[社長インタビュー最終回]

エネルギーでも循環型社会を目指せ!

2011/10/12

株式会社音力発電
代表取締役社長 速水浩平
インタビュアー:越石一彦、構成:木村俊太

前回は、「振動力発電」が現在、どのような形で利用されているのかなどついて伺いました。今回は、エネルギーに対する人々の意識やエネルギー政策の将来像などについて伺います。

新しいライフスタイルを提案する

――前回、前々回と速水社長のお話を伺って、自分たちが使う電力は自分たちでリサイクルできるのだと気づきました。

ありがとうございます。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、私どもの目指すところはまさに「新しいライフスタイルの提案」です。自分たちが使う電力を必要なときに必要なだけリサイクルするという循環型社会の実現です。

人が通るときだけ廊下が明るければいいということが当たり前になり、社会全体に浸透していけば、それだけで大きな省エネになると思っています。

――震災直後の計画停電のときは、自分の家でも電気がつく時間内にご飯を作って食べたり、電気をつける部屋を1つにして家族が集まったりするなど節電に気を配っていました。でも、いまは節電の意識が薄れ始めています。自分の力でリサイクルすることで電力の大切さを実感する意味でも、御社の技術は社会に貢献するのではないですか?

同じことを述べた方がいました。普段はスイッチを入れるだけと電気がつくので、その先に発電所があってそこで大量の資源が消費されていることに気がつきません。でも、毎回歩くたびに自分で発電するので、日常生活のなかで電気の大切さをはじめて意識できると言っていました。

なので、振動力発電を教育の分野で活かせないかというご提案をいただきました。これはすごくいいことだなと思いました。

――個人レベルで意識が変わっていくことはとても大事なことです。一方、産業とか国家レベルでのエネルギー政策が変わらないと、本当の意味で根付かないと思います。

変わるべきです。エネルギー政策については、地球温暖化の問題からずっと議論されてきましたが、現状の便利さとか経済面からなかなか変わることができませんでした。

しかし、今回の大震災を経験した私たちは、改めてエネルギー問題に対して真剣に向き合う必要があります。いまこそ、変わらなければいけないと思います。

――地球環境など考えれば、クリーンエネルギーの割合を増やしていくべきだと思います。いますぐでなくても、クリーンエネルギーとして、振動力発電は有力ですか?

大きな電力を供給するとなると課題があります。そのためには、大きな振動を利用しなければなりません。例えば、波の振動で発電するという波力発電などは、将来的に有力となるかもしれません。

現在のところ、台風などで大きな波が来たときの耐久性の問題など、クリアしなければいけない課題がたくさんありますが、ぜひいずれ挑戦したいと思っています。ただ、すぐにできるというものではないので、研究開発は続けていくとしても、直近は日用品の分野でのリサイクルで貢献していこうと考えています。

いまこそエネルギーについての意識改革をすべきとき

――御社の今後の展開、あるいはご自身の夢などありましたらお聞かせください。

いまお話しましたように、私は振動力発電というのは日用品分野で適した技術だと考えています。弱い振動から効率よくエネルギーを取り出すというのが得意なのです。ですから、まずは一般家庭の日用品で普及することを目指したいです。

いくらすごい技術があっても、使われなければ意味がありません。使われる頻度が最も多いのは日用品です。日用品で普及させることが、たくさんの人々への貢献になると思います。

――エネルギー問題という視点で言えば、日本だけではなく、地球規模で進めていかなければならない問題でもあります。

そうです。もしかすると私たちの技術は途上国にこそ必要なのかもしれません。

途上国の人々は豊かな生活を望みます。それを止めることはできません。しかし、資源には限りがあります。いまの人口で全員が豊かな生活をするには地球2つ分が必要だと言う人がいます。でも、地球は1つしかありません。ならば、消費電力を少なくして、同じ豊かな生活を省エネしながらやっていくしかありません。

すでにインフラが整備されている先進国よりも、これからの途上国のほうが新しいものを導入しやすいです。私どもの技術を使えば、消費電力を抑えつつ、先進国と同じような豊かさを得られるようにもできるはずなのです。

――それには、技術の進歩と人々の意識改革の両方が大事になってくるわけですね。

自動車に限らず、エネルギーを捨ててしまっているものはたくさんあるのです。エネルギーを効率よく利用するためのリサイクル技術をもっともっと高めていく必要があります。もともと日本は省エネが得意ですので、私どもはその分野で貢献していきたいと思います。

2050年にはすべてのエネルギーをクリーンエネルギーにしないと地球環境は危ないといいます。現実的には、すべてをクリーンエネルギーですべてを補うというのは難しいと思っていますが、それでも目標にすることはいいことです。

すべてとまではいかなくてもクリーンなエネルギーの割合を可能な限り増やして、目標に近づくことが大事です。ただし、2050年からいきなり循環型社会にすることはできませんので、技術的にも、電力を使う側の意識の啓蒙活動にしても、いまから少しずつ準備していかなければいけないでしょう。

――ありがとうございました。

KOSHIISHI’S NOTE ~インタビュー後記~

3.11震災以降、太陽光発電、風力発電、地熱発電など、次世代エネルギーについての議論が盛んになっています。しかし、現状、私たちが身近に取り組めるのは、ソーラーパネルを使った太陽光発電くらいしかありません。切迫した問題であると同時に、どこか雲の上の話であるようにも感じていました。

今回のインタビューを通じて、「振動力発電」というリサイクルエネルギーの考え方を知りました。これは誰かがするものではなく、私たちが現実的に携われるエネルギー施策なのです。

毎日のなにげない生活の中にエネルギーの源があるということ、そしてそれを無駄にしているということ、この発想は正に目からウロコです。

「人の生活を良くしたい」という速水社長の目の輝きが、「振動力発電」は必ず私たちの生活で大切なエネルギーになると確信させたインタビューとなりました。

株式会社クライアントサイド・コンサルティング
代表取締役社長 越石 一彦

投稿日:2011年10月12日
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