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第1回 伝えるべきメッセージを明確にしてから作り出す

著者:株式会社ナレッジステーション 代表取締役  伊藤 誠一郎


最も伝えたい重要なメッセージを簡潔に一文で表す

今やあらゆるビジネスシーンに欠かせない資料。日々多くのビジネスパーソンが、資料作りに追われている現状があります。そんな中、当たり前の作業として機械的に作っていると忘れがちになるのが、メッセージです。統計データや集計グラフなどを一生懸命揃えるだけで、肝心な「それで何を言いたいのか」という主張を忘れてしまっている資料は意外にも多いものです。営業でもセミナーでも相手に物事を伝えるということは、いわばプレゼンテーションですから、そこで最も伝えたい重要なメッセージを簡潔に導き出さなければなりません。まずは、資料の一番上にメッセージを掲げることから資料作りはスタートします。

主観的な自分の考えをしっかりと持たなければならない

資料のメッセージは、主観でなければなりません。つまり、自分で考えた自分なりの答えと言うことです。しかし、今はそれがなかなか難しい状況にあります。昨今、インターネットの普及を軸に世の中は情報で溢れかえっています。ネット上には、様々な言葉の定義や事例紹介、統計データなどが存在しています。するとビジネスにおいて資料を作る際、そうした情報の中から画期的で信頼性のあるものを探し当て、引用することだけに一生懸命になりがちになってしまいます。しかし、ネット上の情報はあくまでも客観的な材料にすぎません。そこから導き出す自分なりの主観がメッセージになりえるのです。そのことをしっかり認識しましょう。

主観であっても主語は「相手」でなければならない

今、メッセージは自分なりの主観であると言いましたが、ここでもう一つ気をつけなければならない点があります。それは、主語は必ず「相手」でなければならないということです。営業やセミナー資料において「私は○○ができます」「私の○○が最大の特徴です」といったように自分が主語になっているケースを非常に多く目にします。しかし、資料の内容は相手にありがたみを持って受け止められて、はじめてそこに価値が生まれます。したがって、相手がどう変わるのか、相手に何が手に入るのかを明確にした「相手」主語のメッセージでなければなりません。

重要なメッセージを証明するための根拠を説明する

資料作りにおいて、最初に相手主語の自分の主観をメッセージとして打ち出したら、それを証明するための根拠が自然と必要になるはずです。「なぜ、そうなるのか?」「なぜ、それが手に入るのか?」という疑問が生まれてくるはずですから、当然それに答えるだけの説明をしなければなりません。これがプレゼンテーション、そして資料作りの流れの基礎の基礎となります。そして、この主観を裏付けるための説明にこそ統計データや集計グラフなどの客観的情報を活用すれば良いのです。大事なことは、この主観と客観のコントラストです。それぞれの役割と本質を常に意識することが、資料作りの第一歩となるのです。

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著者プロフィール

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伊藤 誠一郎

株式会社ナレッジステーション 代表取締役

プレゼンテーション講師。伝えることが苦手な会社員や起業家に対してセミナー、研修、個別指導を通じて簡潔で分かりやすいプレゼン方法の指導を行っている。2013年6月に著書「バスガイド流プレゼン術」を刊行。

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