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固体燃料で噴射する補助ロケット(SRB—A)。 その固体には導爆線と呼ばれるケーブルが張りめぐらされている。 その導爆線を束ねるのがCDFクリップ。 このクリップをつくっているのが従業員数わずか5人の三栄産業(株)(東京都目黒区)だ。
CDFクリップはもともと金属製、それをプラスチックに転換したのは同社の功績だったという。そのためコスト安と軽量化に貢献できたそうだ。 思いついたのは、熟練工のひとりである影山さん。 従来の米国産クリップの図面を見て「金属製で、絶縁にフィルムコーティングしてある。随分コストがかかっている」と分析。
そこで、影山さんはポリカーボネート樹脂を使って、クリップの試作に取り組むことに。 その数は30種以上になったという。
こうして、ようやく完成したクリップは透明なプラスチック製で幅30ミリ、高さ5ミリというもの。 「完成してみると、自分でもあきれるほど簡単だった。材質も形状も特別なことはなかった。開発とはこんなものかなぁ」と影山さんは笑う。
が、出荷する際の検品には細心の注意を払っているそうだ。 「どうしても製造時に針の穴ほどの気泡が入り込んでしまうことがある。どんなに小さな空気の穴でも、宇宙空間では膨張してしまう可能性があるから、絶対に空気が入ったクリップを出してはいけない」と。 だいたい製造時に全体の1割程度のクリップに気泡が入ってしまう。 それをひとつひとつ丁寧に選り分けて納品しているそうだ。
同社はクリップひとつで、独自の地位を獲得した。 まさに、航空宇宙産業界にあって、ニッチトップというべき会社である。 |