市場概況について

第1回のコラムで、マーケティング戦略を立てる上での「構成要素」および「用語の解説」をお伝えしました。第2回となる今回からは、実際に『マーケティング戦略体系図』を作っていきましょう。まず最初に「市場概況」について。ここからはわかりやすいように『第3のビール』の新製品を例に、進めていきたいと思います。

マクロ環境の分析

マクロ環境分析とは「自社ではコントロールできない、企業活動に影響を与える外部環境要因を分析すること」でした。例えば、「政府の決定により酒税法が改正される」「定義されている原料区分の変更」などが挙げられます。第3回で取り扱うSWOT分析をする上において、外部環境の正確な把握は非常に重要です。

業界動向の分析

業界の動向を把握する方法としては、まず既存のデータや各種メディアの活用により情報収集を行います。例えば、『メタボリック対策や健康志向の高まりから、糖質オフ・カロリーオフ・プリン体カットなどの新ジャンルの第3のビールが活況』等が挙げられます。業界全体の動向を確認することで、自社の戦略の方向性が正しいかどうかの羅針盤となります。

ユーザーの分析

趣味・嗜好にとどまらず、働き方やライフスタイルまで多様化している現代の「消費者」を掴むことは、企業にとって非常に重要です。マーケティングではユーザーの分析も外部環境(=自社ではコントロールできない)と考えます。例えば、『20代OLの間で糖質ゼロのビールがブーム』であるとか、『2人で1本夕食に飲む老夫婦が増加している』『お風呂上りに飲むには350mlは多すぎる』等、ユーザー分析の結果、それまでメインと考えていた購買層に変化が起こっている可能性を発見できます。

競合動向の分析

誰が競合か、競合のバリューチェーンや技術・ノウハウ、財務状況、シェア、商品ラインナップなどを調査・分析することが競合動向の分析でした。『ライバルの動きを徹底的に情報収集する』と言っても過言ではありません。例えば『競合のA社は海外での生産を計画している』『競合のK社はエナジードリンクメーカーと新ジャンルの商品を計画している』などの現在目に見えている競合に加え、新規参入を狙っている異業種や、第3のビールに代わる商品(代替品)についても可能な限り情報収集を行います。

内部の分析

内部分析は自社の経営資源(ヒト・モノ・資金・情報)を客観的に分析し、自社の強み・弱みを把握することです。例えば・・・
ヒト=前回大ヒット商品を生み出したプロデューサーがいる。新ジャンルへ販売攻勢をかけるだけの人的余裕がある。新しく生産ラインを形成するだけの人員が不足している。
モノ=組み換えにより対応できる生産ラインがある。生産~充填・出荷までワンストップで対応できる製造工程がある。トウモロコシ原料を配合する機械が社内にはない。200mlのミニ缶への対応設備がある。
資金=新商品を開発するための資金、および販促プロモーションを打つための資金がある。新たに必要となる物流網を組織するだけの資金が不足している。
情報=プリン体をカットする生産ノウハウがある。ビタミンCを配合する他社にはないノウハウがある。エナジードリンクメーカーとのパイプがない。

以上の5つの項目で外部環境・内部環境を分析し、自社の強み・弱みを客観的に洗い出すことが肝要です。ここで集めた情報や見出した事象に基づき、SWOT分析を行います。
(市場概況まで完成したマーケティング戦略体系図)

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