前回は、ライブレボリューションが掲げる、“メンバー第一、顧客第二主義”を実現するためのユニークな仕組みついて語っていただきました。今回は、成功に至るまでの苦しかった道のりについて語っていただきます。
――そもそも増永社長が会社を起こそうと考えられたのには、どういう経緯がおありだったのでしょうか。
理想の会社は、自分が出世して社長にならないと作れないと考えてはいましたが、起業家になりたいとは思っていませんでした。なので正直なところ、会社を起こす直接のきっかけというと、創業メンバーでもある現取締役の高木に頼まれたからですかね(笑)。
――ご自身の強い想いとか、これなら成功するだろうとか、そういうことではなかったわけですか。
もちろん、強い想いはありましたが、大きなきっかけは頼まれて、やらざるをえない状況になってしまったからですね。
――それが2000年のこと。当時はどのような経営状況だったのでしょうか。
そのときは渋谷にオフィスを構えて始めたのですが、最初の4ヵ月間、売上はゼロでした。
――4ヵ月間、売上ゼロ!?
ええ。しかも、お金がなくなってきたので、中延(品川区の住宅街)にある民家を一軒借りて、そこにオフィスを移すことにしました。
さらに、オフィスとは別に自分の部屋を借りるのはお金の無駄なので、私は会社に住み込むことにしたのです。ただ、民家といっても、もともと、ある会社が研修施設として使っていた場所だったので風呂がないんです。しかも売上ゼロでしたから、給料もあまり取れません。ですから約1年ほどは、月給8万円で暮らしました。
――経営者って、一度、大きく立ち上げてしまうと、なかなか縮小できない人が多いんですよ。でも、増永社長はジャンプするためにしゃがむことができたんですね。
貧乏には慣れているといいましょうか、大学時代に父の勤めていた会社が倒産して、仕送りが途絶えたんです。それで、学費と生活費をアルバイトで稼いで卒業したという経験があるので、お金がないという状況でも、ないならないなりにやっていけばいいという感覚でした。
――それって、現状にプライドがある人はなかなかできないんですよ。でも、成功にプライドがある人は、成功のためにしゃがむことができるんです。それで業績も上がっていったんですか。
いいえ、まったく鳴かず飛ばずで(笑)。2004年までは、まったく先の見えない状態でした。まず、人を集めるにも中延の民家では、集まらないのです。人材を募集しても、会社の前まで来て帰っちゃったっていう人もいたぐらいで(笑)。
人も増えないし、仕事も増えなくて、いよいよあと数ヵ月でお金が底をつきそうだという状況になりました。さすがにこのままじゃまずいと思い、「よし、まず移転しよう。」と、2000年のときの逆の発想で動くことにしました。それで、浜松町の新築のビルを借りて移転したのです。
――資金繰りのめどは。
何にもありませんでした(笑)。普通はお金を集めるのが先ですよね。でもそのときは、「どうせダメなら。」ということで形を整えることにしたんです。私自身も、車を買って、タワーマンションに住むことにしました。
――背水の陣を敷いたわけですね。
よく言えばそうですね。こうなると、もうあとは資金集めしか方策はありませんから、全力で個人投資家さんにお願いに回りました。100件以上は回ったと思います。ダメだと思ったら、すぐに別の方を当たるようにしました。出してくれない人はいくらお願いしても出してくれないので、次々と当たっていくようにしたんです。
――数件断られるとあきらめてしまう人も多いのですが、よく粘りましたね。出資がもらえたのは、何が認められたからだとお考えですか。
このときは本当に何もありませんでしたから、とにかく夢を語りました。「こういうことをやりたいので、これだけ必要なんです。」という感じです。
これも証券会社での営業経験からなのですが、口座を開かない人はどれだけ営業しても開かないんです。逆に、そのとき、とにかく口座を開きたいと思っている奇特な方もいらっしゃって、そういう方に当たると契約をいただけるわけです。確率は一定ですから、とにかく数多く回ることが重要なんです。
――ここでも元証券マンの経験が活かされたんですか。
ええ、ベンチャー企業への投資も一緒で、とにかく投資したいという方がいらっしゃる。そういう方にお会いできるまで、次々と当たっていくしかないと思いました。たしかに最初の一人が決まるまではきつかったです。でも、最初の一人が決まりますと、「あの人が出資しているなら。」と出資してくださる方も増えるのです。
結果、数億円も集まり、新しいオフィスにしたら人もたくさん集まり、何とかやれそうだというめどが立ちました。これが先ほど(第一回)申し上げた、2005年に社員をたくさん採用したというところにつながるわけです。
――いくらなんでも、夢だけで数億円は集まらないですよ。やっぱり、増永社長の人柄なんじゃないですかね。真剣さ、本気度、やってくれそうだっていうのが、見る人が見たらわかるってことなんじゃないでしょうか。
このとき出資者の方々からは、“増永プレミアム”なんて言われて、1株5万円を数百万円で買っていただいたのです。そうして数億円が集まりました。
――すごいですね。いい方にお会いできたんですね。
これもセオリーなんですが、ある程度、お金が集まってくると、「いま、これだけ集まっています。」と言えるようになります。それを聞くと、出資する方も安心するようで、さらにお金が集まってくるのです。お金は怖がりなので、安心させてあげないといけません(笑)。だから、お金があるところには更にお金が集まりますね(笑)。
でも、本当に私は恵まれていたと思います。このときに素晴らしい株主の方々とご縁を持てたことで、現在があるわけですからね。
――恵まれているというだけではなく、出資者は増永社長の本質を見抜いたんでしょうね。