株式会社アルカサバ 貞方邦介 社長インタビュー 社長インタビュー|たまごが立たないコロンブスたちへ!

社長インタビュー たまごが立たないコロンブスたちへ!Vol.011

掲載日:2008年10月23日  社長インタビュー一覧
サービス業界の静かなる戦略家 株式会社アルカサバ 代表取締役社長 貞方邦介
つねに物事の本質を見極め、緻密な戦略を練ることで連勝街道を突き進む
ヘリコプターで山奥の蕎麦屋に行き、ブラックカードで高級車を衝動買いする。TVでおなじみのカリスマ社長 貞方邦介は、セレブと呼ばれる高所得者層の代表として世間の注目を浴び続けてきた。その派手な生活ばかりがクローズアップされがちだが、レストラン、エステ、そしてホテル経営にまで乗り出した卓越した手腕を持つこの経営者の本質は、「実は、フェラーリを買うことも宣伝の一部」という緻密な戦略と明確なビジョンにあった。これまで明かされていない貞方社長のビジネス手法について、その真髄に迫る。
たまごが立たないコロンブスたちへ!とは?

目指せば、社長は誰でもなれる時代…。
でも、社長には、必ず苦難の壁が立ちふさがります。そのような壁を乗り越え、輝く成功をつかみ取った社長たちの物語に、カリスマ顧問の越石一彦が鋭く迫ります。

聞き手 顧問 越石一彦

前回は、逆転の発想で思いついた「エグゼクティブパーティ」と、自分に投資することの
意義について語っていただきました。今回はいよいよ、飲食業界に打って出たお話を中心に伺います。「たこ焼き」、「夜お茶」、「ウェディング・パーティー」。貞方社長のヒストリーに迫ります。

そこに美味しいたこ焼きがある

たこ焼き屋を始めるにあたり、ノウハウはあったのですか?

全くありませんでした(笑)。すべて自分ひとりで試行錯誤しました。飲食業の経験則を得るにはそれが一番早いと思ったからです。
料理の経験が全くなかったので、たこ焼きに山芋を入れることも知らなければ、薄力粉と強力粉の違いもわかりません。水と粉の配分とか、火力の強さとか、タコの大きさとか、外側がカリッと中側はしっとりと焼くために、何十回もトライしました。
それから、美味しく焼くには技術も必要ですから、キリの扱い方や泡の立て方など、オープンの2~3ヶ月前に朝から晩まで寝ずにいろいろなことを研究しました。焼きすぎて、腕がつったことは何度もでした。
それで、学芸大学の商店街で5坪・家賃10万円のところで始めたたこ焼き屋は、初月で1ヶ月170万円売る店からスタートできました。

成功の秘訣は?と聞かれるのですが、味ももちろんですが、「うまくプロモーションをしたから」と思っています。まずは「そこに美味しいたこ焼きがある」ということをわからせないと、みんな買いに来てくれません。割引券を駅前で配ったり、新聞に折込チラシを入れたり、とにかく地元のお客さまに徹底的な周知を図りました。
それから、学芸大学という街を、その街に住んでいる人をとにかく調べましたね。西口は若い夫婦が多いとか、半径500mは女性の一人暮らしが多いとか。
学生パーティで女子大生を集めたり、ねるとんパーティでエグゼクティブを集めたり、もともと人を集める仕組みが得意でしたので、今まで何気なく身に付けたマーケティングで売れたと思います。
飲食は、味はいいのは当たり前で、プラスアルファで何をするのかが重要ではないでしょうか。


「貞方を追い出そう」と画策されました。

たこ焼き屋をきっかけに、次の事業が生まれていったのですか?

そうです。たこ焼き屋を続けていく中で「あ、貞方が飲食やっている」という噂が広まって、たこ焼き屋も上手くいっているし、ねるとんパーティも上手くいっているから、「こいつにレストランやらせたら上手くいくかな?」と思ってくれた人がいました。
そこで、共同経営で『ムーンチャイルド』というレストランを作ることになったのです。

私はお金を出さずにノウハウと人を提供し、共同経営者がお金を出してくれました。
保証金が3000万円で内装代が5000万円くらい、トータルで8000万円くらい。
たった25坪くらいのレストランでしたが、当時は珍しいオープンテラスで、シフォンケーキやカプチーノ・エスプレッソなどを本格的なイタリア製の珈琲メーカーで作っていました。
お酒に強くない女性が、夜中にあと1軒だけどこかに寄りたいと思ったときに行く店がない、そういう層を取り込めばうけるはずだ、と考えてました。
するとそのうち、イタリアンやオープンテラスが流行ってきて、夜にカフェオレやショートケーキを食べる「夜お茶」ブームが雑誌の“JJ”などに取り上げられて、女性客が増え、それに連れて男性客が増え、とにかくすごく繁盛しました。



そのまま順風満帆に進んだのですか?

最初は、本当に順風でした。1ヶ月に1700万円売り上げて、単純に700万円ほど利益が出たのです。たった、25坪のレストランから!
それを共同経営者と折半なので、350万円が自分に入ってきました。

でも、上手く行っている時には必ず落とし穴があるといいますが、1年半くらい経った頃に、共同経営者が「貞方のノウハウはもう十分だ」と、私が売上の半分を貰っていくことに不満を感じたのか、「貞方を追い出そう」と画策したのです。
当時は私が人件費を払っていて、もちろん店長にも給料を払っていたのですが、「今の給料を1.5倍にしてあげるから」と言って、私を裏切らせたのです。
そうすると、私が居なくともお店はまわるので、お金を出していなかった私は、結果的に追い出される形になったのです。結局、共同経営は1年半で終わってしまいました。


いつも波瀾万丈、上手くいってもギリギリ。

それでどうしたのですか?いきなり路頭に迷ってしまったのですか?

実はその当時、ねるとんパーティもたこ焼き屋も平行して続けていました。
「共同経営は長くは続かない」とう危機感をどこかで抱いていたのです。ですから、レストランで儲けた350万円を和食屋やディスコなど、次のお店に投資していました。

ある有名な社長さんが代官山にFLWという帝国ホテルを設計した建築家フランク・ロイド・ライトのイメージで作ったディスコがあり、そこが1年くらい手付かずのままでした。
今でいうクラブなのですが、天井が高く、厨房が狭いのでレストランや他の用途に転用できなかったのです。

でも私も夢を見ていて「かっこいい!」と思ったので、会員制のバーを開きました。
しかし、今度は全く上手くいかず、3ヶ月で1500万円くらい赤字を出してしまいました。従業員からも「もう止めましょうよ」と言われました。
でも、契約するときに2000万円払っているし、赤字の分を含めると3500万円
パーになってしまう・・・。それは厳しいと思って「大きな会場でできることはないか?」と、またも必死で考えました。



どのようなアイデアを思いついたのですか?

普通の飲食店は設備が不十分で合わないし、大箱のクラブはいまさら流行らないし、何か良い手立てはないか。
そこで思いついたのが、ウェディング・パーティー専門会場でした。
ちょうどその頃、リクルートからゼクシィが創刊され、オリジナル・ウェディングやレストラン・ウエディングが流行りだしていました。天井の高さや重厚感がウェディングをするのにはいいスペースだと閃いたのです。厨房が狭くて料理に適さなくても、ケータリングなどでカバーできる。
「地下でウェディングなんて・・・」と思うでしょうが、そこにキャンドルを敷き詰め、幻想的な空間を作り出すことで、薄暗い地下のイメージのデメリットをメリットに変えたのです。
それがまた当たりまして、九死に一生を得ることができました。



お話を聞いていると、成功の後には失敗があって、そして成功・・・その連続ですよね?

いつも波瀾万丈というか、上手くいったと思うと人から裏切られたり、このくらい売上があって良いなと思うと、結局みんな就職したり。
そんな繰り返しで、上手いっても、いつもギリギリなのです。


「ただ、寝るだけじゃない」と言ってしまえば、確かに寝るだけ。

人にサービスすることが大好きで、徹底していますよね?

そうですね。人が幸せにしている姿が大好きです。お客様がどうしたら喜んでくれるのかを常に考えながら、サービスを提供しています。
レストランやエステなどの次は、子供の頃から夢だったサービス業の集大成であるホテルと決めていました。4年前に、それを熱海に「Relax Resort Hotel」としてオープンしました。

ホテルについて改めて考えてみると、ただ泊まるだけとして、カプセルホテルに泊まれば3千円。ビジネスホテルだと7千円。だけど、ペニンシュラだと7万円するわけじゃないですか。どこも「ただ、寝るだけじゃない」と言ってしまえば、確かに寝るだけ。

広さが10倍だから10倍の料金を払うわけではないですから、サービスの対価として大事になってくるのが「付加価値」なのです。
その人が感じる価値は、カード会社のCMではないですけど、まさにプライスレス。

例えば、飛行機だってファーストクラスだったらヨーロッパまで130万かかるのに、エコノミーだったら8万円くらいで行けますよね。同じ飛行機なのに、と言ってしまえばそれまでです。
でも、ファーストクラスに乗れば、「貞方様」と名前で呼んでくれる。12時間のフライトだったら、夕食を今食べてもいいし、降りる直前に食べてもいい。好きなときに好きな物が食べられるし、お肉も「焼き方をどうなさいますか?」って聞いてくれる。
「そんなのに、100万円以上も払うの?」って思うかもしれませんが、ファーストクラスに乗る人にとってみれば、その価値が重要だと思います。



それは貞方社長の経営するホテルにも言えることですか?

もちろんです。私のホテルもたった13部屋しかありませんが、ファーストクラスみたいなサービスを提供しています。
実は、付加価値が高いことをやらないと勝てない、という信念があるのです。


経営者ならば誰もが経験する数々の危機を乗り越え、ピンチをチャンスに変えてきた貞方社長。ついにサービス業に携わる者ならば誰もが憧れる「ホテル業」に進出しました。次回は、貞方社長がこれまでの事業で培ったビジネスにおける「極意」や「思考」に迫ります!



【次号】第4回:人を使うのは面倒である反面、それを避けてはいけない。
もっと貞方邦介社長を知りたい方はコチラ


株式会社アルカサバ
代表取締役社長 貞方邦介


ホテル・飲食店・リラクゼーションスパ事業を経営し、インテリアデザイナー、経営コンサルタントとしても活躍。福岡から20代でフェラーリを買うことを夢に上京し、大学在学中に現在の会社を設立。
子供の頃からの夢だったホテルを、36歳の時熱海に「Relax Resort Hotel」としてオープンします。
カリスマ社長として、多くのTV・ラジオなどメディアに出演するかたわら、現在国内あらゆる企業、団体からセミナー、講演の依頼があります。

 

株式会社アルカサバ
東京都世田谷区池尻1-10-8 アルカサバハウス
http://www.alcazaba.co.jp/
講演依頼受付03-5779-0011(受付時間 11:00~20:00)
貞方邦介社長のブログはコチラ

越石 一彦 KOSHIISHI,Kazuhiko
株式会社クライアントサイド・コンサルティング 代表取締役社長
アントレプレナードットコム株式会社 代表取締役会長

 

史上最年少31歳で山一證券池袋支店の課長に就任。メリルリンチ日本証券を経て、株式会社クライアントサイド・コンサルティングを設立、代表取締役に就任。
現在、企業顧問として、現場の直接行動を劇的に変化させる実践論を中心に常時20社以上のベンチャー企業や上場企業の経営を支援。
また、アジア国際支援財団の評議員 議長、函館大学非常勤講師も務める。「ビジネスで成功する決め手は、パーソナルブランド」(ゴマブックス)など著書、講演多数。

 

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