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第11回 スクリーンで発表する資料と紙で配布する資料の作り方の違い

著者:プレゼンテーション資料作成コンサルタント Microsoft MVP 2015(Power Point部門)受賞  山橋 美穂



当コラムはMicrosoft PowerPoint 2010での動作を前提として作成されています。バージョンが異なる場合、画面のキャプチャやメニューの場所が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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こんにちは。資料作成アドバイザーの山橋美穂です。中級編も残すところあと2回となりました。今回は、最近よく唱えられている「紙で発表する場合とスクリーンで発表する場合の資料の違い」についてお教えしたいと思います。

日系企業でまだプレゼンテーション資料に対しての意識が低かった頃、殆どの人が、とにかく資料を作り込み、そのまま紙で配布したりスクリーンに投影したりしてプレゼンテーションを行っていました。しかし、プレゼンテーションや資料に対して意識が高くなっていくにつれて、それらについての専門書や参考書も次から次へと出回り、更には実際にスクリーンでプレゼンを行う際に「あれ?もしかしてフォントが小さすぎて後方までちゃんと見えてない?」「みんなの視線がスライドに行っている・・・。みんなスライドに書かれた文字を読み込んでいて、自分の話を聞いてくれていない・・・。」などという事に気が付き、いまでは「プレゼンテーションのスライドはスクリーンで発表する場合と紙で配布する場合で作り分けた方が良い」という認識が広められて来ています。

理想を言えば、発表のシーンに合わせて資料を作り変える事がベストです。大勢の前でスクリーンを用いて発表する際に、スライドに細々と文字が記載されていたら、読まないか、もしくは読み込んでしまいプレゼンターのスピーチを聞かないか、のどちらかです。読まれなければ読まれないで、記載している意味がないですし、読み込まれれば読み込まれたで、スピーチに集中して貰えません。また、紙で配布する際は、その資料を持ち帰って再度読まれる可能性があります。その場合、十分な情報が記載されていなければ、読み返しても意味がありません。読み返したところで、情報不足で判断出来ず、行動に移して貰えません。
なので、スクリーンで発表する場合はスクリーン用のスライドを作成し、詳細などはAppendixとして紙資料を配布するなど、シーンに合わせて資料を工夫する必要があります。

では、スクリーンで発表する場合と紙を配布して発表する場合では、資料をどの様に作り分ければ良いのでしょうか。最低限これだけは意識して欲しい簡単なポイントをお伝え致します。

フォントサイズ

これは、最も気を付けなければならないポイントです。紙資料で字が大きすぎると、スペースの問題で十分な情報が記載しきれないですし、稚拙な印象を与えかねません。逆にスクリーンに投影する資料で字が小さいと、後方の人が読めない可能性があります。また、スクリーン用の資料のフォントを大きくする事によって、情報の書き込み過ぎを回避する事が出来ます。フォントサイズに決まりはないですが、スライドに色々なサイズの文字を打ち込み、紙に試し印刷をしたりスクリーンに映し出してみながら、自分なりに読みやすいフォントサイズを見つけてみて下さい。ちなみに私は、紙資料の場合は18ptから10ptの間、スクリーンの場合は40ptから20ptの間のサイズを目途にしています。

配色

色の使い方は、グレースケールで出力して配布する場合も念頭に入れて配色して下さい。濃い色の図形の上に濃い色の文字で文章を書いた時、カラーであれば読めるかもしれませんが、グレースケール(白黒)で出力した場合には読めません。PowerPointにはスライドをグレースケールでプレビューする機能がありますので、それを使って、見づらい配色にしていないか確認しましょう。また、スクリーンに投影した場合は、画面が光るので、薄い色は飛んでしまいます。配色に意味を持たせて資料を作成しても、光によって色が飛んでしまっては意味がありません。蛍光色の様に光を含む色や明るい色も、スクリーン上では強く発色するので、非常に見づらいです。スクリーンで発表する時は、濃い目の色を使いましょう。

スクリーン投影に適している色-例 スクリーン投影に適していない色-例

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著者プロフィール

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山橋 美穂

プレゼンテーション資料作成コンサルタント Microsoft MVP 2015(Power Point部門)受賞

プレゼンテーション資料作成アドバイザー。東京都出身。1999年青山学院女子短期大学卒業。2006年武蔵野美術大学卒業。武蔵野美術大学在学中より、外資系証券会社のプレゼンテーション資料作成チームに就業。法人企業向け資料の作成スキルを身につける。その後、経験を活かして独自に専門的な資料作成の知識を学びながら、ベンチャー企業やIR専門企業で、提案書や決算報告書作成の経験を積む。

2012年に資料作成の専門家としてフリーランスに転向。資料作成代行、アドバイザー、レクチャー講師等を行いながら、ヴィジュアルを重視した絵で見るプレゼンテーション資料の構築を目指している。

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