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進退伺いとは? 具体的な書き方を例文で解説【テンプレート付】

進退伺いとは? 具体的な書き方を例文で解説【テンプレート付】

進退伺いは辞表とは大きく違います。職務上の過失があったとき、責任を追って辞職するべきかどうかを上司にお伺いするときに使用しますが、辞職を決定しているものではありません。

進退伺いには、責任をとる意思を伝えつつ、上司の指示を仰ぐ必要があり、文章や言い回しに気を使うこととなります。

このコラムでは、例文を入れつつ、進退伺いについて解説していきます。また、テンプレートを用いて、具体的な書き方を紹介するので参考にしてください。


進退伺いとは

進退伺いとは、何か業務上において失態を犯した者が、上司に自らの進退について伺いをたて、処分を委ねる文書のことをいいます。

通常不始末を行った者は始末書を書くことになりますが、その始末書とともに出されるのが一般的です。

その不祥事を犯した者の上司がさらに上位の処分権限を持つ者、もしくは社長に対して進退伺いを出す場合もあります。

これは自らの不始末というよりも、部下のミス、失敗、不始末につき、その監督不行き届きの責任を負って出される場合が多いでしょう。

「私はこの部下が犯した不始末の件につき上司として責任がありますので、処分についてご判断をお待ちしております。」ということです。

辞表・退職願との違い

辞表・退職願とは、会社に対して退職の意思を表明する文書であり、退職することを一方的に伝える文書です。

これに対して進退伺いは、「自ら責任を認め会社の対応を待ちます」という文書であり、解雇を含めた会社の処分を前提として提出します。

進退伺いは部下が不祥事を起こしたときに、その上司が監督責任を負う立場から謹慎の意味を込めて提出される場合も多く、何らかの懲戒処分は負うものの解雇にまでは至らない場合が多いでしょう。

また、解雇になってもいたしかたないと判断されるような場合に、会社の寛大なる判断を期待して進退伺いを出すこともあります。

部下が故意もしくは重過失により会社に重大な損害を与えたようなケースで、しっかり管理していればそれを未然に防げたようなときには、進退伺いではなく辞職願を出さざるを得ない場合もあるでしょう。

始末書・顛末書との違い

業務で何らかの不始末を起こした際に提出する書類として、始末書や顛末書などがありますが、これらの書類と進退伺いは目的が大きく異なります。

始末書は不始末を起こした本人が、不始末の内容や経緯、今後の対策、謝罪の旨などを書く反省文のようなものです。

また、顛末書は起こした不始末の一部始終を説明する書類であり、自身の進退について指示を仰ぐ内容は記載しません。

対して進退伺いは、不始末を起こした者の進退について、会社の指示を仰ぐために作成します。

不始末を起こした本人ではなく、その上司が作成することがある点も、始末書・顛末書とは異なります。

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進退伺いを書くより先に行うべきこと

重大な不始末を起こした場合、「今後どうなるのか」と不安になり、進退について早急に確認したくなるでしょう。

しかし、進退伺いを提出するよりも先に、起こした不始末に対応することが重要です。

不始末を放置して書類を作成していては、より損害が大きくなる可能性もあり、会社からの信用がさらに失われてしまうでしょう。

また、トラブルの内容や経緯、責任の所在などがはっきりしていない段階で進退伺いを提出すると、不当な処分が下される可能性もあります。


進退伺いの書き方

進退伺いはパソコンで作成してもよいですし、手書きでも問題ありません。大切なのは、起こしてしまった過失にいっさい弁明せず、責任をとろうとする姿勢を見せることです。

また、文書内に個人的な感情は必要ありません。簡潔に事実関係のみを記載し、どのようにそのトラブルが起こったのかを明記します。

余計な修飾などは極力排除し、あくまで責任をり、会社に自身の進退をゆだねる内容にしましょう。

進退伺いに記載する項目

進退伺いには、以下のような内容を記載します。

  • 進退伺いを提出する年月日
  • 宛先(通常は社長宛て)
  • 提出する者の役職・氏名
  • 表題(進退伺い)
  • 不始末の内容
  • 自分に責任がある旨の表明
  • 謝罪の言葉
  • いかなる処分も受ける旨の表明

不始末の内容には、いつ、誰が、何を、どうしたのか、それはどのような原因で起こったのか、その結果どのような損害を会社にもたらしたのかといったことを記載します。

始末書などを提出する場合は、詳細な説明は割愛してかまいません。

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進退伺いの書き方と例文

ここでは、進退伺いの書き方と例文を紹介していきます。進退伺いは頻繁に作成するものではないので、いちから自分で作成するより、テンプレートや例文を利用したほうが効率的に漏れなく書くことができます。

作成する際には、これから紹介するテンプレート・例文を参考にしてみてください。

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交通事故・飲酒運転の例文

私は、平成〇〇年〇〇月〇〇日深夜、会社からの帰宅途中に飲酒のうえ自動車を運転し、自動車事故を惹起し、負傷者を出して警察に検挙され、会社の信用と名誉に多大な損害を与えてしまいました。

相手方には、治療費・通院費を全額負担するということで、〇月〇日に示談が成立いたしました。今回の不祥事を深く反省し、今後このような事故を二度と起こさぬよう、十分注意することをお誓い申し上げます。

本件に関しましてはいかなる処分もお受けする所存でございますので、私の進退につきご指示をお待ちしております。(以上本文のみ)

部下の横領の監督責任の例文

〇〇年〇〇月〇〇日の会計監査の折に発覚いたしました経理部長である私の部下〇〇による会社資金560万円の横領につきましては、本人の父親より弁済する旨の連絡がありすでに560万円全額を受領し、本人も〇〇月〇〇日付で懲戒解雇いたしました。

私は、日頃より、部下の監督指導には鋭意努力し、十分意を用いてまいったつもりでおりましたが、信頼のあまり長年にわたり〇〇一人に出金業務を任せ、牽制体制をとらなかったことは私の監督不行き届き、管理の失態とその責任を痛感しております。

あらためて会社に対しまして多大なご迷惑、損害をおかけしましたことを衷心よりお詫び申し上げます。またいかなるご処分も覚悟しておりますので、ご指示のほどお願い申し上げます。(以上本文のみ)

重大なミスをしたときの例文

〇〇年〇〇月〇〇日に起きた〇〇の件は、ひとえに私の責任です。本件は私の注意不足が招いたことで、企業に多大なる損害を生じさせたことを深く反省するとともに、心よりお詫び申し上げます。

いかなる処分であっても謹んでお受けする所存でございますので、進退についてご指示いただきたく存じます。(以上本文のみ)


進退伺いの場合「会社都合」退職になる?

進退伺いを提出し、会社が懲戒解雇の処分を下した場合、本人が辞表や退職願いを出したわけではないので「会社都合」のように見えるでしょう。

しかし雇用保険法上、懲戒解雇は本人の不始末による処分であるため、自己都合による解雇として扱われます。


進退伺いに関するよくある質問

始末書を読んだり書いたりする機会はあっても、進退伺いにはなじみがない方も多いでしょう。

以下では、進退伺いが求められる状況と、作成する際のポイントについて解説します。

進退伺いが求められるケースはどのような状況か?

進退伺いは、業務上で重大なミスを犯した時に提出する文書です。会社に損害を与えるような過失を犯した際に、提出基準が適用されます。

進退伺いの提出を求められる場合は、以下のようなケースです。

  • 事件性のある問題を起こした時
  • 会社にとって経済的に大きな損害を与えてしまった時

トラブルを犯した本人は直属の上司へ、トラブルを犯した部下の上司は上層部へ、処分の判断を任せる目的で提出します。

トラブルを犯したのが部下であっても、監督不行き届きが原因ならば、上司から進退伺いの提出が必要です。

進退伺いを書く際のポイントは?

進退伺いを作成する際は、以下5つのポイントを考慮しましょう。

  1. 要点を押さえて簡潔に書く
  2. 事実関係を明確に書く
  3. 過失に対する責任を認め、その旨を記述する
  4. 謝罪の意思を示す
  5. 処分の内容は会社に任せる

進退伺いで重要なのは、事実と原因を簡潔に明記することです。謝罪の意思は手短に伝え、問題の内容に重点を置いて書きます。

反省の意思やトラブルの細かい背景は、始末書に記載するので、進退伺いに記述する必要はありません。

上記を簡潔にまとめたうえで、処分について伺うようにしましょう。


まとめ

進退伺いは、自らが不始末を起こした、もしくは自分の部下が不祥事を起こしたようなときに、自らの責任を認め、会社に対し恭順の意を表すために提出する文書です。

自分の意思を一方的に伝える辞表・退職願や、不始末の経緯などを伝える始末書・顛末書とは目的が異なるため、間違えないようにしましょう。

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