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メールの基本的な文章構成

著者:株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役 一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事  平野 友朗


ビジネスで交わされるメールには「型」があります。

書き出し、本題、結び。その流れを一度身につけてしまえば、あとはその繰り返しです。

最初は堅苦しく、面倒に感じるかもしれませんが、いろいろな人とやりとりを重ねるうちに、次第に自分ならではの「型」が生まれてくることでしょう。

宛名
挨拶・名乗り
要旨
本文
挨拶
署名

宛名

まず、1行目に宛先を書きます。

記入例

株式会社○○企画
×山△郎様

相手が企業に属している場合は、会社名と部署名を書いてからお名前を。 もちろん「様」も忘れずにつけましょう。

会社名は(株)(有)などのように略さず、正式名称を表記しましょう。 お名前もフルネームのほうが丁寧な印象を与えます。

受け取るメールのなかで意外によく見かけるのですが、後に個人名が続く場合には、社名に「御中」はつけません。 ドキっとしている人もいるかもしれませんね。

コミュニケーションが円滑になってくると会社名が堅苦しい印象を与えます。
そのため慣れてくると「×山さん」「×山△郎様」のように会社名を入れないのが一般的です。

挨拶・名乗り

挨拶

ビジネスで最も一般的な挨拶は「お世話になっております」です。さらに丁寧に、 「いつも大変お世話になっております」 としても良いでしょう。他には次のようなものがあります。

挨拶文の例

「ご無沙汰しております」
「先日はありがとうございました」
「早速のご連絡ありがとうございます」

挨拶の一文が入るか、入らないか。 これだけでメールの印象が大きく変わります。メールの印象は、そのままメール送信者への印象へと繋がっていきます。 どんなに忙しくても、礼儀正しく丁寧に挨拶をしておきましょう。

名乗り

あなたも企業に所属しているのであれば、宛先と同じように、会社の正式名称と所属部署を。その次に名前を書きます。

初めてメールを送る場合には、「~をしております、○○と申します」というように簡単な自己紹介を付け加えるといいでしょう。名を名乗らずに書き進めてしまうと、相手が今までのやりとりや背景を把握できない場合があります。

メールをスムーズに読み進んでもらうためにも、キチンと最初に名乗っておくことが大切です。

署名があるから名乗りは不要と考える人もいますが、相手がどのような機器で見ているのか分かりません。相手がiPhoneなどのスマートフォンで見ている場合、送信者名がパソコンのように表示されないこともあります。その場合、全部スクロールして署名から読む必要があります。このように相手に一手間かけさせないためにも、冒頭に名乗りは必須です。

要旨

挨拶を終えたら、いよいよ本題に入ります。まずはメールを書いた主旨を簡潔に説明しましょう。例文として次のようなものがあります。

メールを書いた主旨の例

「会議の結果についてご報告いたします」
「先日のお礼を申し上げたく、メールをお送りしました」
「○○の件についてお詫び申し上げたく、ご連絡いたしました」

このメールに対する回答がほしい場合には 「お返事をいただけたら幸いです」 といった一文を。

あとに続く文面が長くなる場合には 「長文で恐縮ですが、ご一読のほどお願いいたします」 といったことわりを付け加えておくとよいでしょう。

本文

いよいよ本文に入ります。

何よりも大切なことは、”分かりやすく書くこと”。 時間をかけて長文の大作を書き上げても、中身が伝わらなくては意味がありません。文章を分かりやすく書くコツは、

■自分は相手に対して何を伝えたいのか。

■そして、相手に何をしてほしいのか。

ということを明確にしてから書き始めること。 そして、簡潔で丁寧な文章を心がけることです。

書き終えたら第三者の立場になって読み返してみましょう。 「?」と思うところがあれば、書き直しです。

文章構成は6W3Hで

メールの文章の特徴は簡潔であることです。 伝わらないということを避けるためにも、結論を先に述べることが、ビジネスでは必要です。簡潔に、結論、それから詳細を伝えましょう。

一般的に使われている構成が「6W3H」の構成です。これらを意識して書いてみることで簡潔に、要点をもらさず伝えることが可能になります。

What (何を)
When (いつなのか?年月日および時間)
Where (どこで、場所)
Why (理由、原因)
Who (誰が)
Whom (誰に)
HoW to (どのように、状況、様子)
HoW many (どれだけ、数量)
HoW much (いくらで、金額)

箇条書きに書く

メ-ルでは、箇条書きに書くことも一般的です。

文中に書かれているよりも、事務的な部分は箇条書きの方が書く側も、6W3Hにそって書きやすく、読む側にとっても明瞭でわかりやすくなります。このとき、文章は「です」「ます」はつけません。 また、語尾の句点(。)も必要ありません。

記入例

内容 ビジネスメールコミュニケーション講座
日時 2012年5月15日
場所 東京国際フォーラム
対象 新入社員もしくは研修担当者
参加費 8,400円

挨拶

代表的な結びのフレーズは「よろしくお願いいたします」。

冒頭の「お世話になっております」と、セットで使われることが多い言葉です。

その他フレーズの例

「今後ともよろしくお願いいたします」
「ご検討の程、よろしくお願いいたします」
「ご協力頂けますよう、よろしくお願いいたします」

これらの言葉は、本文で述べた用件を最後に強調したいときに用いるとよいでしょう。内容に合わせて臨機応変に、相手が気持ちよくメールを読み終えられるような言葉でメールを締めくくりましょう。

署名

署名は、いわばメール上の名刺のようなもの。次の項目を盛り込んでおくだけで、簡単なプロフィールを伝えることができます。

■会社名、部署名

■名前(読みにくい名前は、読み仮名も記載)

■郵便番号、住所

■電話番号

■ファックス番号

■営業時間

■メールアドレス

■サイト名、URL

署名の例

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株式会社アイ・コミュニケーション 平野友朗
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町2-1 KIMURA BUILDING 5階
03-5577-3237(tel)/ 03-5577-3238(fax)
URL: http://www.sc-p.jp/
Mail: info@sc-p.jp
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署名は情報発信スペースで、署名の活用テクニックについてお話ししています。 ぜひそちらも参考にしてみてくださいね。

セミナー情報

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https://business-mail.jp/

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著者プロフィール

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平野 友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役 一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事

メールスキル向上指導、組織のメールのルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がけ、企業などへのコンサルティングや講演研修回数は年間100回を超える。著書は22冊を超え、メールマナーなどに関する取材を300回以上受けるビジネスメール教育の第一人者。ビジネスメールスキルの標準化を目指し、ビジネスメールの研修プログラムの開発やツールの提供を行なう。一般社団法人日本ビジネスメール協会を設立し、認定講師を育成。2014年「ビジネスメール実務検定試験3級」を立ち上げ、ビジネスメール教育の普及に尽力している。

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