事業計画書の書き方(既存事業編)

第五章 飲食業の場合
④【オペレーション】

株式会社コンパス
代表取締役/ マーケティング・コンサルタント
鈴木 進介

飲食業 オペレーション編

財務計画

【損益計画】
前提条件

前提条件に関してはネット通販であっても特別なものではありません。詳細は、基本編で説明したとおりになります。

売上高=①単価×②客数×③購買数

ただし、飲食業の場合の損益計画では、前提条件として1時間あたりを最小単位にして、1週間、1ヶ月、そして年間の数値を順に試算していきましょう。最小単位を1時間にすれば、「1時間あたりの売上×営業時間・日数」などから、売上の計算がしやすくなります。

飲食店の場合、売上予想はまず客数の試算が全てのスタートとなります。
試算は以下の公式で計算しましょう。

「客数」 = 総客席数×回転率×満席率

※総客席数 = お店全体の席数
※回転率 = 1時間当りの客席の回転数
※満席率=椅子の稼動率

回転率を計算する場合、居酒屋業態の場合は、滞在時間が2時間程度になることが予測されます。そこで、1回転は困難なため、2時間で満席になるかどうかを予想するのが適切です。

例えば、50席のお店であれば、18時から19時は0.5回転とするとお店の客数は25名を集客することになり、19時から20時では残りの0.5回転が最高で25人となります。従って20時から21時は18時から19時に入ったお客様が何人帰られるかによって、お店に後どれくらいの人が入るのかを想定するのです。

また、満席率は椅子の稼働率を表わし、例えば4名かけばかりのテーブル席があるお店で、カップルばかりが入るお店は稼働率が悪く回転率は50%に近づきます。なぜなら、4名がけのテーブルに2名しか座らないということは、4名がけを100とした場合、2名分の50%しか満席になっていないからです。

最後に、客数の想定ができれば、客単価と掛け算して売上を計算していきます。

標準ケース

ここでは、飲食業界の標準的なケースを考えるに当たり、注意点を説明します。それは、「FL比率」という飲食店経営でもっとも大切な指標です。

FLというのは、それぞれ「F=Food(食材原価)」、「L=Labor(人件費)」のことを表わします。全体の中で大きなコストの割合を占める金額と比率に注意しながら試算しましょう。

・FLコスト(¥)=食材原価+人件費

・FL比率 =(食材原価+人件費)÷売上高

FL比率は、55~60%くらいが平均的な数字として考えておきましょう。食材原価は35%前後、人件費は25%前後で試算しましょう。

Q:回転率は満席率をどう見積もりますか?

Q:FLコストはいくらに見積もりますか?

オペレーション

【業務の流れ/役割分担など】

飲食業の場合は、顧客の動線を中心に、入店からお帰りまでのプロセス別にスタッフの動きと役割などを時系列で図示していきましょう。

また、特に飲食店の出店が新規事業で初めての場合は、どの部署や人が責任を負うのかなど責任の所在、指揮命令系統の整理が必要になる場合も少なくありません。更に、他部署や社外の企業や人と連携する場合には、事前にコンセンサスを得る必要があるなど、組織体制と役割分担を事前に熟慮しておくことが大切です。

Q:どんな誰がどんな役割を持ち、どんな流れで業務を行いますか?

課題と対策

【課題と対策の項目】

飲食店の場合、食中毒などの衛生管理や風評被害などのリスクは常に伴います。また事例のように安全安心をうたうなら、なおさら衛生面のリスクなどを熟慮して記述することが望ましいでしょう。

Q:どんな課題やリスクが想定されますか?またそれに対して、どんな解決方法や対応が考えられますか?

スケジュール

【タスクチャート】

まずこの事業計画を推進するために、やるべき項目を全てリストアップします。準備項目~事業の推進に至るまで社内向けと社外向けの二系統の項目があることに注意しましょう。

また、項目は主要な項目だけでも結構です。あくまでもどんな項目が最低限必要なのか、どんなスケジュールなのか全体像を把握することが図示の目的です。そのため、スケジュールも細かく日次や週次単位で書く必要はありません。矢印などでチャートのように図示すれば、更に分かりやすくなります。

Q:いつまでに何をやりますか?

« コラムの王様トップ »
このページの上部へ