株式会社ライブレボリューション 代表取締役社長 増永寛之 社長インタビュー|たまごが立たないコロンブスたちへ!

社長インタビュー たまごが立たないコロンブスたちへ!Vol.041

掲載日:2009年7月1日  社長インタビュー一覧
4ヵ月間、売上ゼロ!
世のため、人のために起業した男
モバイル広告の代理店業務で文字通り急成長を遂げているライブレボリューション。モバイルという分野にいち早く参入したことから、時流を読んだ好判断で成功したかのように見えるかもしれない。しかし、社長の増永寛之の行動や考え方には、そんな通り一遍の評価など一蹴してしまうほどの奥深さがあった。そして、ユニークに見えるさまざまな仕組みも、徹底的に考え抜かれたものだった。”宇宙一愛される企業“を目指すというライブレボリューションにとって、成功とは必然であり、かつ、単なる通過点に過ぎないのかもしれない。
たまごが立たないコロンブスたちへ!とは?

目指せば、社長は誰でもなれる時代…。
でも、社長には、必ず苦難の壁が立ちふさがります。そのような壁を乗り越え、輝く成功をつかみ取った社長たちの物語に、カリスマ顧問の越石一彦が鋭く迫ります。

聞き手 顧問 越石一彦

前回は、ライブレボリューションが掲げる、“メンバー第一、顧客第二主義”を実現するためのユニークな仕組みついて語っていただきました。今回は、成功に至るまでの苦しかった道のりについて語っていただきます。

月給8万円で暮らしました

――そもそも増永社長が会社を起こそうと考えられたのには、どういう経緯がおありだったのでしょうか。

理想の会社は、自分が出世して社長にならないと作れないと考えてはいましたが、起業家になりたいとは思っていませんでした。なので正直なところ、会社を起こす直接のきっかけというと、創業メンバーでもある現取締役の高木に頼まれたからですかね(笑)。

――ご自身の強い想いとか、これなら成功するだろうとか、そういうことではなかったわけですか。

もちろん、強い想いはありましたが、大きなきっかけは頼まれて、やらざるをえない状況になってしまったからですね。

――それが2000年のこと。当時はどのような経営状況だったのでしょうか。

そのときは渋谷にオフィスを構えて始めたのですが、最初の4ヵ月間、売上はゼロでした。

――4ヵ月間、売上ゼロ!?

ええ。しかも、お金がなくなってきたので、中延(品川区の住宅街)にある民家を一軒借りて、そこにオフィスを移すことにしました。

さらに、オフィスとは別に自分の部屋を借りるのはお金の無駄なので、私は会社に住み込むことにしたのです。ただ、民家といっても、もともと、ある会社が研修施設として使っていた場所だったので風呂がないんです。しかも売上ゼロでしたから、給料もあまり取れません。ですから約1年ほどは、月給8万円で暮らしました。


貧乏には慣れている

――経営者って、一度、大きく立ち上げてしまうと、なかなか縮小できない人が多いんですよ。でも、増永社長はジャンプするためにしゃがむことができたんですね。

貧乏には慣れているといいましょうか、大学時代に父の勤めていた会社が倒産して、仕送りが途絶えたんです。それで、学費と生活費をアルバイトで稼いで卒業したという経験があるので、お金がないという状況でも、ないならないなりにやっていけばいいという感覚でした。

――それって、現状にプライドがある人はなかなかできないんですよ。でも、成功にプライドがある人は、成功のためにしゃがむことができるんです。それで業績も上がっていったんですか。

いいえ、まったく鳴かず飛ばずで(笑)。2004年までは、まったく先の見えない状態でした。まず、人を集めるにも中延の民家では、集まらないのです。人材を募集しても、会社の前まで来て帰っちゃったっていう人もいたぐらいで(笑)。

人も増えないし、仕事も増えなくて、いよいよあと数ヵ月でお金が底をつきそうだという状況になりました。さすがにこのままじゃまずいと思い、「よし、まず移転しよう。」と、2000年のときの逆の発想で動くことにしました。それで、浜松町の新築のビルを借りて移転したのです。

――資金繰りのめどは。

何にもありませんでした(笑)。普通はお金を集めるのが先ですよね。でもそのときは、「どうせダメなら。」ということで形を整えることにしたんです。私自身も、車を買って、タワーマンションに住むことにしました。

――背水の陣を敷いたわけですね。

よく言えばそうですね。こうなると、もうあとは資金集めしか方策はありませんから、全力で個人投資家さんにお願いに回りました。100件以上は回ったと思います。ダメだと思ったら、すぐに別の方を当たるようにしました。出してくれない人はいくらお願いしても出してくれないので、次々と当たっていくようにしたんです。

証券営業の手法で投資家を口説く

――数件断られるとあきらめてしまう人も多いのですが、よく粘りましたね。出資がもらえたのは、何が認められたからだとお考えですか。

このときは本当に何もありませんでしたから、とにかく夢を語りました。「こういうことをやりたいので、これだけ必要なんです。」という感じです。
これも証券会社での営業経験からなのですが、口座を開かない人はどれだけ営業しても開かないんです。逆に、そのとき、とにかく口座を開きたいと思っている奇特な方もいらっしゃって、そういう方に当たると契約をいただけるわけです。確率は一定ですから、とにかく数多く回ることが重要なんです。

――ここでも元証券マンの経験が活かされたんですか。

ええ、ベンチャー企業への投資も一緒で、とにかく投資したいという方がいらっしゃる。そういう方にお会いできるまで、次々と当たっていくしかないと思いました。たしかに最初の一人が決まるまではきつかったです。でも、最初の一人が決まりますと、「あの人が出資しているなら。」と出資してくださる方も増えるのです。

結果、数億円も集まり、新しいオフィスにしたら人もたくさん集まり、何とかやれそうだというめどが立ちました。これが先ほど(第一回)申し上げた、2005年に社員をたくさん採用したというところにつながるわけです。

――いくらなんでも、夢だけで数億円は集まらないですよ。やっぱり、増永社長の人柄なんじゃないですかね。真剣さ、本気度、やってくれそうだっていうのが、見る人が見たらわかるってことなんじゃないでしょうか。

このとき出資者の方々からは、“増永プレミアム”なんて言われて、1株5万円を数百万円で買っていただいたのです。そうして数億円が集まりました。

――すごいですね。いい方にお会いできたんですね。

これもセオリーなんですが、ある程度、お金が集まってくると、「いま、これだけ集まっています。」と言えるようになります。それを聞くと、出資する方も安心するようで、さらにお金が集まってくるのです。お金は怖がりなので、安心させてあげないといけません(笑)。だから、お金があるところには更にお金が集まりますね(笑)。
でも、本当に私は恵まれていたと思います。このときに素晴らしい株主の方々とご縁を持てたことで、現在があるわけですからね。

――恵まれているというだけではなく、出資者は増永社長の本質を見抜いたんでしょうね。

現在の成功の裏には、やはり大きな苦労と並々ならぬ努力がありました。ただ、増永社長はその苦労を苦労とは感じておられず、むしろ当然やるべきこととして捉えていたようです。次回は、起業家とはいかにあるべきかについて語っていただきます。



【次号】第4回:私は起業家志望を採用しません。


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『仕事頭がよくなる アウトプット勉強法』
著者:株式会社ライブレボリューション 代表取締役社長 増永寛之
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増永 寛之(Hiroyuki Masunaga)


株式会社ライブレボリューション 代表取締役社長

早稲田大学大学院を修了後、大和証券株式会社に入社。2000年に同社を退社し、同年8月に株式会社ライブレボリューションを設立、代表取締役社長に就任。モバイル広告代理店事業を中心に事業を急成長させる。その他、経営者向けメールマガジン『プレジデントビジョン』(読者数18万人)を手掛ける。『仕事頭がよくなる アウトプット勉強法』(アーク出版)、『宇宙一愛される経営』(総合法令出版)などの著書がある。

 

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越石 一彦 KOSHIISHI,Kazuhiko
株式会社クライアントサイド・コンサルティング 代表取締役社長
アントレプレナードットコム株式会社 代表取締役会長

 

史上最年少31歳で山一證券池袋支店の課長に就任。メリルリンチ日本証券を経て、株式会社クライアントサイド・コンサルティングを設立、代表取締役に就任。
現在、企業顧問として、現場の直接行動を劇的に変化させる実践論を中心に常時20社以上のベンチャー企業や上場企業の経営を支援。
また、アジア国際支援財団の評議員 議長、函館大学非常勤講師も務める。「ビジネスで成功する決め手は、パーソナルブランド」(ゴマブックス)など著書、講演多数。

 

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