まずは農林水産物の事例を取り上げてみたい。
和歌山県みなべ町の(株)紀州ほそかわの取り組みだ。
みなべ町は江戸時代から梅の産地として知られ、長年にわたって良質な梅干を出荷しつづけてきた。
実際「梅干の売上げは00年まで右肩上がり、その後も横ばいだ」と細川社長はいう。
どうやら依然として梅干の売上げは堅調を維持しているようだ。
が、梅干の売上げが増加する一方で、梅干を塩漬けにする際に生じる「梅酢」が大量に生じるようになったという。
「昔はそんなに余らなかったが、梅干の生産量が上がるとともに、梅酢が余るようになってきた。梅干同様の成分を持っているのだから、これをうまく活用できないものか」と考えた。
そこで、細川社長は梅酢の塩分を薄めるなどして、99年に梅エキスを完成させた。健康食品として売り出すと、健康ブームの追い風もあってアッという間にヒットした。
ところが、ブームが去るのもはやかった。「00年から売上げが伸び悩んでしまった。設備投資にもかなりの費用をつぎ込んだので、ほかの用途を探す必要があった」と。
そこで、細川社長は「人の体にやさしいのだから、動物の体にもいいのではないか」と、和歌山県養鶏研究所に梅エキスを持ち込んでみることに。
「試しにニワトリに与えてみたところ、そのニワトリが長生きした」という。
それがキッカケで、同社は和歌山県養鶏研究所と共同研究をスタート。
何度も実験を重ねながら、飼料の添加剤「梅BX70」を完成させた。
検査してみたところ、生存率や肉質の向上が見られることが判明したという。
すでに、梅BX70を使用した鶏肉や卵は「紀州うめどり・うめたまご」というブランドで販売されている。
また、養殖真鯛の飼料用原料財としての効果も検証中で、これもうまくいけば「紀州梅まだい」として売り出すことができるとか。
「古くから健康食として親しまれている梅干の副産物だから、安心・安全を保障できる。
これからは地域資源活用プログラムを利用して、ペットフードや健康食品など、新しい販路を開拓していきたい」と細川社長は話している。
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