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第1回 確定申告とマイナンバー制度の関係は?

著者:小林奈緒税理士事務所 代表  小林 奈緒


確定申告の概要とマイナンバー

いよいよ2016年。今年1月からマイナンバーの利用が開始されました。マイナンバーが国民の生活に関わるということは皆さんも感じているかと思いますが、税金の分野、とくに確定申告にはどのような影響があるのでしょうか?
今回は初めて確定申告をする個人事業主の方向けに、これから4回にわたって確定申告の概要とマイナンバー制度での注意点についてお話しさせていただきます。

確定申告とは?

所得税は私たちの生活にとても身近な税金ですが、「確定申告」という言葉を聞くと「なんだかむずかしそう」「自分には関係ない」と思われる方も多いようです。
所得税は、毎年1月から12月までに得たすべての所得を計算して、原則翌年2月16日から3月15日の間に申告・納税しなければなりません。これが確定申告です。ですが、会社員の方で給与以外に所得がない方などは、会社が年末調整で一年分の税金を精算してくれますので確定申告は不要です。

確定申告をする必要がある場合

確定申告が必要なのは、おもに以下のような方です。

①給与の年間収入が2,000万円を超える方
②給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与収入と、給与等以外の所得金額の合計が20万円を超える方
③給与を1カ所から受けていて、給与・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える方
④公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いた結果残額がある方(公的年金等の収入金額が400万円以下は確定申告をしなくても良いことになっています)
⑤事業を行ったり不動産賃貸収入がある方などで、計算の結果所得税が0円でない方

確定申告をするとお得な場合

会社員で年末調整では対応できなかった所得控除がある場合などで、給与等から源泉徴収された税金が実際よりも納め過ぎになっている時には、確定申告により税金の還付を受けることができます。
給与所得がある方は、次の例にあてはまるようでしたらぜひ確定申告をしてみましょう。

①多額の医療費を支出したとき
②ふるさと納税等、特定の寄附をしたとき(ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用の場合は確定申告不要です)
③住宅ローン控除を初めて受けるとき

マイナンバー制度と確定申告

マイナンバー制度は当面の間、①社会保障(年金・雇用保険・生活保護等)、②税(税務署提出書類等)、③災害対策(被災者生活再建支援金の支給等)の3分野でのみ利用することとなっています。
個人の方が「税」の分野でマイナンバーを利用する代表的なものとしては、確定申告があります。法人の場合、税務署へ提出する書類には「法人番号」という13桁の番号を記載しますが、個人事業主にビジネス用の番号が振られるということはありません。確定申告書にはご自身の個人番号(マイナンバー)を記載することになります。

マイナンバーを確定申告で利用するのはいつから?

マイナンバー制度は2016年1月に本格運用となりましたが、実際に番号を利用開始する時期は行政により異なっています。税務署に提出する確定申告書については2016年分のもの、つまり2017年2月16日から3月15日までの確定申告に初めて自分のマイナンバーを記載することになります。来年ですね。
ただし、開業した際や青色申告を行うために税務署へ提出する「開業届出書」「青色申告承認申請書」などの書類は、2016年に提出するものからマイナンバーの記載が必要なので注意しましょう。

今回のポイント

ポイント(1) 確定申告は必要な場合だけでなく、するとお得な場合もあります

ポイント(2) 確定申告でマイナンバーを記載するのは2017年の確定申告時期から!

ポイント(3) 2016年から開業等で税務署に提出する書類は、マイナンバー記載が必要です

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著者プロフィール

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小林 奈緒

小林奈緒税理士事務所 代表

システムエンジニアや業務コンサルティング、企業の経理担当等の経験を経て税理士へ。
起業前後のサポート、小規模法人や個人事業主の決算・節税対策のほか、
業務効率化の取り組みに力を入れており、好評を呼んでいる。

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