株式会社アルカサバ 貞方邦介 社長インタビュー 社長インタビュー|たまごが立たないコロンブスたちへ!

社長インタビュー たまごが立たないコロンブスたちへ!Vol.012

掲載日:2008年10月30日  社長インタビュー一覧
サービス業界の静かなる戦略家 株式会社アルカサバ 代表取締役社長 貞方邦介
つねに物事の本質を見極め、緻密な戦略を練ることで連勝街道を突き進む
ヘリコプターで山奥の蕎麦屋に行き、ブラックカードで高級車を衝動買いする。TVでおなじみのカリスマ社長 貞方邦介は、セレブと呼ばれる高所得者層の代表として世間の注目を浴び続けてきた。その派手な生活ばかりがクローズアップされがちだが、レストラン、エステ、そしてホテル経営にまで乗り出した卓越した手腕を持つこの経営者の本質は、「実は、フェラーリを買うことも宣伝の一部」という緻密な戦略と明確なビジョンにあった。これまで明かされていない貞方社長のビジネス手法について、その真髄に迫る。
たまごが立たないコロンブスたちへ!とは?

目指せば社長は誰でもなれるもの。でも社長には必ず苦難の道が立ち塞がるもの。だから今その苦難を乗り越え、輝く成功を掴み取った社長たちのリアルストーリーをカリスマ企業顧問の越石一彦が魂をこめてインタビュー。

聞き手 顧問 越石一彦

前回はレストランの共同経営で裏切られたお話や、付加価値の重要性を語っていただきました。今回はいよいよ最終回です。「付加価値が高いことをやらないと勝てない」と述べる貞方社長のビジネスの考え方について聞いていきます!

「付加価値」がないと勝てない、という思考。

「付加価値が高いことをやらないと勝てない」と伺いましたが、もう少し詳しく聞かせていただけますか?

分かりました。要するに、私が学生企業を起こしたように、資金がない人は物販ではなくサービスで勝負しないと勝てない、ということです。

八百屋で売っているキャベツを例に説明しましょうか。

例えば、1個100円で売っているキャベツを、八百屋は市場で60円で買ってくるとします。儲けとして40円のせています。
しかし、大手資本の全国チェーンのスーパーですと、仕入れは全国でキャベツ1万個。もちろん一括で仕入れれば、大幅なダンピングが可能ですから、仕入れ値を40円くらいに抑えることが可能です。
そうすると、同じ40円をのせても80円。その上、大量に売るので儲けを40円ではなく20円でもやっていけます。そうなると、八百屋の仕入れの値段60円で消費者に提供できます。
つまり、資本の論理で勝負すると、低資本のベンチャーは絶対勝てない。


確かにコスト勝負では勝ち目はありませんね。

そうです。しかし一方では、そのキャベツに手を加えて、サラダにするとそのようにはなりません。
通常、レストランで食べるサラダは600円程度です。さっきのキャベツのように仕入れが20円違っても、そのサラダが美味しければ、580円だろうが600円だろうがお客様には関係ないでしょう。
料理人の味付けがあって、きれいに盛り付けてあって、ウエイターのサービスがあって、そうすると、単なるキャベツからOnly Oneの価値を提供するものに生まれ変わるのです。


パスタ料理も同じですね。パスタ麺からは、ペペロンチーノでも、アラビアータでも、ペスカトーレでも、好きなパスタ料理に調理することができます。
もちろん、どのパスタ料理においても、その中の麺の単価はしれています。
シェフが美味しくなれと、料理することで1000円になるわけです。
だから、麺が70円から100円に上がっても、同じ1000円で売ることができます。

だから、資本で負ける物流や物販はやめようと決めています。モノ自体に価値をどんどん乗せることが可能なサービス業に特化しています。
もちろん、私が子供の頃から人にサービスをすることが好きだったということもありますが・・・。

やっぱり、最後は〝人〟です。

普通は、何度か苦い経験をしてからそのようなことに気がつくのですが、始めからその考えだったのですか?

そうですね。最初の会社からそのように決めていました。お客様に提供するモノの中で付加価値が高くなれば高くなるほどいいです。
私たちの主要事業の1つである「Relax Body」は、技術者のスキルがそのまま料金なのです。いわゆるオールハンド。機械は一切使用しないので、セラピストたちに全てがかかっています。
確かに機械を使えば楽ですし、誰がやっても均一に同じ効果がある。でもオールハンドの場合、一人一人によって差が出てくるからいいと思うのです。

少し前は岩盤浴、もっと前は日焼けサロンが流行っていましたが、岩盤浴も日焼けサロンも、メインは機械が動いてくれるので、受付の人さえいれば24時間だってできてしまう。

だからこそ、プロの技術者のオールハンドサービスを朝5時まで提供するところにこだわっています。機械では味わえない人の手のぬくもりがありますから。

しかし、深夜にプロに働いてもらうことは非常に難しいことです。
大変だから、私たちは10年間それにトライし続けていますし、他からマネされにくいわけです。
やはり、今はそのような時代だと思います。人が価値を生む時代。
サービス業は、特に“ヒューマンビジネス”は衰退産業だと言われていますが、人を使うのは面倒である反面、それを避けてはいけないと思います。

 

結局、「人」だということで、貞方社長自ら就職活動の学生に説明して、良い人材を採ることに苦心していますね?

そうです、やっぱり最後は〝人〟です。
若い人口が減ってきている中で、良い人材をいかに確保するかというのが、サービス業としては「命」なのです。

これまでは新卒を採用する際、学生さんの方から東京に面接に来てもらっていたのですが、
今は自分が福岡や札幌に出向くようにしています。私から積極的に動いて、地方からいい学生を取ってくることを心がけています。
来年はセラピストだけで70名、他の業種も含めると90名くらいの採用を考えています。

実は一時期、マンパワーだけでなく設備やハードに頼ろうと考えたこともありますが、内装に1000万円しかかけていない店舗と、3500万円かけた店舗の売り上げを比べると、結局、かけてない店舗の方が良かったりするのです。
だからこそ「マンパワーで頑張ろう!」と、ますます思ってしまいます。あえて大理石を貼る必要はないのだな、と。初期費用が増えると、お客様からいただく料金も上げざる得ませんから。



今まで経営してきた中で「これだけは大事にしてきた」というものは何ですか?

やはり〝人〟ですね。それはそれで、裏切られたこともいっぱいありますが、基本的に一番大切なのは人で、その基本はやはり家族だと思うのです。
私は、家族を大切にできるからこそ、私の従業員も家族みたいに大切にできると思っています。

フェラーリ、ヘリコプター、旅行等には、ひとつひとつ理由がありました。使ったお金がいつかビジネスに帰結するからです。テレビCMにお金を使うよりも、同じ数千万ならば、フェラーリに乗っている社長ということで、テレビ番組に取り上げてもらうことのほうが数倍の価値があります。

周囲からはよく「物質的」と見られることが多いのですが、本当はモノより人。今後は、企業の枠を越えて後輩の教育・指導をし、モノより人が人生最大の財産と考え、夢を実現する人材を育てていきたいです。



最後に、読者であるベンチャー経営者や起業家にメッセージをお願いします。

経営者は誰しも「このようになりたい!」というイメージがあると思います。だからそのイメージにどれだけ強く思い描けるかが重要なことと思います。

みんなフェラーリを買いたいと思っていても、結局買えないという事実がありますが、私は20代でフェラーリを買い、30歳で家を買い、40歳でホテルを開業させるとか、自分の描いた理想を実現してきました。
しかし、それは決してただ平坦な道を歩いてきたのではありません。
ホテルを作るときも銀行の支店長に反対されましたが、ポリシーがあるから必ずお客様に受け入れてもらえる、そう思っていたからこそ自信をもって進められた部分はあると思います。

父親が昔、「楽をする道と苦労する道があって、苦労する方を選んだら晩年楽できる。」と言っていたのですが、今でもその言葉を信じて生きています。

皆様も自分の描いた理想を実現するべく、がんばってください。


KOSHIISHI’S NOTE ~インタビュー後記~

「想いにも‘質’がある」

自分自身をプロモーションする。
経営者やビジネスマンにとって、誰もが一度はその必要性を感じたことがあると思います。
自分自身をブランディング化し、その「個」そのものが付加価値となって経営やビジネスが円滑に進むことができれば、これ程楽しいことはありません。
部下をもつマネジメントにおいても「パーソナルブランド」はとても重要なファクターです。
それを、貞方社長はいとも間単にやってのけているように見えますが、その影には日々の努力が存在します。
表に出る派手さの裏で徹底したコスト意識と、先輩や仲間を大切にする人柄。そして、この人ほどご両親を大切にし、親孝行のために時間を使っている人を私は見たことがありません。
この派手なスター的な側面と、ビジネスに誠実に取り組む姿勢がうまく混在しているところが彼の本当の魅力です。

「夢は見るものではなく、叶えるものだ。私は人の何千倍も『成功したい』という強い‘想い’があるから、夢は必ず叶えることができると思っているんだ。」と、笑顔で言った彼の横顔が忘れられません。

誰でも成功したい。
しかし、その成功したい‘想い’にも‘質’があって、その想いの質に成功は比例するものなのだと、貞方社長から教えていただけたインタビューとなりました。



株式会社クライアントサイド・コンサルティング
代表取締役社長 越石 一彦

株式会社アルカサバ
代表取締役社長 貞方邦介


ホテル・飲食店・リラクゼーションスパ事業を経営し、インテリアデザイナー、経営コンサルタントとしても活躍。福岡から20代でフェラーリを買うことを夢に上京し、大学在学中に現在の会社を設立。
子供の頃からの夢だったホテルを、36歳の時熱海に「Relax Resort Hotel」としてオープンします。
カリスマ社長として、多くのTV・ラジオなどメディアに出演するかたわら、現在国内あらゆる企業、団体からセミナー、講演の依頼があります。

 

株式会社アルカサバ
東京都世田谷区池尻1-10-8 アルカサバハウス
http://www.alcazaba.co.jp/
講演依頼受付03-5779-0011(受付時間 11:00~20:00)
貞方邦介社長のブログはコチラ

越石 一彦 KOSHIISHI,Kazuhiko
株式会社クライアントサイド・コンサルティング 代表取締役社長
アントレプレナードットコム株式会社 取締役

 

史上最年少31歳で山一證券池袋支店の課長に就任。メリルリンチ日本証券を経て、株式会社クライアントサイド・コンサルティングを設立、代表取締役に就任。
現在、企業顧問として、現場の直接行動を劇的に変化させる実践論を中心に常時20社以上のベンチャー企業や上場企業の経営を支援。
また、アジア国際支援財団の評議員、函館大学非常勤講師も務める。「ビジネスで成功する決め手は、パーソナルブランド」(ゴマブックス)など著書、講演多数。

 

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