事業計画書の書き方(既存事業編)

第六章 IT業の場合
①【概要】

2013/2/6

株式会社コンパス
代表取締役/ マーケティング・コンサルタント

鈴木 進介

事業計画書の書き方(既存事業編)
第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章【1234】 第七章 第八章

「IT事業で事業計画をつくる!」 【IT業界版】

それでは、さっそくIT事業を例に事業計画をつくっていきましょう。IT関係の場合、事業計画を作るよりも先にリリースして顧客の反応を見ながら、軌道修正を行って事業の完成度を高めていく。そんな方法が、スピードが求められるIT業界では良いとされています。

しかし、時には事業内容のチェックをする意味でも手がけている事業の計画を整理する時間を持ちましょう。また新規事業として始める場合は、なおさら計画を作って、周到な準備することが大切になります。

IT業界 事業概要編

サマリー(要旨)

ここでは、ネット通販事業を例に記述の際の注意点や、ポイントの解説をしていきます。

【サマリーページ】

サマリーページとは、事業計画の全体像を記述するページです。各項目一行程度ずつでもいいので、要点だけを記述しましょう。

特に注意すべき点は、ネット通販で手がける商品分野は、①「市場性」:どの程度伸びている市場なのか、②「顧客対象」:誰が買ってくれるか、③「差別化ポイント」:競合企業と何が違うのかの3点です。ネット通販は、全体的に市場が伸びているものの競争が激しい分野なので、直感的に「これはイケる!」「いいね!」と思えるレベルまで検討し、簡潔に整理しましょう。

事業の前提条件

ここでは、ネット通販の中でも「ペット向けの服やアクセサリーなど雑貨を販売する」事業を展開する前提で、考えてみましょう。

【事業ビジョン】

ネット通販で、ただ儲けるというだけでは、まわりの協力を得ながら事業を継続していくことは容易ではありません。ネット通販を通じて、どんな世界を築きたいのかを考えてみましょう。なぜなら、今はネット通販をしているだけで、将来的には実際の店舗運営や他のサービス業にまで展開する可能性もあるからです。

Q: ペット向けの雑貨でネット通販することを通じて何を目指したいですか?

Q: この事業単独で「いつ、どれくらいの売上と利益」をイメージしますか?

【事業背景/参入意義】

なぜペットなのか、なぜネット通販なのか、市場性や自社が活かせる強みやこの事業を思いついたキッカケ・動機なども記述しましょう。

また、自社でどんな位置づけなのかを考えることによって、かける人員やコストなども変わってきますので、ネット通販の位置づけを確認しておきましょう。もし新規事業で始める場合は、この位置づけの確認が必須事項になります。

Q: なぜこの事業を行うのですか?

Q: この事業は社内でどんな位置づけにしますか?

事業概要

【事業概要】

ネット通販の場合、シンプルなモデルのため事業概要を整理することが少ないものです。しかし、誰が一番の顧客で、どんな商品を特徴とし、それをどう提供していくのかを整理しておきましょう。意外に社内でも意識のズレがあるケースがあります。

この点は、ソフトやシステムの受託開発をしている場合でも、オンラインゲームやアプリを作る場合でも同様です。全ての事業計画の骨組みにあたる部分ですので重要です。

また、事業概要やサービスの流れなどを図にしておけば、イメージしやすくなります。

なお、通販サイトをつくった場合は、通常の物販収益だけではなく、サイトへの広告収入や顧客データを活用して他社へのマーケティング支援事業など複数の収益源も想定できます。複数の収益源が考えられる場合は、ここでも記述しておきましょう。

Q: 誰に・何を・どのように提供しますか?

Q: 事業全体像を図にするとどうなりますか?

【事業コンセプト】

例えば、ペット向け雑貨品のネット通販をする場合に、ただ商品を売るというだけでは顧客に伝わりません。
Amazonの場合は、「お客様の買い物を支援する」という明確なコンセプトがあります。

もっと具体的に考えた場合に、それは「欲しいものが何でも揃う」とするのか、「他社より納期が2倍早い」のか、どこを一番顧客に喜んで欲しいか、その一点を掘り下げましょう。

Q: 顧客への本質的な提供価値はなんですか?

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