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第2回 現状把握から方向性の導出まで

専門家に学ぶ!シーン別事業計画書の書き方

著者:西岡経営管理事務所 代表  西岡 隆


3年後のあるべき姿を具体的なイメージとして描き出す

事業計画を作成する場合、まず、3~5年後に自社がどうなっていたいかというイメージを漠然とではなく、できるだけ具体的に描き出すことが必要になります。イメージが明確になったうえで現状分析を行うと、現状と将来ビジョン(あるべき姿)のギャップがどこにどういう形で存在するかを掴みやすくなります。

次に、現在の政治や経済、法的規制などのマクロ的な外部環境から業界動向や顧客ニーズ、競合の状況などのミクロ的な外部環境までの現状把握と将来予測およびその変化が自社に与える影響などを検討しなければなりません。
最後に、環境分析から導いた方向性にそって、3年後のあるべき姿に到達するための年度方針の決定が必要になります。

まずは現状を客観的かつ正確に把握することが重要

手順として、スタートは現状認識からということになりますが、企業内部の強みや弱みを洗い出すという作業は、自社内で実施する場合、どうしても主観的になったり、強みや弱みそのものに気づかなかったり、ということが往々にして起こります。それは、自社内においては、それがあたり前になってしまっているからに他なりません。ですから、どこまで客観的に内部環境の分析ができるかは、事業の今後の方向性を考える上で、もっとも重要なポイントになります。

今回の書式の1ページ目は、大きく6つのカテゴリーから漏れのないように強み、弱みを洗い出し、しかも現状での評価までできるように作られています。勿論、ケースバイケースで項目の追加・修正はありうると思います。

次に、外部環境の把握とその変化を予測する

外部環境についても、今回の書式は、マクロ環境とミクロ環境に分けられているので、このカテゴリーを利用していただくとよいと思います。ただ、一番上の表は、「環境変化からのインパクト」として、変化の影響を記載するようになっているので、現在の環境については、別途まとめるか、大雑把に捉えるならば、次の「現状認識のまとめ」の欄で、内部環境と併せて記載しても良いと思います。

最後に、現状認識を踏まえて「改善の基本方向」の欄で、将来ビジョンにつながる道筋、方向性までを描き出します。ここは、あくまでも方向性ですから、大きな括りで考えて戴いて良いと思います。

最後に、ビジョンを実現するための戦略方針の決定

書式の2ページ目で、ビジョンにつながる方向性は導出されましたが、ここでは、最初の現状分析で用いたカテゴリーに沿って、個々にあるべき姿を明確化し、それを次年度の戦略方針に落とし込むという作業をおこないます。ここで最も大切なことは、あくまでも"3年後のあるべき姿"を実現するという観点で戦略方針を考えることです。この部分が現在の延長線になってしまっては、ビジョンを描いた意味がないだけでなく、現状とのギャップを埋めることも難しくなります。

「3年後から現在を見る」ということ

今回の書式をどう使えばいいかということは、おおむねご理解いただけたと思いますが、考え方として重要なことは、「3年後から現在を見る」という視点です。明確になった3年後の企業イメージ、ビジョン(あるべき姿)は、すべて実現しているということを前提にします。そう考えることで、現状とのギャップを埋めるための具体策、その実施時期などが必然的に明らかになってくるのです。

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著者プロフィール

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西岡 隆

西岡経営管理事務所 代表

現在まで、延べ3,000人以上の経営者と接し、その経験を通して「行動評価マネジメントプログラム」という独自のコンサルティング手法を構築、社員のマネジメントに悩む企業への導入を推進しています。

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