事業計画書の書き方(既存事業編)

第五章 飲食業の場合
①【概要】

2013/2/6

株式会社コンパス
代表取締役/ マーケティング・コンサルタント

鈴木 進介

「飲食業で事業計画をつくる!」 【飲食業版】

それでは、さっそく飲食業を例に事業計画をつくっていきましょう。飲食業の場合、立地やメニューなども大切ですが、「コンセプト」や「どんな顧客のどんなニーズ」に応えるのかなど、目的や狙いなどは大切な検討事項になります。事業計画の作成を通じてしっかりと事業展開を考えましょう。

飲食業 事業概要編

サマリー(要旨)

【サマリーページ】

サマリーページとは、事業計画の全体像を記述するページです。各項目一行程度ずつでもいいので、要点だけを記述しましょう。


特に注意すべき点は、①「顧客対象」:誰が買ってくれるかと、②「差別化ポイント」:競合企業と何が違うのかの2点です。飲食業の場合、多少立地が悪くても個性がある店は行列しています。また一方では立地が良い店は競争が激しい状態が続きます。そのため、料理だけではなく顧客対象や差別化ポイントも熟慮し、店の個性をつくるように心がけましょう。

事業の前提条件

ここでは、「セルフ方式型の居酒屋」事業を展開する前提で、考えてみましょう。

【事業ビジョン】

ただセルフ方式の居酒屋を出店するというだけでは、まわりの協力を得ながら事業を継続していくことは容易ではありません。セルフ方式とは手段であって、目的ではないことにも注意が必要です。セルフ方式の店を通じて、どんな世界を築きたいですか?大きな視点で、将来のイメージを記述しましょう。

Q: セルフ方式の居酒屋を通じて何を目指したいですか?

Q: この事業単独で「いつ、どれくらいの売上と利益」をイメージしますか?

【事業背景/参入意義】

なぜセルフ方式の居酒屋なのか、市場性や自社が活かせる強みやこの事業を思いついたキッカケ・動機なども記述しましょう。

また、自社でどんな位置づけなのかを考えることによって、かける人員やコストなども変わってきますので、セルフ方式型居酒屋事業の位置づけを確認しておきましょう。もし新規事業で始める場合は、この位置づけの確認が必須事項になります。

Q: なぜこの事業を行うのですか?

Q: この事業は社内でどんな位置づけにしますか?

事業概要

【事業概要】

居酒屋など飲食業の場合、事業内容はシンプルです。しかし、前述したとおり、どう個性を出すかということが低迷する飲食市場においては重要になります。

そこで、他社にはない個性を熟慮してから、それぞれ「誰に、何を、どのように」提供するかの記述を行いましょう。それぞれを簡潔に一行ずつ表現する場合、どこが個性的でどこが競合と異なるのかを常に意識して記述してください。

また、店舗イメージのスケッチや内装イメージの資料があれば、別途添付することをオススメしますが、事業計画には、このパートで店舗の基本情報を列挙しておきましょう。「営業時間、立地、面積、席数、メニュー構成案、スタッフ数他」店舗を構成する要素を整理しておくことが肝心です。

Q: 誰に・何を・どのように提供しますか?

Q: 店舗の基本情報を整理するとどうなりますか?

【事業コンセプト】

例えば、セルフ方式の居酒屋を展開する場合に、ただセルフ方式の居酒屋を始めるというだけでは顧客には伝わりません。また他の店と何が違うのかが顧客には見えにくいものです。

スターバックスコーヒーの場合は、「家庭でも職場でもない第三の心地の良い場所を提供する」という明確なコンセプトがあります。また、牛丼の吉野家の場合は「うまい、はやい、やすい」のようなコンセプトがあります。

セルフ方式にすることで、「低価格」が売りなのか、「接客の煩わしさの解消」が売りなのか、「料理が出てくるまでの待ち時間の解消」が売りなのか、中心となる顧客価値を検討し記述しましょう。

Q: 顧客への本質的な提供価値はなんですか?

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