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100万円でも安心?ペイオフ解禁!
ペイオフが解禁されました

2005年4月から本格的にペイオフが解禁されました。これで普通預金についても全額保護の対象から外され1000万円とその利息までが保護の上限となります。つまり、1000万円を超える分の預金は、金融機関の破たん状況に応じて一部カットされる可能性が出てきたわけです。実行はされませんでしたが、もし1997年に破綻した拓銀がペイオフを行っていたら20%位はカットされたと言われています。

アユアユ漁は、例年6月ごろから各地で解禁になります。「解禁」とは、普通は良い話になるはずで、預金者が損をするのに何が「解禁」か? と不思議に思うでしょう。
それは、これまで特例によって普通預金は全額保護されており、その特例措置が終了するという意味で「解禁」と呼んでいるからです。金融庁からすれば、金融不安は収まり、ペイオフの準備は整ったとでも言いたいのです。

「ペイオフに関係するのはお金持ちだけ」と思っているあなた!
確かに1000万円以下の預金は全額保護されます。しかし、肝心なことは、その預金はすぐには使えなくなるということです。預金は全て一時的に凍結されるからです。たしかに60万円の仮払い制度が準備されていますが、預金が保護されればそれでいいと安易に考えていたら、思わぬ不都合が生じるかもしれません。
預金が引き出せないために、購入しようとしていた車が目の前を通り過ぎ、彼女の誕生日にプレゼントするはずだった大切な物が買えないことになるかも?
要するに、預金について自己責任でリスクをとる時代になったわけですから、この際、金融に関する法律やしくみ、更には金融商品や金融機関を見る目を養っていくことが大事です。
そこで、ペイオフ制度のしくみとその対策を、ここでは考えてみます。


ペイオフ制度のしくみ
金融機関が破たんした時はどうなるか?

日本国内に本店のある銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などの金融機関は、預金者保護のため「預金保険」への加入が義務づけられています。万が一、こうした金融機関が破たんした場合は、預金保険機構から預金者に直接保険金を支払うことになります。この方式をペイオフ(払い戻し)と言います。ただ、預金者の混乱が少なくて済むよう、法律により、健全な他の金融機関との合併や営業譲度で引き継がれることが優先されますので、実際には、譲受金融機関への資金援助によって預金が守られることでしょう。そして、預金者は、譲受金融機関から預金の払い戻しや決済等を受けることになります。ペイオフはあくまで最悪の事態ということです。
しかし、どちらの方式が選択されても、預金保護の範囲に変わりはありません。

<図1>

図

<預金保険の対象金融機関>
預金保険対象の金融機関 預金保険対象でない金融機関
・銀行(日本国内に本店のあるもの)
・信用金庫
・信金中央金庫
・信用組合
・全国信用協同組合連合会
・労働金庫
・労働金庫連合会
・左記金融機関の海外支店
・政府系金融機関
・外国銀行の在日支店
※日本郵政公社(郵便局)
※農林中金、農協、漁協等の系統金融機関
※保険会社
※証券会社

※ 預金保険とは別の枠組みにより、契約者保護の制度があります。

・日本郵政公社(郵便局) ⇒ 国が全額保護
・農林中金、農協、漁協、水産加工協等の系列金融機関 ⇒ 農水産業協同貯金保険制度
・保険会社 ⇒ 保険契約者保護機構
・証券会社 ⇒ 投資者保護基金

預金保護の範囲は?

図当座預金や利息の付かない普通預金は、「決済用預金」として全額保護されます。
それ以外の利息の付く普通預金や定期預金等は、一金融機関ごとにつき、一預金者当たり、1000万円とその利息が保護されます。なお、外貨預金や譲渡性預金等は保護の対象になりません。





<預金保護の範囲>
預金等の分類 保護の内容
・当座預金、利息の付かない普通預金などの決済用預金 全額保護
・普通預金(一般的な利息が付くもの)
・定期預金
・定期積金
・ビッグなど(元本補填契約のある金銭信託)
合算して元本1000万円までと
その利息を保護
・外貨預金
・譲渡性預金
・ヒットなど(元本補填契約のない金銭信託)
保護対象外

※ 決済用預金とは、(1)「無利息」(2)「要求払い」(3)「決済サービスが利用できる」との3つの条件を満たす預金です。(対象となる全国629行の金融機関の内、約97%に当たる607行で導入しています〔平成16年11月現在〕)

全額保護されない預金等はどうなるの?

一般の普通預金(利息付)や定期預金などで複数の口座がある場合は、氏名、生年月日、住所、電話番号等によって“名寄せ”をし、預金者ごとに一つに合算されます。そして、1000万円とその利息に相当する額を超える分については、破たん金融機関の清算後の残余財産を配当することになります。しかし、この破産処理には長い時間を要することから、実際には預金保険機構が弁済可能と見込まれる概算支払い率を決定し、その掛け率によって概算払いが行われることになります。
夫婦や親子はそれぞれ別の預金者として扱われますが、単に家族の名義を借りただけのものは、同一の預金者とみなされてしまいます。また、会社経営者の場合、登記をして株式会社や有限会社などの法人格を有していれば別個の預金者となりますが、個人で事業を営んでいる場合は同一人の預金者として合算されることになりますので注意が必要です。

なお、預金と共に住宅ローンなどの債務がある場合は相殺することができ、相殺後の預金額が1000万円以下であれば、預金は全額保護されます。ただし、相殺条項を定めていない預金や、相殺禁止の特約のあるローンもありますので、念のため確認しておいた方が良いでしょう。
最後に、銀行が合併したことで預金金額が1000万円を超えてしまった場合、1年間に限っては、保護される預金金額が「1000万円×合併等に関わった金融機関の数」とその利息とする特例があります。金融機関2行の合併であれば、2000万円とその利息が預金保護の範囲です。対策を講じるのならば、1年間の内に行ってください。

図3

※ 普通預金が最初に保護され、次に定期預金になります。定期預金は、(1)満期が早いもの、満期が同じであれば次に(2)金利の低いものから保護されます。
なお、外貨預金は1000万円の保護対象ではありませんが、概算払いの対象にはなります。
(保護対象外預金の中で、概算払いの対象となる唯一の預金です)

ペイオフ対策をする前提として、まずご自身の資産の全体を把握することが重要です。預け先、預金額、預金の種類や金利、また住宅ローン等の負債があれば相殺条項を確認し、金融機関や専門家等と相談しながら資産の管理・運用を行うことが必要になると思います。
その上で、ご自身でも、さまざまな金融商品の知識を身につけたり、また、金融機関の健全性を判断する目を養うことが大事です。一般的には、(1)自己資本比率や(2)不良債権額(比率)の変化から財務状態を確認したり、経営状態を探るため経常利益等の経営指標や株価、ニュース等も気にしておく必要があります。また、プロの格付機関による“格付”は、インターネットでいつでも見ることができますので、参考になります。

 ・格付投資情報センター http://www.r-i.co.jp/jpn/rating/rating/rating_list.html
 ・日本格付研究所 http://www.jcr.co.jp/ratlist.htm
 ・ムーディーズ・ジャパン http://www.moodys.co.jp/ssl/list/ratlist.asp
 ・スタンダード&プアーズ http://www.standardandpoors.co.jp/site/index.do?method=homePage&r=6&l=JP
 ・フィッチ・レーティングス http://www.fitchratings.co.jp/allRankList.ctl.php

タイプ別ペイオフ対策
資産家[ 資産家 ]

ペイオフ対策の基本は資産を分散することで、この分散には(1)金融機関の分散、(2)金融商品の分散、(3)名義の分散があります。
(1)金融機関の分散は、預金を1金融機関当たり1000万円づつに分割させる最も単純な方法です。仮に金融機関が破たんしても全額が保護されるからです。
(2)金融商品の分散とは、預金保険と同様の保護制度のある他の金融商品で運用することです。生命保険や損害保険にも貯蓄型の金融商品がありますし、証券会社を利用することも一つでしょう。これらの金融機関は、いわゆるペイオフで実行される預金保険と別の枠組みで契約者が保護されます。ただし、運用する金融商品自体のリスクや手数料等を考慮する必要があります。また、国の保証のある国債や政府系金融機関を利用したり、日本とは別のペイオフ制度がある海外の金融機関を利用することも対策の一つです。
最後の(3)名義の分散とは、資産を本人以外の家族名義に移すことですが、これには贈与税が発生しますので、贈与税の非課税枠を活用したり、相続時精算課税制度を利用し相続対策と合わせて検討することもできます。また、法人格のある会社を所有していれば、会社へ貸付けする方法もあります。

図2

1000万円も預金がない人[ 1000万円の預金がない人 ]

預金残高が1000万円に満たなくても、ペイオフを全く無視することはできません。預金は全て守られますが、もし、ペイオフが実施されれば、預金の出し入れや公共料金、ローン等の引き落としが一時的に凍結されるからです。
時間がかかる場合、普通預金については1口座当たり60万円までの仮払金を受取ることができますが、資金の出し入れの多い人は、メインバンク以外に別の財布をつくっておくことも防衛手段の一つです。