などをまとめます。

3.製品やサービス

提供する製品やサービスについての概要や競合他社との比較、消費者ニーズ、将来性などを伝える項目です。内容に客観的視点を持たせるため、写真やイラストを用い、より製品やサービスのイメージがわかりやすいものが良いでしょう。

4.市場分析

ここでは対象とする市場の規模、顧客の属性、地域的特性、季節的特性、自社と主な競合他社(市場参加者)のそれぞれの強みと弱み、参入障壁、将来性や成長性などをまとめます。客観的なデータを収集し、誰が見ても違和感のない分析を行いましょう。また、参考文献や資料参考元を明らかにすることで、より事業計画としての客観性を増すことができます。市場規模は棒グラフ、市場占有率は円グラフ、店舗の写真など、図版やグラフを用いてわかりやすくする工夫も大切です。

5.戦略と実行

この項目では、上記の市場分析を受けて、どのような戦略を立て、どのように実行し、何を得ようとするのか、がポイントになります。そのために、まず目標とする事業とその特徴(セールス・ポイント)を明確に定めることから始めましょう。そして事業に必要な戦略を、販売、仕入、設備、要員などのそれぞれにつき5つほど比較検討し、実行できそうなもの2~3つ選びます。

この比較検討の過程は、事業計画書の読者に何をどう考えているのかを理解してもらうのに役立ちます。さらに、2~3つ選んだ戦略をどう実行するかについて、それぞれ2つほど策を述べてください。ポイントは、実行可能性です。手持ちの人・資金・モノで実行できるかどうか、足らないものは何なのかをはっきりさせましょう。目標と戦略、そして実行策が首尾一貫するよう十分吟味してください。

6.リスク分析

何事にもリスクはつきものです。どのようなリスクがあって、それにどう対応するのか。この点は資金提供側にとって大切なポイントになります。考えられるリスクとして、競合他社の特許や実用新案権といった権利を侵害してしまう、製品やサービスに欠陥を生んでしまう、予定する要員が揃えられないなどが挙げられます。リスクと対処策をまとめておくことを忘れないようにしましょう。

7.経営概要

上記の戦略と実行を支える組織体制、経営陣と主要役職者の略歴、財務、経理、人事といった管理部門の体制、教育体制、人事計画などをまとめます。コンプライアンスや情報漏洩防止策なども記述すると良いでしょう。すばらしい戦略があっても、それを支える組織が脆弱だと思われないよう注意することが必要です。また、経営陣や主要役職員の写真や職場の写真を載せることで親近感を与えられます。

8.財務計画

上記を踏まえ、必要な資金量はいくらなのか、その資金をどのように使ってどのような成果が得られるのかを財務数値として表します。

見積もり損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表の3つの計算書が基本となりますが、損益分岐点分析も忘れないようにしましょう。過去数年間もしくは設立からの期間と将来3~5年間の比較として表します。理想的な成果、困難な状況での成果、そして最も現実的と考えられる成果の3シナリオを用意するとより丁寧です。
売上、経常利益、利益、営業キャッシュフロー、資金収支尻、流動資産・負債、固定資産、自己資本や一人当たり売上高、在庫回転率、粗利率などの主要財務数値をまとめておくと良いでしょう。

これにより、融資審査の関係者に将来的な事業収益の見込みを示すことができます。

9.その他

ここには上記の背景となる参考情報や会社案内、新聞・雑誌の記事などをつづり込みます。上記本文の中に織り込みには量が多くなってしまう情報もここに置き、本文に注釈を付けることで参照してもらえるようにしておきましょう。

下記の書式は「事業計画書」の雛形です。エクセル形式ですので、ダウンロード後にそのまま編集が可能です。自社サービスや事業を説明するための参考にご活用ください。

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事業計画の書式テンプレート

書く前に考えを整理する

テンプレートと書くべきポイントを用意したら、すぐ書き始めるのではなく、頭の中の考えを整理します。それぞれの項目について、別の紙に書き出し、一貫性があるかなどを確認します。

上記の中で最も重要なものは「概要」です。金融機関の採決をする立場にある人もしくはそれに近い人は、事業計画書の「概要」の良し悪しで判断してしまうと考えてください。紙一枚に書けることは限られています。枝葉ではなく、幹であり土台こそが重要なのです。

第三者の意見を積極的に聴く

項目を見てみると、市場環境やアクセス、戦略、考えられるリスク、資金計画など、自分ひとりではすべて分からないことがあります。そのようなときは、同業他社の知人や金融機関の担当者など、専門知識を持っている人から話を聞きましょう。

起業を考えている人たち向けのセミナーに参加して知識を得るとともに、そこで仲間を作ることも大切です。ただし、意見は意見として受け止め、あくまで自分の言葉として話せるまで噛み砕いておきましょう。何を知らないか、何を知る必要があるかさえ整理できれば、おのずと聞く相手は分かるはずです。

少し敷居が高そうな弁護士、公認会計士、中小企業診断士といった士業の扉も叩いてみると、案外気安く相談に乗ってもらえるかもしれません。

事業計画の書式テンプレート

計画書を書く

書く内容がまとまったら、実際に計画書に書き落としこんでいきます。ここで大事なのは、説得力です。金融機関の担当者でも、事業の業界やリスクなどについてすべて知っているわけではありません。事業計画書の読み手が持っている知識や経験は、自分より少ないという思いで書き始めると良いでしょう。

また、形容詞や婉曲な表現は避け、核心に直接迫るような文章を心掛けましょう。金融機関担当者は複数の案件を抱えているのが一般的なので、一読してポイントが理解でき、計画の全体像、良いところと気を付けるところがすぐに分かる計画書を歓迎します。

小説を書くのではありません。財務計画では、単に数字の羅列ではなく、注目して欲しい数字や比率は太字にしたり色を変えたりして強調するなど、工夫をこらすようにしましょう。
出来上がったら誰かに見てもらうことも重要です。第三者が読んだ際に理解しやすいよう、できるだけ簡潔に、また事業について内容に整合性が取れているかなど、全体を通して意識して作成しましょう。

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