家喜信行

正義感、お客様第一主義がビジネスを動かす原動力

パソコンのトラブルに、24時間365日、電話一本で対応してくれる日本PCサービス。技術力に定評のあるプロのエンジニアが、本当に技術者なのかと驚くほどこざっぱりとしたスーツ姿で出張訪問して、親身に応じてくれる。
こう聞けば、類を見ない急成長ぶりにもうなずけるが、ここに至る道のりはけっして平坦なものではなかった。だが、社長の家喜信行はいかなるときにもぶれることなのない信念を貫き、成功を手にした。
その信念とは「正義感」「お客様第一主義」だった。

訪問スタッフを全員正社員に!

――まずは、日本PCサービスの事業内容を教えてください。

パソコンや周辺機器の修理やトラブル解決などをしています。パソコンに関するあらゆるご相談に応じるという意味で、パソコンコンシェルジュサービスと呼んでいます。「パソコン生活応援隊!」という屋号で、24時間365日、お電話一本で全国どこへでも即日駆けつけます。

――電源が入らないとか、インターネットにつながらないとか、コンピュータウイルスに感染したなんていうときに、電話一本で駆けつけてくれるわけですか。

はい。特にパソコンが起動しない、インターネットにつながらないというご相談が多いですね。とはいっても、こうした症状には原因がいくつもありまして、その特定がなかなか難しいのです。弊社の場合は、技術力の高いスタッフを育てていますのでしっかりと解決できます。

弊社の一番の特徴は、基本的にはパソコンを初期化しないで復旧させるというものです。メーカーや販売店に持ち込みますと、初期化して復旧させるということがよくあるのですが、これだとそれまでのデータや設定がすべて消えてしまいます。

これではお客様が大きな痛手を被ることになります。大事なデータが消えてしまっては大変です。ビジネスで使用している場合には、大きな損害を被る可能性もありますから。

――わずか数年で全国に107店舗というまさに急成長を遂げられています。パソコンのサポート会社はたくさんあるのに、御社だけがここまで伸びているのにはどんな秘密があるのでしょうか?

いや、秘密なんてないですよ(笑)。徹底したお客様第一主義が幸いしているのだと思っています。もちろん、会社を立ち上げる際にはいろいろ調べました。業界を徹底的に研究して、今までにはなかったことをやろうと思いました。

――それは例えばどんなことですか?

それまでも、パソコンの設置や配線、初期設定などをするサービスはありました。あるいは、不具合が起こったら、販売店とかメーカーの修理窓口に持ってきてもらって直すというサービスはあったのです。また、大企業向けに社内のシステム全体を請け負うという会社もありました。でも、個人とか中小規模の会社を対象にしたパソコントラブルに全て対応する会社はなかったのです。

それで、ハード面でもソフト面でも全て対応し、しかも出張訪問するというサービスにしたのが成長の一つの要因だと考えています。ワンストップで解決するというサービスを提供できているのが強みです。

お客様第一主義という点では、訪問スタッフを全員正社員にしたこともそれまでの常識にはなかったことです。弊社の訪問スタッフは必ずスーツ着用で、長髪、茶髪、ひげ、ピアスは禁止です。どんなに技術力の高い人でもこれが守れないと雇うことができません。

お客様の視点で見たら自然にこうなった

――それがすごいですよね。そして、接客マナーも徹底的に指導されているそうですね。

はい。サービスを受ける側はどのように思うのか、というお客様の視点で考えさせることを徹底しています。ご自宅に訪問するわけですから、汚い身なり、汚い靴下の人を誰も家に上げたくはないですよね。どんなお客様にも不快な思いを抱かせない身なりで伺う必要があります。
また、リピートしていただいたお客様にとって、依頼のたびに別の人間が行ったのでは不安になります。ですから、全員正社員にして、担当を決めているのです。

――再度依頼して前回と同じ人だと相談もしやすいですよね。

ええ。しかしこの業界では、アルバイトや派遣スタッフとして一人が何社にも登録するのが常識で、同じ技術者が継続して訪問するというのが難しかったのです。

また、お客様への挨拶や言葉遣いなど、基本的なマナーの教育がされていませんから、クレームも多い。サポートできる範囲も、自分の好きな分野は詳しいけれど、それ以外はよくわかっていないなんていうこともあったようです。

仕事の配分に関する問題もありました。技術力の高い人、時間の融通のきく人には注文が集中します。人によっては関東一円で月に180件なんていう人もいました。30日休みなく働いても、1日平均6件回らないとこなせません。

――ちょっと考えただけでもきつそうです。

関東一円ですから、朝は群馬に行って、次に神奈川に行って、さらに千葉なんていうこともあるわけです。最初は「よしよし、仕事がたくさんきたぞ!」なんて、本人は喜んでいるのですが、これを続けていると必ず体を壊します。
そうすると別の人に注文が行って、今度はその人が体を壊す。その繰り返しなのです。これではお客様に一定水準のサービスを提供することはできません。

このような悪循環はなんとか改善しないといけないと思いました。それで地域密着型で、且つ、担当制にすることで、毎日あちこち動き回るなんていうことがないようにしたのです。

――業界の常識を疑い、それを破られたわけですね。

お客様の視点で見たら自然にこうなったという感じです。

――やはり徹底したお客様目線から生まれたのですね。まさに、とんとん拍子、順風満帆で成長されてきたのでしょうか。

いえいえ、とんでもない(笑)。苦労と挫折の連続ですよ。

業界の常識を打ち破り、お客様が本当に望んでいるサービスを提供するにはどうすればいいかを徹底的に考えた家喜社長。まさにビジネスの原点ではないでしょうか。次回は、成功体験を重ねてきたように見える家喜社長の、子どもの頃の意外な過去を語っていただきます。
投稿日:2009年4月1日
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