昨年6月に改正された労働安全衛生法(労安法)により、今年の12月1日から事業者には従業員の「ストレスチェック」や「面接指導」を実施することが義務づけられました。
このストレスチェック制度は、定期的に従業員のストレスについて検査し、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について理解させ、メンタルヘルスの不調から発生する様々なリスクを低減させるとともに、検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものも低減させるものです。
さらに、メンタルヘルスの不調リスクの高い者を早期に発見し、 医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することができるといわれております(厚生労働省ホームページより)。

今回は、このストレスチェックについて解説していきます。

1.そもそも「ストレスチェック」って何ですか?

ストレスチェックとはどういうことをするのでしょうか?また、どのくらいの頻度で行う必要があるのでしょうか?」

「事業者が実施する、現在の業務にかかる労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査をいい、1年に1回以上実施することが義務付けられます」

具体的には、以下の3つにまとめることができます。

  1. 「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」について従業員からヒアリングすることになります。実際にどのようなヒアリング項目を設定するかは自由です(なお、厚生労働省では、標準的調査票「職業性ストレス簡易調査票」をウェブサイトにて公開しています)。
    なお、事業者は、当然にストレスチェックの結果を知ることができるわけではありません。ストレスチェックの結果は直接本人に通知されることになり、本人の同意がない限り事業者はこれを取得してはいけません。この点、注意が必要です。
  2. ストレスチェックを行った後、高ストレスを理由に面接指導が必要と評価された労働者から申出があった場合、事業者は、医師による面接指導を行わせる義務が生じます。
  3. さらに、面接指導の結果に基づき、医師の意見を勘案して、必要がある場合には就業上の措置を講じる必要があります。

2.労働者を雇っている場合、必ず実施しなければならないのですか?

「従業員が少ない会社でも必ず実施しなければならないのでしょうか?」

「現時点では、労働者の数が50人未満の事業場では、当分の間、法律上の義務ではなく努力義務とされています。なお、50人未満とは、法人単位ではなく、事業所ごとに数えることになります」

3.労働者にストレスチェックを受けるよう義務付けることもできるのですか?

「従業員はストレスチェックを受ける義務があるのでしょうか?例えば、就業規則などでストレスチェックを受けるよう義務付けることはできますか?」

「ストレスチェックの実施は、あくまで事業者の義務ですので、労働者に『ストレスチェックを受けなさい』と命令することはできないと考えられています」

要するに、事業者としては、労働者が実際に受けるかどうかは問わずに、ストレスチェックを受ける機会を与えればよいということです。
また、ストレスチェックを受けた労働者から、その結果を通知するよう義務付けることもできません。ストレスチェックの結果を踏まえた面接指導を受けるかどうかも労働者の自由、というわけです。

4.面接指導の結果、異常がみられた場合、どう対応すればよいのですか?

「ストレスチェックの結果、従業員にメンタルヘルスの不調が見つかり面接指導を受けた場合、事業者が行うべきことは何ですか?」

「医師の意見により、必要がある場合には、その労働者の就業場所を変更する、担当業務を変更する、労働時間を短縮する、深夜・休日業務の回数を減少させるなど、ストレスの要因となり得るものを取り除く必要が生じます」


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