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第1回 最悪な状況にこそ、使いこなしたい文章力

著者:株式会社グロウス・カンパニー・プラス 代表取締役  山岡 仁美


まずは、ビジネスライティングの基本ルールが欠かせない

顛末書・始末書・反省文を書くには、まず文章術を身につける必要があります。
顛末書・始末書・反省文だからといって特別な日本語があるわけではありません。基本的な構成やルールは、ビジネスライティングと大きく違いません。

しかし、主旨をわかりやすく且つ正確に伝えなければならないという役割のために、過度な修飾語を省く、事項を箇条書きにまとめる、適切な陳謝の言葉、などのポイントをおさえることが欠かせません。

また、顛末書・始末書・反省文では、個人の立場の場合も、会社や組織としての文書としている場合もあることを念頭に置いて、より慎重に言葉を選ぶことも必要です。
日頃、身近な上司や親しくしている取引先の担当者に対しても、顛末書・始末書・反省文を出す場合は、改まった表現をします。

「使用するツールが間違っている」は通用しない

インターネットの普及で、電子メールによるやりとりが頻繁に行われる昨今です。もちろんファックスもビジネスシーンで日常的に使われています。
メールやファックスが、日常業務で欠かせないものになる一方、手書きのハガキや一筆箋も使われ、このようなアナログで暖かみの伝わるものもツールとして活用されています。
また、ハガキにパソコンで作った文書を印刷することも容易にでき、はがきの使い途も広がっています。
このように、コミュニケーションツールが多様化したことで、より自由に、且つ手軽に行うことができるようになりました。これはビジネスパーソンにとって歓迎すべきことです。

しかし、顛末書・始末書・反省文においては、メール文・ハガキ・一筆箋は不適切です。
社内箋やA4紙1枚程度の「手紙」が基本になります。

言い回しを常用する!記録性を高める!仕事を発展させる機会!

顛末書・始末書・反省文で使いこなしたい言い回しで、文書を引き締めることも重要です。
例えば「つきましては」「まずは」「取り急ぎ」などの言葉を使いこなせていますか。このような慣用表現は、文書にメリハリが出る効果があるばかりではなく、顛末書・始末書・反省文において常識のひとつです。
さらに、「文書番号」をつけるのが常識です。陳謝やお詫びの場面では、ともすると電話や口頭ですまされる連絡などもありますが、あらためて文書にすることが、より信頼度を高めます。
それは、内容の正確さや真意を示すとともに、証拠として残すためでもあります。つまり、文書番号は、顛末書・始末書・反省文を出す事態になったときに、その経過と節目を整理・保管するための重要な位置づけになるのです。
顛末書・始末書・反省文は、その後の仕事や関係を円滑に進める機会として、捉えることができるのです。

状況や事態の深刻度によって使い分けが必要

その基本構造は一般の文書と変わりません。まずは、「拝啓」などの頭語から始め、時候の挨拶、取引に関する挨拶文、主文で用件を伝え、末文、結語で締めくくります。
しかしその一方で、顛末書・始末書・反省文だけに当てはまるポイントや書き方があります。なぜなら、顛末書・始末書・反省文での目的は、「仕事を発展させる機会」だからです。

たとえば、ビジネスライティングとしては、記書きとして、要点を箇条書きで示す書き方も習慣化していて、発信日時や受信者名(宛名)や発信者名を冒頭にもってきます。しかし、顛末書・始末書・反省文の場合は、件名を省略したり、発信日時や受信者・発信者名は本分の後に起くここともあります。これは、ビジネスライティングではなく、一般的な手紙の書き方であり、陳謝や反省の感情や意向が伝わりやすいために、状況や事態の深刻度によって使い分けられています。

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著者プロフィール

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山岡 仁美

株式会社グロウス・カンパニー・プラス 代表取締役

航空会社勤務を経て、コンサルティング会社で人材開発事業部のマネージャー職から企業研修部門の統括部長までを務め、1,000社ほどのコンサルに携わった後、独立。年間登壇数200超の人気講師でもある。

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