今を乗り切り、今後も活用したい助成金と補助金

2020/05/18

著者:株式会社月刊総務 代表取締役社長 
月刊総務』編集長 豊田健一
新型コロナ助成金
給付金、助成金、補助金の活用

多種多様な国と自治体の支援策

猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症。人の生死を脅かす存在である一方、経済活動にも大打撃を与えています。コロナによる倒産、コロナによる解雇や雇止め。人の移動が無くなったことによる有名大企業の赤字予想。日本経済への悪影響を抑えようと、日本政府も財政悪化を厭わず、皆さん既にご承知のように、多種多様な支援策を打ち出しています。

一方で、様々な支援策が多方面から出ていることもあり、自分にとって、自社にとって何が該当するのかわからない、そのような声があるのも事実です。

個人向けに出されている支援策は何なのか?
法人向けに出されている支援策は何なのか?
給付金、助成金、補助金、資金繰り支援。それぞれの違いとは?

この緊急企画では、個人と企業向けに出されている給付金、助成金、補助金、資金繰り施策について、まとめましたのでご確認ください。但し、新型コロナウイルス感染症への対応については、政府内でも混乱しており、支援策についても変更や拡大などが日々起こっている状況です。掲載時点による違いも想定されますので、紹介文とともに掲載しているリンク先、大元の情報を必ず確認していただくようにお願いいたします。

個人向けでは特別定額給付金。住民基本台帳に登録されている全ての人、つまり個人に対して一律で10万円支給されるもの。給付の受付は各市町村。その他、個人向けは厚生労働省から出されています。一方、法人向けは厚生労働省と経済産業省。特に経済産業省のHPには、詳しく整理されています。
参照 : https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

管轄官庁のHPで確認する際に、まず押さえておきたい用語に下記のものがあります。
給付金、助成金、補助金。まずはこの違いを理解しておきましょう。

給付金

国や地方自治体などから支給される公的な給付金です。受給条件を満たしていれば、申請をすることで基本的に誰でも支給を受けられます。
個人に向けた支援策として、先に記した特別定額給付金は、住民基本台帳に登録されている方であれば全員に支給されることになります。
法人に向けた対策としては、持続化給付金があります。こちらは、中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者等、その他各種法人等で、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している者、という条件に合致すれば給付を受けられるものです。条件さえ合致すれば、必ず給付を受けることができる給付金は、法人にとっては短期的な資金繰りに効果があるでしょう。

助成金、補助金

助成金も補助金も、国や自治体から支出されるもので、原則は返済しなくてもよいものです。
但し、一般的に、助成金は受けとるための条件や要件に合致すればほぼ支給されますが、補助金は予算内での支給となりますので、予算が消化された場合や、そもそも補助する意味合いが無くなれば打ち切られます。というのも、そもそも補助金とは、例えば、企業のIT化や、今回のコロナ対策でのテレワークの促進等、国として進めていきたい施策に対して、金銭的な“補助”をすることで促進するためのものだからです。今回出されている、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、小規模事業持続化補助金、IT導入補助金が該当します。
一方、助成金は国から支給されるケース、主に厚生労働省から支給される、企業の雇用に関する助成金が良く知られていると思います。雇用維持、雇用促進による事業継続のための助成活動、人材育成のための助成活動の意味合いが強いでしょう。今回では、雇用保険適用事業所が労働者に対しての休業手当の取り決め行っている場合に対して、国がその支払いを助成する雇用調整助成金や、新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金があります。様々な助成金、補助金がありますので、まずは国の支援策を確認しつつ、続いて、都道府県、市区町村の支援策を見ていくと良いかもしれません。

但し、法人の場合は、後払いである助成金や補助金を待っていては、手元資金が底をつき、事業継続がままならない場合もあるかもしれません。まずは、当面の資金繰りのためにも、資金繰り支援を活用することが必要となります。日本政策金融公庫の無利子、無担保融資、地方自治体、中小企業基盤整備機構、商工会議所による緊急融資なども確認しておくと良いでしょう。

助成金と補助金の申請には書類申請が必要であり、煩雑で面倒だ、そのように思われている方も多いかと思います。しかし、申請書類を書く際は、必ず丁寧な記入例があるので、それを見ながら書けば良いでしょう。注意したいのは添付書類忘れ。有効期限のチェックなども含め、きちんと添付書類が揃っていることを確認しておきたいところです。

とは言いつつも、申請経験がなく、何をしていいかわからなければ、最寄りの商工会や商工会議所、国や地方自治体が運営する相談窓口に電話すると丁寧に教えてもらえます。

今後に向けて

個人、法人問わず、新型コロナウイルス感染症により多大な被害を受け、この窮状を脱するために給付金や助成金、補助金を活用する方は多いかと思います。いつ終息するかわかりませんが、ひと段落した後に行っておきたいことを最後に記します。

助成金と補助金では添付書類が必要となり、またいろいろなデータが必要となった事でしょう。日ごろ、目にしない書類やデータに、慌てて用意したり、計算したり。このような事態が再びくるかどうかわかりませんが、常時データは整備しておく、要求された資料は整理しておく、そのようなことをしておいてはどうでしょうか。

また、助成金は厚生労働省、補助金は経済産業省。それぞれが給付するものには、各省の色合いがあります。落ち着いたところで、それぞれの省についてじっくりと理解してみるのもおススメです。緊急事態だけではなく、平常時においても国の支援は様々なものがあります。ぜひ、国や地方自治体の支援策の理解を深め、活用していきましょう。

今回は触れませんでしたが、生命保険、損害保険等の各種保険にもいろいろな保険金がついています。この中身についても、特段のことがないとじっくりとは見ないものです。今いちど、どのような場合に保険金が支払われるのか、融資制度もありますから、それらについての理解を深めておくことが大事かと思います。

今回の新型>コロナウイルス感染症が終息したとしても、いつなんどき、それもさらに強力になって再来するかもわかりません。今回の経験を次に活かすためにも、振り返りはしておきたいものです。

  • 著者プロフィール
豊田 健一

豊田健一

株式会社月刊総務 代表取締役社長 『月刊総務』編集長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』を発行している株式会社月刊総務の代表取締役社長、『月刊総務』の編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの副代表理事や、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。
著書に、『マンガでやさしくわかる総務の仕事』、『経営を強くする戦略総務