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第4回 部門・個人計画 との連動と目標達成 する運用方法

専門家に学ぶ!シーン別事業計画書の書き方

著者:イシズエワークス株式会社 代表取締役  齋藤 雄三

前回までに、経営計画を数値計画まで落とし込むことを解説しました。

今回はそれを具体的な実施事項へと落とし込み、さらに部門計画と個人計画に連動させていくことで、全員参加型の計画を完成させることを、まずお伝えします。

そして、より重要な「目標管理」で期中の軌道修正を日常的に行う「改善思考」を身に付けるための目標管理術について、解説していきます。


バランススコアカードを用いた方針作成

評価制度として一時期注目されたバランススコアカードですが、今回は「評価」の為ではなくあくまでも計画作成の切り口として、この方法を用いて解説します。
「財務・収益」「顧客満足」「業務改善」「組織強化」の4項目の切り口で、全体の方針をブレイクダウンしていきます。要するに、業績目標だけを追いかけても、その前提となる顧客満足や組織の成長がなければ達成しない、というロジックで、全体最適を図るというものです。そして、それぞれの項目には成果指標を設け、出来る限り数値化して設定していく事が肝心です。例えば顧客満足であれば「リピート率」、組織強化であれば「資格取得」など、具体的に結果を判断できるようにしておくことが肝心です。

期限設定をしてスケジューリング 全員で共有

方針を作成したら、「いつ実施するのか?」「いつまでに実施するのか?」をスケジューリングしていきます。期首に全ての方針を作成しますから、あれもこれもやらなければ、と気だけ前のめりになってしまい、結局全てが中途半端、となってしまいがちです。そうならない為にも、期首の段階で、「これが出来たら次はこれ」と、達成していくためのステップを時系列でイメージしておきましょう。
そして、計画した通りに実施できているかをガントチャートを用いて確認していきながら、当然、期中で時期のズレは生じてきますので、都度修正しながら、出来る限り前倒しで達成できるようにしていく事が重要です。
(ある経営者は1年を10ヶ月と考えて計画作成し、実行されていました)

「改善思考」で常に成果と課題を見つけ出す力を養う

これが最期の書式になります。「実施報告書」を用いて改善思考を身に付けていくプロセスをお伝えします。これは、通常、毎月部門長が作成していく事を想定していますが、私が実際にご支援させて現場では、まず最初は例外なくこのフォームがなかなか満足いく形では書けませんでした。しかし、諦めずに毎月社長と共にこれを用いた会議を行っていく事で、徐々に精度は上がっていきます。そして、その繰り返しの中で、日常の行動にも変化が表れてくるのです。
シートの右にある「対策」の項目が、翌月のシート左側にある「実施内容」に連動します。つまり、このフォームを用いてPDCAサイクルを回していくのです。更に、期中でどうやっても前に進まない場合は、そもそもの「P」計画を再検討していきます。

2-3年経つと計画作成が楽で楽しくなってきます

経営計画の作成から、方針のブレイクダウン、目標管理までを一気に4回で解説して参りましたが、大事な事は「まず作る」、そして「実行する」「修正する」これを繰り返す事です。計画書を活かす唯一の方法は、実行して修正する際に「立ち返る場所」として振り返る事です。立派な計画書を作ることを目的とせず、より良い会社を作り、共に社員が成長する環境を作りながら、事業を発展させ、より多くの顧客に貢献していく事を目的として、計画作成を楽しんでいただければと願っております。実際に2-3年これを繰り返していくと、社員から上がってくる計画や方針をまとめ上げるだけで精度の高い計画書が完成する、という状況が待っています。
それも「目指す未来の明るいイメージ」の一つとしてみてはいかがでしょうか?

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著者プロフィール

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齋藤 雄三

イシズエワークス株式会社 代表取締役

全業界対応の横割りスタイルで、視野を広げたキャリアビルディングを支援しています。人を活かすキャリアカウンセリング・コーチング・経営コンサルティング。

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