前回は、ライブレボリューションの目指すものと、“メンバー第一、顧客第二主義”について語っていただきました。今回は、メンバー第一主義を実現する具体的な仕組み、さらには顧客満足度を上げるための方法について語っていただきます。

――ライブレボリューションにはたくさんのユニークな仕組みがありますよね。特に給与体系、人事評価の制度はとても特徴的だと思うのですが、これについて詳しく教えてください。
まず、給与ですが、役職や職種で差をつけるということはしていません。仕事というのは、すべてが連携しているもので、営業職だから高くて、事務職だから安いというのはおかしいですよね。どちらが欠けても会社は成り立たないわけですから。
また、役職が上がると給料が上がるというのもおかしいと思っています。役職と給料が連動していると、給料を上げるために無意味な役職を作る必要が出てきたり、給料を下げずに役職だけを下げるということができにくくなってしまいます。
――無駄な役職を持った人がやたらと増えたりする企業もありますよね。
そうなんです。ある会社の例ですが、一つの課に課長が複数いたり、課がないのに課長という役職の人がいたりするんです。ただ単に給料を上げるために、無意味な役職をつけただけなんです。こうして無意味な役職が増えると、どうしても組織に歪みが生じてしまいます。
――フラットな組織が基本ですものね。
はい。また、弊社でも以前は成果報酬型の給与制度を取り入れていたのですが、これもうまくいかずにやめました。
成果報酬型は上がるときはいいのですが、一回下がると、「来月はもっと下がるのではないか。」と不安になるらしいのです。メンバー本人というよりも奥様がですね。2ヵ月連続で下がろうものなら、このまま永久に下がり続けるんじゃないかと思われて、夫婦仲が悪くなると言うんです。会社としては、夫婦仲が悪くなるような制度はやめた方がいいなと(笑)。
そもそも成果報酬というのは、人間の本質には合わない制度だと思うんです。会社の場合、利益が50%下がっても生きていけるかもしれませんが、人間だったらお手上げになる人だっているでしょう。会社は潰れても命はとられませんが、人間だったら食べていけなくなって命を失ったらそれまでです。会社の業績と同じような感覚で給料が上下したら、普通は安心して暮らしていけませんね。それで、結局は年功序列型に近い給与体系に落ち着きました。
――成果報酬型をやめて年功序列型にしたということは、頑張った人もそうでない人も、同様に給料が上がっていくということですか。
いいえ。そうではありません。売上ではなく評価によって昇給額が決まり、よほど悪い評価にならない限りは、それが下がらないということです。
ただ、その評価の仕方もちょっと変わっているかもしれません。上司ではなく、その人の周りにいる6人のメンバーがWeb上で評価するのです。評価項目は72項目あり、それを6人がそれぞれの主観で評価します。
この評価制度を「Six Members Valuation(シックス・メンバーズ・バリュエーション)」と呼んでいます。
――それは画期的ですね。6人いれば限りなく客観評価に近くなるわけですね。
主観の集合を客観とみなすということは、世の中ではけっこうやっていることなんです。例えば、株価というのは企業価値を客観的に評価したものではありませんよね。多くの人が主観で判断して、その主観の集合を客観とみなしているわけです。
――よく、こんないい評価制度を思いつきましたね。
私自身、評価するのが苦痛だったんです(笑)。時間は割かれますし、そもそも評価する行為自体、文句を言われたり、恨まれることはあっても、褒められたり、喜ばれたりしないんですよ。そこで、恨まれない評価の仕組みはないかと考えたんです。しかも、手間がかからずに。
それで思いついたのが、複数のメンバーがWeb上に入力するだけで、全自動で評価できる仕組みにするというものでした。フィードバックだけでなく昇給額まで自動で出てきますよ。やってみると、メンバーにもとても好評でした。2006年から始めた制度ですが、社内クレームはゼロ。これ以上の昇給システムはないのではないかと思えるくらいです。
――やはり常に“メンバー第一”で考えておられる賜物ですね。ところでなぜ6人にしたのですか。
それは多くもなく、少なくもなくで、6人くらいがいいだろうと。ある組織で、お互いのことをよく知れる最大の人数が6人だという説があります。それ以上だとやはり希薄な部分が出てくるんです。
ライブレボリューションでは、1ユニット(業務単位)の人数を6人までと決めています。実際はだいたい3人くらいですが、最大で6人までという意味ですね。それを超えるようなら、ユニットを分割します。
――増永社長が掲げておられる“メンバー第一、顧客第二主義”の中の“メンバー第一”の一端がうかがえますね。次の“顧客”の部分でもすごくユニークだと思うのですが、お客様への考え方について教えてください。
ライブレボリューションが最も心掛けていることに、“お客様(広告主様)の利益創造活動に貢献する”ということがあります。お客様の手掛けているビジネスにおいて、モバイル広告をうつことによってたくさんの利益が出るようにするのが私たちの仕事です。
「そんなことは当たり前じゃないか。」と思われるかもしれませんが、実際に本気でお客様の利益を考えている代理店というのは少ないのではないでしょうか。私たちは広告枠を販売しているのではありません。広告によってお客様の利益が増えるように、プロデュースするのが仕事です。なので、お客様のビジネスモデルを研究し、広告をうてばうつほど利益が出るように費用対効果をよくしていきます。単なる枠売りだと値引きで勝負なのでしょうが、当社はあくまで費用対効果をもとに取引していただいています。
――“永久顧客”という考え方を謳っておられますが、それはどういうことなのでしょうか。
お客様のビジネスをモバイル広告という媒体を通していかに成功に導くかが私たちの仕事なわけですが、この成功というのは短期的なものではなく、長期的成功でなければ意味がありません。そして、長期的に成功すれば、長期的に継続して広告をうってもらえますから、お互いにwin-winとなるわけです。
そもそも、顧客の新規開拓というのは顧客維持の5倍のコストがかかると言われています。ならば、新規開拓よりも顧客維持に注力した方が効率的です。お客様は広告をうつことによって広告費以上の利益が出るとわかれば、継続的にうってくださいます。これを永久に続けることができれば、お客様は永久顧客になってくださるわけです。
――具体的な仕組みもあるんですよね。
ありがたいことにパソコン広告同様、モバイル広告は、目に見える形で広告効果を測ることが可能です。どれだけの人が広告を見て、どれだけの人が広告商品を購入したか、一目瞭然でデータが出てきます。
反応もリアルタイムでわかりますから、効果が悪くなってきたと思ったら、すぐに広告を差し変えて新たに効果を上げることも可能です。
しかし、もし担当営業が新規顧客の開拓に力を入れていたら、こうしたフォローはなかなかできません。だから、営業担当者には既存のお客様の満足度をいかに上げるかに集中してもらうためにも、ノルマを設けないのです。
それと、私は広告というのは投資だと思っています。ここと、ここと、ここにこれだけ広告をうって、このくらいの利回りを見込むという、一種のファンドみたいなものですね。
ですから、“広告利回り何%”という具合に、成果がはっきり見えるようにしてあります。この利回りがよくなるように”運用”するのが、ライブレボリューションの営業担当の仕事ということになります。
――なるほど。確か、増永社長の前職は証券マンでしたね。私も元証券マンですが、その発想はよくわかります。まさに証券マン的発想ですね。
証券会社では、株価が下がったときに連絡をしないと、必ずクレームが来るんです。「こんなに下がるんだったら、下がる前に売ったのに。どうして教えてくれなかったんだ。」って。ライブレボリューションはそういったクレームのない会社にしたかったのです。