表書きを丁寧に書いて愛されるおもてなし年賀状に
最近はメールやSNSなどでの新年の挨拶が一般的になり、年賀はがきでのやり取りは見られなくなって来ました。時間を作り心を込めて書いた年賀状は電子メール等で届く活字では伝えられない、特別感と日頃の感謝の気持ちがこもっている様な気がします。
それが手書きだったら尚更相手の方にきちんとした人柄として良い印象を持って頂き新年を迎えられるでしょう。
今回の講座ではお仕事関係の方にお送りする感謝の年賀状から親しい友人、ご無沙汰していた方へのご挨拶年賀状まで、
気持ちが伝わるおもてなし年賀状の書き方をご紹介致します。
ビジネス年賀状表書き例
先ず、お仕事関係の方へお送りする年賀状のポイント。
会社名や役職などが加わるためどこに書けば良いのか迷ってしまいますが、覚えてしまえばどんなシチュエーションでも応用が利くので
下の図を使ってご説明していきたいと思います。
また通常は裏面が横書きなら宛名も横書きにすることが多いのですが、改まった年賀状の場合には、正式な縦書きにしましょう。
(1)書き始めの位置は郵便番号枠の右端から下です。
郵便番号があれば市区町村まで省略出来ますが、省略せず全て入れた方がより丁寧さが伝わります。
(2)縦書きの場合、番地などの数字は漢数字を使いますが、
「一」「二」「三」などは分かりにくいので番地が１１なら「一一」にせず「十一」と書きます。
(3)「様」を書く場所よりも、住所の書き終わりが下がらない様にします。
長くなりそうな時は、区切りの良い所で改行し、隣よりも一文字以上下げて書き出します。ビル名は少し小さめで書くとバランスが取りやすくなります。
(4)会社名は住所より一文字半ほど下げた所から書きます。
社名の上に「株式会社」などがつく場合、社名よりも一回り小さく書きます。（株）と略しません。また、社名の下に「株式会社」がくる場合は、社名と同じ大きさで書きます。
(5)部署名は会社名より少し下げて一回り小さく書くのが一般的ですが同じ大きさでも構いません。会社名だけでなく部署名、担当者まで記した方がスムーズに相手方に届きます。
(6)役職は氏名の上に一回り小さく、一行か二行に分けて書きます。
一行→「部長」「課長」「係長」「チーフ」「理事長」「監査役」など
二行→「代表、取締役」「取締役、社長」「代表取締役、社長」など
(7)宛名の氏名は、はがきの中央に位置する様にやや大きく書きます。名字と名前の間の余白については氏名の文字数が
四文字以下の場合１文字程余白を空けて書き、四文字以上の場合は余白を揃えて書きます。
又、「様」は氏名の下に一文字半ほどスペースを空けて氏名よりも少し大きく書きます。
(8)差出人の書き出しは宛名に近づきすぎない様に配置して、会社名、部署名、肩書きは自分の氏名より小さく書きます。
又、電話番号も一緒に書いておくとビジネスにおいてスムーズにいきます。差出人の郵便番号も忘れず記入しましょう。
(9)官製年賀はがきでない場合切手の下のあたりに「年賀」と朱書します。
書かずに出すとお正月よりも前に先方へ届いてしまう事があります。
(10)文字の大きさはだいたい
様＞届け先の氏名＞会社名＞届け先住所＝役職＝送り主の氏名＞送り主の住所
が基本です。
敬称についての注意点
・「○○社長殿」など役職に付けることもありますが、敬称が重なるので、「社長○○様」にしましょう。会社でなく、個人名宛にする場合は「様」です。
・「○○会社御中 ○○様」と書いてしまうと個人宛でもあって会社宛てでもありどっち付かずになってしまいます。「○○会社 ○○様」と書き、会社名を宛名にするなら「御中」を使いましょう。
・送り先が複数の団体、会なら「各位」にします。
・医者や先生が送り先なら「様」にかわり「先生」でも可能です。
誰にでも使える基本の年賀状表書き例
(1)郵便番号、住所、マンション名をビジネス年賀状と同様、長くなるようであれば改行し、漢数字の読み易さに注意して記します。
(2)「様」が一番大きくなるようにして、宛名をはがきの中央にバランス良く書きます。
(3)差出人の住所は年賀朱書きの下へ収まる様に書き、郵便番号も忘れない様にしましょう。
又、自分の氏名は住所よりやや大きめにします。家族の氏名は並べて書いても失礼にあたりません。裏面に差出人の住所等を記載した場合、省略は可能です。
次回は裏面の基本を学んで愛される年賀状についてのご説明です！
