[トップインタビュー最終回]

いいコミュニケーションができれば、女性の社会復帰もうまくいく!

2013/3/6

株式会社メリディアンプロモーション
代表取締役 牛窪万里子

インタビュアー:越石一彦、構成:木村俊太

ちょっとした練習で会話は上手になれる

フリーランスの女性アナウンサーたちの仕事を管理する株式会社メリディアンプロモーションを経営する牛窪万里子社長。彼女はサントリーで働いていた時、プレゼンテーションをはじめ人前で話すことに苦手意識を感じていたという。その苦手を克服すべく、アナウンススクールに通うとめきめきと上達し、NHKのアナウンサーに転職。その後、独立起業して現在に至っている。初対面の一般人にインタビューをする番組を長年担当してきた経験から身につけたという、初対面の人でも思わず本音を言ってしまう会話術とは。また、会話トレーニング法や女性が働きやすくなるためのコミュニケーション術などについて語っていただいた。

世代間コミュニケーションは相手を認めてあげるところから

――前回、御社のアナウンススクールに通う方は女性の比率が圧倒的に多く、その理由の一つに、女性が社会で活躍する場が以前よりも広がっているというお話がありました。一方で、出産などで一度、家庭に入られた女性が、再度、仕事に復帰するという道はまだまだ開けていないように思います。働く女性として、女性の社会復帰についてはどのようにお考えでしょうか。

受け入れる企業の問題とか、保育園などの社会全体のシステムの問題が大きいとは思いますが、そこを変えていくのも、まずは家庭に入った女性たちが自ら働く意思を示すことからだと思います。

もし、働きたいのに自分からちゅうちょしているとしたら、もったいないですよね。私の友人たちにも専業主婦は多いのですが、話をするとどうしてもお子さんの話ばかりになってしまいます。ご家庭でご主人と話す会話も、お子さんのことばかりなのではと思ってしまいます。

お子さんの話はとても大切ですが、やはり毎日そればかりではどうしても視野が狭まってしまうことがあります。

――ご主人も、たまには自分の仕事の話を聞いてほしいでしょうし、理解していいアドバイスをもらえたりしたらうれしいと思います。

そうですよね。また、家庭にこもり切りだと、ストレスがあったとき、発散する場がないと思うのです。仕事をすることで、家庭や子どものストレスがあっても、自分自身をリセットすることができると思います。

――社会にとっても、働くお母さんという人材はとても貴重で重要です。企業に新たな視点を入れてくれますし、過去に一度働いている経験がある人がほとんどですから、即戦力になります。子どものため、家族のためという、仕事へのモチベーションも高いので、一生懸命働いてくれます。ただ、仕事というものがよくわかっているため、かえって「自分は対価に見合うだけの価値を提供できるだろか」と考えすぎて、二の足を踏んでいる人も多いと聞きます。

考えすぎなところもあると思います。ひとつだけアドバイスをすると、時代とともにシステムも変わっていますし、会社の環境も違っています。例えば40代であっても、新入社員として入るからには20代の人に教えてもらわなければならないこともあると思います。歳が上だというだけの変なプライドは捨てて、低姿勢で接することが重要です。

もちろん、自分の経験から、若い人たちに教えてあげたいことも出てくるでしょう。そのようなときに、「若い人とどんなコミュニケーションを取ったらいいかわからない」と思う人もいるかもしれません。

でも決して戸惑うことはなく、若い世代は今、どんな事に関心を持っているのか、どのような考え方をするのかという好奇心をもって接すると、コミュニケーションも取りやすくなると思います。また 20代の方も30代、40代、あるいはそれ以上の人たちを自分自身の将来のシミュレーションとして見ているところがあります。ですから、これまで培ってきたキャリアに自信を持って、輝きを見せることが大切だと思います。

――普段のコミュニケーションも大事になってきますね。

そこが一番大事と言ってもいいでしょう。世代が違うからと壁を作るのではなく、例えばランチを一緒にするなどして、仕事以外の時間を共有するのも良いでしょうね。信頼関係が出来れば相談されることも増えると思います。最初は仕事を教えてもらう立場でも、頼られる存在に変わっていくことと思います。

――会話の技術として、何かいいアドバイスはありますか。

年下だけでなく、上司に対しても使える方法ですが、「相手の自己重要感を認めてあげる」というものがあります。自尊心を尊重してあげるわけです。苦手なタイプ、難しい相手ほど効果があります。

人間は、自分が誰かの役に立っているという実感がないと生きていけないのだそうです。この「誰かの役に立っている」という実感が「自己重要感」です。

ですから、まずは朝のあいさつから始まって、「ありがとう」「助かりました」など感謝の気持ちを伝えるだけでも違ってきます。「あの人は自分の存在を認めている」「自分はあの人に頼られている」という実感が伝われば、相手もあなたに心を開いてくれるようになるでしょう。

グループランチでの会話で価値観のすり合わせができる

――アナウンススクールに来られる女性の方は、主にどういうことに悩まれて通われているのでしょうか。

人それぞれではありますが、やはり上司とのコミュニケーションを円滑にしたいという希望で通って来られる方が多いように思います。プレゼンが通らないとか、上司との会話が続かないとか。言いたいことがあるし、それを伝えたいのにうまく伝えられないという悩みが多いです。

――コミュニケーションを取りたい相手は男女どちらが多いのでしょうか。

部下の女性が、男性の上司に自分の企画などをアピールしたいというケースが多いかと思います。

――男性の上司とのコミュニケーションは、例えばどのようなアドバイスをされるのでしょうか。

やはり、相手が「自己重要感」を感じるようにすることが大切なので、まずは上司を立てることをおすすめします。嫌だなと思う上司、苦手だなと思う上司でも、まずは立てる。そして、普段からなるべくいろいろな話をして、お互いに価値観のすり合わせをしていくようにとアドバイスします。

自分の意見を主張したいときでも、まずは相手の考え方を尊重して、その上でお互いの考えを言い合うようにするわけです。

逆に上司の側から言いますと、部下を大勢の部下のなかの一人として扱うのではなく、個人として尊重してあげることが大切だと思います。

――例えば、腹を割ったコミュニケーションの手段として、男性どうしであれば飲みに行くという方法があるかと思いますが、男性と女性の場合、飲みに誘うというのは難しいかと思います。何かいい方法はありますか。

例えば、男性の上司と女性の部下であれば、何人かのグループで飲みに行くという方法もありますね。夜が難しければ、ランチでいいのではないでしょうか。また女性の場合は、お店の雰囲気も大切です。オシャレで美味しいお店を開拓しておくことをお勧めします。最後のお勘定も、その日ばかりはがんばってください。(笑)

――最後にメッセージをお願いします。

いま、30代から40代のいわゆるアラフォー世代をターゲットにした商品や雑誌なども多く出ています。私もその一人ですが、このバブル世代は「美魔女」という言葉に象徴されるように非常にパワーを持っています。

私のまわりでもチャレンジ精神旺盛な仲間が数多くいます。この世代の女性たちが、いまの社会を元気にする火付け役になってほしいと思っています。そのためにも自分なりに社会に貢献できる何かを見つけ出し、勇気をもって社会復帰し、輝き続けて欲しいと思います。コミュニケーション力さえ身につければ、恐れることは何もありません。

――ありがとうございました。

インタビュアー:越石一彦、構成:木村俊太

投稿日:2013年3月6日
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