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部下の育成・マネジメントに関して管理職やリーダーが陥りやすい誤り

著者:西岡経営管理事務所 代表  西岡 隆


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人を責めない、結果を責めない

上司であるみなさんは、部下に対して「とにかく売上を上げろ」とか、「結果をだせ」という指示をされたことはないでしょうか?

もちろん、結果は重要で、社員が結果を出せなければ会社の業績は下がります。しかし、上記のような指示で、果たして部下が明日から行動を変えられるでしょうか?もし、それで変えられるのなら、とうに自分から変えているはずです。ノルマ達成だけを追求すると、未達成の社員は、”できな社員”のレッテルを貼られてしまいます。でも、それを望んでいる社員なんかいないのです。

実は、問題は、結果を出すための「やり方がわからない」ということに尽きるのです。人を責め、結果を責めても状況は何も好転しません。

「当然わかっているだろう」という思い込み

管理職やりーダーのみなさんは、入社して長い年月を経て、当たり前のように仕事をこなせる存在になっています。自身が新入社員だった頃に上司に叱られた苦い思い出は残っていたとしても、具体的にどういうことで叱られたかという細かいことまでは、よほど印象に残る出来事でもないかぎり。普通は覚えていないものです。ですから、部下に対して「これくらいは当然わかっているだろう」という前提で指示を出してしまいます。たとえば、初回訪問の前に「身だしなみを整えてから行け」という指示を出した場合、出した上司は、それがわが社にとってどういうことかを充分に知り尽くしています。

しかし、新入社員にとって、そういう漠然とした指示ではわからないことが多く、結局は自分の判断に任せてしまうことになりかねないのです。

仕事の進め方がわからない

アメリカの学者が、”社員が業績を上げられない要因”を研究した結果の上位に、「仕事の進め方がわからない」という項目があります。

業績が上がらない要因は、「社員個々人の能力の差」や「報酬・評価に対する不満からくるモチベーションの低下」以上に、仕事の進め方がわからないことに起因しているのです。ですから、先程の「身だしなみを整えろ」という指示も本来はもっと細分化して、例えば、「靴は磨けているか」とか、「汗を拭きとっているか」、「ネクタイが歪んでないか」などを事前に本人がチェックできるようになっていて、1つ1つ確実にチェック・確認できれば後は自然に身に着くのですが、何をチェックすればいいのかがわからなければ、いつまでたってもできるようにはならないのです。

社員が目標を把握できていない

例えば、ある社員が「販促用のチラシを作る」という仕事を任されたとします。この社員は、社内報などを作らせるとデザインが上手でとてもセンスのよいものを作ります。そこで、今回は販促用チラシもこの社員に作ってもらおうということになりました。しかし、販促用チラシといっても、目的が何で、どこに目標を置くのかによって本来は作り方が変わってくるはずです。日々の来店客アップを目指すのか、キャンペーンで新規顧客を増やすのか、また具体的に何人くらいの客数増加を目標とするのかによって、作るべきチラシは違います。そこが明確に伝わってないと何となく見た目きれいなデザインの良いチラシはできても、絶対に外せないキャッチコピーが抜けていたり、ターゲットへの訴求力が弱いチラシができあがってしまいます。

分けないから解らない

マクドナルドの創始者レイ・クロック氏は、「何事も小さな仕事に分けてしまえば、特に難しいことはない」と言っています。特別なスキルがなくても誰もが同じことができるよう簡単な作業にまで細かく業務を分解してしまえば、その中に、普通に誰もができることと少し注意や熟練を要することがあることが解ります。ですから、早期に人材を育成しようと思えば、このポイントとなる業務を抜き出してチェックリストを作り、経験の浅い社員には、特にその部分を集中して反復トレーニングできる仕組みを作ってやることが早道なのです。

人を責め、結果を責めるのではなく、やったやらないという行動を評価してやることが何よりも重要である所以です。

今回のポイント(まとめ)

・結果を指示しない。(「売上を上げろ」では変わらない)
・業務をできるだけ細かく分解し、できないポイントを発見する。
・社員ごとにできないポイントをチェックリスト化してトレーニングする。

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著者プロフィール

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西岡 隆

西岡経営管理事務所 代表

現在まで、延べ3,000人以上の経営者と接し、その経験を通して「行動評価マネジメントプログラム」という独自のコンサルティング手法を構築、社員のマネジメントに悩む企業への導入を推進しています。

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