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お中元のお礼状、書き方とマナーは?

お中元のお礼状、書き方とマナーは?

日頃お世話になっている方へ、感謝の気持ちを込めて贈る「お中元」。

いただいたお中元に対しては、どのような対応をするのがよいのでしょうか?

ここでは、お中元をいただいた際のお礼状の書き方や、お返しなどについて解説します。


知っておきたいお礼状の基礎知識

まずはお中元のお礼状を書く際に知っておきたい基礎知識を紹介します。

お礼状を送る前に、お礼状の役割やお返しのマナーを押さえておきましょう。

お礼状とは?

お礼状は、主にはがきや手紙などの文面でお世話になった人に感謝の気持ちを伝える手段です。贈り物やお祝いをいただいたときや、冠婚葬祭に参列いただいたときなどにお礼を伝えるために使います。

古くは茶の湯の文化に由来し、江戸時代から日常的に用いられ、相手を訪問できない場合にお礼状を使っていたとされています。

お礼状は元々、カジュアルで堅苦しくない連絡手段でした。

しかし、メールや電話などのコミュニケーションが普及した現代では、手紙を送ること自体が丁寧で好印象を残すものとなっています。

フォーマルなイメージがあるため、ビジネスシーンでもお礼状は多く使われます。

お歳暮やお中元を受け取ったときは、可能な限り早くお礼状を送りましょう。

お返しの品は原則不要

お中元やお歳暮などに対してお礼状を送る際、基本的にお返しの品物は不要です。それでもお返しの品を送りたいという場合は、いただいた品と同額程度か、少し安い物を贈りましょう。

お中元でいただいた品物とまったく同じものや、明らかに高額なものは、かえって失礼に当たるので注意してください。

また、「お返しの品を考えているうちに数日が経過してしまう」ということがないよう、お中元が届いたら、お礼状をすぐに出すことを心がけましょう。

どうしてもお返しの品が必要な場合は、お礼状を出してからお返しの品を選ぶようにします。


お中元をいただいた際のマナーとは

お中元をいただいたら、お礼状を出すのがマナーです。

お中元をいただいた場合のマナーについて、見てみましょう。

お礼状はお中元が届いてから3日以内に出す

お礼状は、できるだけ早く送ることがマナーとされています。

お中元の場合は、受け取った当日から3日以内に送るのが一般的です。遅くても、1週間以内には相手に届くように送りましょう。

遅れた場合は、その旨をお詫びとして伝えることが望ましいです。何らかの事情で直筆の手紙を送付することが難しい場合は、メールや電話を利用しましょう。

また、体調やけが等が原因でメールや電話もできない場合は、部下やご家族に代筆を頼むなど、できるだけ早めに感謝の気持ちを伝えましょう。

お礼状には便箋と封筒を使う

お中元をいただいたときは、原則としてメールや電話でのお礼ではなく、便箋と、封筒を使ってお礼を伝えるのがマナーです。

お中元は、本来は直接会って手渡しするものでしたが、時代とともに贈り方が変化しました。お礼の方法も略式化され、書面で感謝を伝えるようになったといわれています。

近年、メールやスマホアプリがお中元のお礼に利用されることもあるようですが、あまりおすすめできません。

感謝の気持ちは、「少し手間をかける」ことで相手により強く伝わるという側面もあります。そのため、お礼状は便箋と封筒に直筆で書くのがマナーです。

毎年お中元をいただいている相手などの場合は、ハガキでも良いでしょう。

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文例で学ぶ、お礼状の書き方

お中元をいただいたら、できるだけ速やかにお礼状を出しましょう。

お礼の気持ちを伝えるのはもちろんのこと、贈っていただいた方に、無事受け取ったことをお知らせする意味も兼ねています。

  1. まずは時候の挨拶を書いてから、相手の安否を気遣う1文を添えます。
  2. それから、品物をいただいたことへの感謝の気持ちを表現します。
  3. 日ごろお世話になっていることへのお礼と、こちらの近況を伝える文章を入れます。
  4. 最後に相手の健勝を祈る1文を加えたら、結びの挨拶で締めくくります。

以下、具体的な文例をいくつか紹介します。文例は横書きとなっていますが、実際に書くときは、基本的に縦書きにしてください。

さらに、手書きにすると丁寧さが増します。

【文例1:個人から個人へのお中元(1) 友人から送られてきた場合】

拝啓

毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、このたびは美味しい桃をいただき、ありがとうございました。桃の箱を開けた途端、新鮮な桃の香りが部屋中に漂い、主人も子どもたちも大変喜んでおりました。

早速、家族皆で美味しくいただきました。いつもこちらの方がお世話になっているのに、このように素敵な贈り物をしてくださる○○さんのお心遣いには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

これから夏本番を迎えます。ご多用のことと思いますが、くれぐれもご自愛ください。

まずは取り急ぎ御礼まで。

敬具

【文例2:個人から個人へお中元(2) 義理の両親から送られてきた場合】

拝啓

今夏は例年にも増して猛暑が続いていますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

このたびは、いろいろな味が楽しめるアイスクリームの詰め合わせを送っていただき、ありがとうございました。子どもたちは、どの味にしようかと選ぶところから大はしゃぎです。

〇〇さん(夫の名前)も私も大の甘党ですからアイスクリームは私たち夫婦にとってもうれしい贈り物で、早速おいしくいただきました。いつも細やかなお心遣いを本当にありがとうございます。

子どもたちはお蔭様でだいぶ大きくなりました。学校はそろそろ夏休みに入りますが、二人とも福岡に行けるのを楽しみにしています。

私もお逢いするのを楽しみにしておりますので、今年も○○さん(夫)の夏休みに合わせて家族皆で福岡にお伺いさせていただきたいと思います。

暑さはまだまだ続きそうです。どうぞ自愛くださいませ。

取り急ぎ御礼申し上げます。

敬具

【文例3:取引先から個人へのお中元(1)企業から送られてきた場合】

株式会社○○
代表取締役 ○○○○様

拝啓

8月は残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびはお中元をご恵贈賜り誠にありがとうございました。
今後も皆様のご期待に添えるよう、全力を尽くす所存でございます。
厳しい暑さが続く折、貴社の皆さまのご健康とますますのご繁栄をお祈りいたします。

略儀ながら、書中にて御礼申し上げます。
今後とも何とぞよろしくお願いいたします。

敬具

令和△年△月△日

△△株式会社
代表取締役 名前

【文例4:取引先から個人へのお中元(2)個人から送られてきた場合】

○○株式会社
(役職)○○○○様

拝啓

盛夏の候、○○○○様におかれましてはご壮健にてお過ごしのことと存じます。

平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度はお中元の品をいただき、ありがとうございました。
いつも多大なご協力をいただいております上、このようなご恵贈にあずかり、恐縮いたしております。
今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。

略儀ながら、書中にてお礼申し上げます。

敬具

令和△年△月△日
△△株式会社
(役職)名前

企業から送る場合などは、以下のテンプレートを利用するのもよいでしょう。


お礼状の代筆を頼むときのポイント

体調不良や多忙を理由にお礼状を書く時間が取れない場合、代筆を頼むこともできます。代筆する際に気をつけたいポイントを紹介します。

代筆のケースとして、夫の代わりに妻が書く場合や、上司のお礼状を部下が代筆する場合があります。ただし、相手によっては直接自分が書くことを礼儀と考える人もいます。その場合の代筆は避けてください。

代筆する場合「かしこ」は使えない

「かしこ」は、女性が手紙を締める際に添える結びの言葉です。かしこを手紙で使うと「これで失礼します」「恐縮です」といった意味になり、相手への敬意を示せます。

しかし、夫や男性上司のお礼状を妻や女性の部下が代筆する場合、女性が使う結語である「かしこ」は使用できません。その場合には「拝啓」と「敬具」を使用しましょう。

差出人によって脇付を変える

お礼状の代筆をする人によって脇付を変える必要もあります。

夫宛てのお中元に対して妻が代筆する場合、夫の名前を書いた左脇に小さく「内」と記載します。親しい関係性では「内」の代わりに連名とするか、妻の名前のみ記載してください。

代筆者が妻以外の場合は、お中元をいただいた本人の名前を書いた左脇に小さく「代」と記載し、その下に代筆者の名前を書きましょう。


まとめ

日ごろお世話になっている方への感謝の気持ちを表すお中元は、いただくとうれしいものですね。

お中元を贈ってくださった相手に直接お会いできないからこそ、うれしい気持ちや感謝の思いをお礼状に込めて出しましょう。

今後も変わらぬお付き合いを続けていくためにも、お礼状は「マナーを守って書く」という気配りが大切です。

ただし、「素敵な文章を書こう」と完成度を高めに設定すると、うまく書けず出しそびれてしまうこともあります。

出しそびれを防ぐためには、まず自分に合いそうな文例を選び、可能な範囲で自分のことばに変えて、ほんの少し具体的なエピソードを添えるといったレベルを目指しましょう。

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