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第3回 現状における課題と将来の解決策のコントラストが説得力を生む

著者:株式会社ナレッジステーション 代表取締役  伊藤 誠一郎


営業もセミナーも相手の課題解決にこそ大きな価値がある

商品やサービスを売り込んだり、セミナーで情報を提供したりする場合、とかくメリットばかりを強調しがちです。誰しも良い効果を並べれば、聴き手は気持ちよく受け入れてくれると考えます。しかし、それでは単なる自己紹介に過ぎず、聴き手に何も納得感を生まないという結果に終わってしまいます。メリットとは、課題があってそれを解決することではじめて価値を生むものです。したがって、資料作りでは現状課題(Before)と解決(After)を対比させることを念頭に置かなければなりません。

相手と自分の主語の使い方に気を付けなければならない

現状課題(Before)と解決(After)の対比は、主語に気を配れば自然と作り出すことができます。解決後のメリットばかり強調している資料は、「私はこれだけのメリットを提供できます」と自分主語のメッセージばかり打ち出しています。しかし、営業でもセミナーでも誰のために行うのかと言えば、当然聴き手である相手のために行うはずです。したがって、必ず相手(YOU)を主語にしたメッセージを伝えなければなりません。「あなたは今、このような課題がありますね」「それが解決されてあなたはこのメリットを手に入れることができます」これが基本です。

ヒト、モノ、カネ、情報の流れの中に課題は潜んでいる

ビジネスでは、必ずヒト、モノ、カネ、情報が流れることによって動きが生まれます。そして、動きには必ず送り手と受け手が生まれます。この送り手と受け手の間にこそ課題は潜んでいるものです。異なる立場によって期待する価値と生じる結果に何らかのギャップがあるからこそ課題となるのです。そこで、課題を資料の上で明らかにするためには、流れを示すフローチャートが最も適しています。必ず送り手と受け手を明確にしながら、そこにどんな動きがあるのか、何が流れているのかを描けば、一目瞭然で課題を掴むことができるはずです。

BeforeとAfterのスライドにより短時間で資料を作る

相手を主語にして課題(Before)を描き出したら、当然次は解決(After)に取り掛かるわけですが、簡単な方法はその課題(Before)をそのままスライドさせることです。そうすれば、きっちり揃った左右対称のビジュアルがあっという間に作れるはずです。その上で余分な流れを削除したり、新たな動きを追加したりして解決後の姿を描き出すようにします。ほとんどの場合、課題(After)のフローチャートの方が簡略化されているでしょう。なぜなら、流れが複雑だと問題が発生しやすく、それをシンプルに再構築するからこそ解決になるからです。実際の動きも資料作りもポイントは左右対称です。

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著者プロフィール

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伊藤 誠一郎

株式会社ナレッジステーション 代表取締役

プレゼンテーション講師。伝えることが苦手な会社員や起業家に対してセミナー、研修、個別指導を通じて簡潔で分かりやすいプレゼン方法の指導を行っている。2013年6月に著書「バスガイド流プレゼン術」を刊行。

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