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あなたの企画提案を輝かせるための “企画書のミガキ方”

著者:   林田 浩一

何らかの企画書を書く、あるいは企画提案を行うとき、あなたはその先にいる受け手のことを常に意識していますか?

あなたの企画提案が相手に受入れてもらえるか否かは、提案内容と同じくらいに『受け手側の印象』という視点の有無が重要です。

これから、『受け手側の印象』を意識した企画提案について考えてみましょう。


企画提案は、物語と “この指とまれ!”

映画、ディズニー、スーパーブランドと呼ばれるもの、一見バラバラなこれらには『その物語が見えた人々が夢中になる』という共通点があります。我々の企画提案や企画書においてもこれは同様であり、企画書がいつのまにか計画書に化けてしまわない為にも、意識しておかねばならないヒントが含まれています。

企画提案は、受け手に行動を起こしてもらうのが狙いですから、“○○する人、この指とまれ!” と指を掲げることが基点となります。“○○”(企画コンセプトとベネフィット)の魅力を最大限化し、更に受け手へを惹きつける為の表現方法に知恵を絞る必要があるのは、子どもの遊びでも我々のビジネスでも同じことなのです。

ビジョンへの共感が成否への最初の一歩。

“○○する人、この指とまれ!”と掲げた“○○”の部分(企画提案内容)を受け手に魅力的に感じてもらう、欲をいえば夢中になってもらう為には何が必要でしょうか。重視すべきキーワードの代表が、あなたの提案内容に対する『受け手の共感』です。これに対し、我々ができることのひとつに『ビジョンを語る』ということがあります。

『ビジョン』と構えると難しく感じるのであれば、『企画の背景』部分に共感してもらう、という考えでも良いと思います。ここでは、『何をするのか』以上に『何故するのか』を重点的に語り、更にその結果『何が起きるのか』を提示することで、企画提案へのストーリーを受け手に感じてもらうという狙いです。

『企み』の手掛りは、受け手の経験にあり。

新規事業開発にせよ、商品開発にせよ、企画提案が受入れられた時点でプロジェクトがスタートする、という考えは危険です。受け手にとっては、あなたの企画提案や企画書を初めて眼にした瞬間から、そのプロジェクトの『経験』が始まっています。まずは『ビジョンを語る』ことで、第一印象からプロジェクトの世界観へ受け手を引込み、共有してもらう。

次に、企画提案を通じて訴求するコンセプトの本質と売りは何か、そしてそれが受け手に判り易く、価値のあるワクワクするものとして伝えるには何が最適か、という細部へ。あなたは企画コンセプトを整理し、受け手に望む反応を得る為の『企み』を、企画提案に潜ませなければなりません。

魅力を伝える『企み』の道具選びは慎重に。

企画提案や企画書に潜ませる『企み』が功を奏するには、受け手のことを出来るだけ多く知ることが、企画内容の質と同じくらい重要です。受け手側の状況を含め、あなたの企画提案を取巻く条件に応じて、企画のコンセプトや『売り』の部分を訴求する為の、最適な伝え方も変わってくるからです。予想される条件下で、あなたの企画提案の魅力が最大限に伝わるのは、本当に 企画【書】でしょうか?

もしかすると、ぱっと見は企画書らしくない、シーンが目に浮かぶショートストーリーのようなものであるとか、姿形や機能などが体験できるモデルといったものの方が、はるかに効果的かも知れません。受け手に合わせて『道具選び』は慎重に、です。

そして、The God is in the details ・・・

このときに、ページの内容と共に『見た目の印象を調整する』、ということも気にしてみて下さい。“たかが見た目”の印象で、企画提案そのものへの信頼感まで疑われる、というリスクは避けねばなりません。会社のレターヘッドのように、ブランドイメージの反映を考慮したスライド・マスタを下敷きに、見易さや判り易さを念頭におきつつ各ページのコンテンツを作成することで、全てのページを通しての統一感に注意します。
成功の為には、細部まで手抜かりなく気配りを。

ガイドのポイント

  • 物語性や世界観は、エンターテイメントにも企画提案にも共通のキーワード。
  • 企画の売りを受け手の経験へ。“企み”を組立てよう。
  • “たかが見た目”で失敗せぬよう、細部まで気配りを。

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著者プロフィール

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林田 浩一

インダストリアル・デザイナー(カーデザイン)を振出しに、現在は中小企業の 『デザイン活用による独自ポジションの獲得』をテーマに、商品開発ならびにデザイン コンサルタントとして活動中。

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