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「知財管理」の書き方 第1回
ビジネスを知的財産権によって守るための方法

掲載日:2008/10/6

競合ひしめくマーケットで自社のビジネスを法律で保護することができれば、参入障壁を築くことができます。その一つの方法が特許権や商標権といった知的財産権を取得することです。でも、どんなビジネスにもこうした権利が認められるわけではありません。知的財産権で守れるもの、またそのためのポイントを解説いたします。


どんなものなら保護されるのか?

知的財産権の中でも自社のビジネスを強固に保護できる一つが特許権です。ここで、特許権で保護の対象となるのは「発明」です。この発明は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されています。ということは、素晴らしいアイデアであっても、単なる経済法則、人為的な取決め、人間の精神活動、情報そのものの提示といったものは「発明」とはならず特許されることはありません。また、発明であってもさらに特許されて保護されるためには、産業上利用できるものであって、どこにも公開されていない新しさがある、思いつきや組合わせが容易でない、発明内容に実施可能性がある、といった要件をクリアする必要があります。


ビジネスアイデアが特許されるまでの道筋は?

まずは、保護したい発明を記載した特許明細書を願書とともに特許庁へ特許出願(特許申請)します。ただし、単に特許出願しただけでは特許権は成立しません。出願手続とは別に「審査請求」という手続きを行います。これは、特許権を付与してもよいかどうか審査してもらうための手続です。その後の審査では、まずそのビジネスアイデアが「発明」かどうかを確認します。発明であると判断された後は発明の新しさ等の要件がチェックされ、要件を満たした場合には特許査定がなされます。こうして特許料を支払うことにより特許権が成立します。一方、要件を満たさないと判断された場合には反論することができ、反論が認められれば特許査定となります。


その他の知的財産権について

知的財産権には、他にも意匠権・商標権・著作権といった権利があります。意匠権は物品の工業デザインを保護対象とする権利です。また、商標権は、自社の商品や役務(サービス)に使用する名称・ロゴマークとしての文字や記号、図形等を保護対象とする権利です。アニメや映画、音楽といった、著作物、実演、レコード、放送等を保護対象とするのは著作権です。意匠権、商標権は特許権と同様、特許庁にて審査された後、所定の要件を満たす場合に発生する権利です。したがって特許庁への出願が必要になります。一方、著作権は、特に申請・登録する必要なく、創作された時点で権利が発生します。以降、特許権中心の解説となりますが考え方は共通です。


特許権を取得できた後は?

他社が特許発明を実施しようとしてもこれを排除することができます。つまり、その特許発明を自社で合法的にかつ独占的に実施することができ、マーケットの中に他社の参入障壁を築いたことになります。ただし、自社の特許発明が他社の基本発明に対する改良発明の場合には、互いに排他しあうので他社が有する基本特許部分をそのまま実施することができなくなることもあります。一方、特許発明を自社だけでは実施できない場合、他社に協力してもらって特許発明の実施を依頼する必要もあるかと思います。この場合には、協力会社に特許発明の実施を許諾することになります。このときに必要になる契約書については、3回目のコラムにて説明いたします。


もし自分の特許発明を勝手に実施されたら?

特許権を取得した後、第三者がその特許発明を実施していた。こんなときは、そのまま放置すれば、第三者にシェアを奪われ自社の売り上げが落ちてしまうかもしれませんので、第三者の実施を止めなければなりません。その場合には、まずは、相手方の実施するものが自社の特許権の権利範囲に入っているかどうかを改めて確認します。もし、権利範囲内とあれば、その第三者の特許発明の実施を止めさせるために、警告書を内容証明郵便にて相手方に直接送付します。この警告書の書き方については4回目のコラムで説明いたします。この警告書に対する回答によって対応が異なりますが、ライセンス供与、調停、仲裁、訴訟といった解決方法があります。


ガイドのポイント

■ビジネスで知的財産権を取得するためには所定の要件を満たす必要がある。

■知的財産権を取得したら、他人に勝手に実施させないようにすることができる。

■実施を許諾することもできる。


宇宙開発のエンジニアから知的財産を扱う弁理士に転進。現在は技術のわかる弁理士として出願手続きの代理に留まらず、企業の 『知的財産力』の向上をテーマにコンサルティング活動も行う。


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