最も伝えたい重要なメッセージを簡潔に一文で表す
今やあらゆるビジネスシーンに欠かせない資料。日々多くのビジネスパーソンが、資料作りに追われている現状があります。そんな中、当たり前の作業として機械的に作っていると忘れがちになるのが、メッセージです。統計データや集計グラフなどを一生懸命揃えるだけで、肝心な「それで何を言いたいのか」という主張を忘れてしまっている資料は意外にも多いものです。営業でもセミナーでも相手に物事を伝えるということは、いわばプレゼンテーションですから、そこで最も伝えたい重要なメッセージを簡潔に導き出さなければなりません。まずは、資料の一番上にメッセージを掲げることから資料作りはスタートします。
主観的な自分の考えをしっかりと持たなければならない
資料のメッセージは、主観でなければなりません。つまり、自分で考えた自分なりの答えと言うことです。しかし、今はそれがなかなか難しい状況にあります。昨今、インターネットの普及を軸に世の中は情報で溢れかえっています。ネット上には、様々な言葉の定義や事例紹介、統計データなどが存在しています。するとビジネスにおいて資料を作る際、そうした情報の中から画期的で信頼性のあるものを探し当て、引用することだけに一生懸命になりがちになってしまいます。しかし、ネット上の情報はあくまでも客観的な材料にすぎません。そこから導き出す自分なりの主観がメッセージになりえるのです。そのことをしっかり認識しましょう。
主観であっても主語は「相手」でなければならない
今、メッセージは自分なりの主観であると言いましたが、ここでもう一つ気をつけなければならない点があります。それは、主語は必ず「相手」でなければならないということです。営業やセミナー資料において「私は○○ができます」「私の○○が最大の特徴です」といったように自分が主語になっているケースを非常に多く目にします。しかし、資料の内容は相手にありがたみを持って受け止められて、はじめてそこに価値が生まれます。したがって、相手がどう変わるのか、相手に何が手に入るのかを明確にした「相手」主語のメッセージでなければなりません。
重要なメッセージを証明するための根拠を説明する
資料作りにおいて、最初に相手主語の自分の主観をメッセージとして打ち出したら、それを証明するための根拠が自然と必要になるはずです。「なぜ、そうなるのか?」「なぜ、それが手に入るのか?」という疑問が生まれてくるはずですから、当然それに答えるだけの説明をしなければなりません。これがプレゼンテーション、そして資料作りの流れの基礎の基礎となります。そして、この主観を裏付けるための説明にこそ統計データや集計グラフなどの客観的情報を活用すれば良いのです。大事なことは、この主観と客観のコントラストです。それぞれの役割と本質を常に意識することが、資料作りの第一歩となるのです。