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第2回 正しいフォームを選択しよう!

著者:弁護士法人あすなろ 弁護士  池田 直樹


キーワードの特定と組み合わせが重要

契約書式を探すために大切なことは、何をする契約かを考えて、キーワードを見つけることです。物の売り買いなら「売買」。あとは「対象物」で、たとえば「物品」をつけ加えると、ほら、簡単ですね!

業務の性質による区別

ではサービスの売り買いはどうでしょう?サービス契約には、「雇用」「請負」「委託」があります。雇用はサービスの提供者を指揮監督します。請負は作業者が独立して仕事を完成させます。委託も業務を独立して行いますが、業務の完成を目指すのではなく、能力のベストを尽くす契約です。
たとえばデータ入力作業はパートの雇用か、外部請負ですが、コンサルティングは委託契約になります。業務の「性質」で区別することになります。

継続的関係の場合

1度の関係ではなく、継続的な関係を続けるときに使う契約は、「基本」や「継続」がキーワード。親契約で基本的なルールを決めておいて、個別の取引(子契約)については簡単なメモや注文書などで済ませる手法です。最近、長年の取引関係が突然終了する場合のトラブルが増えていますので、基本ルールを書面化することが重要です。仕様を指定した特注品を製造し供給してもらう場合が多いので、売買と請負の中間的な「継続的取引契約」がよく使われています。

書式選択の注意点

かつて衣料品のメーカーから小売店への売買契約が通常の売買か、委託売買かが争われたケースを担当しました。委託売買は商品を預かって売る努力をする委託契約ですから、売れなければ返品できます。通常の売買なら売れ残りは買主のリスクですから、大変な違いですね!

委託というたった2文字で全く逆の結果になるので、選択した書式の点検とカスタマイズがとても大事なことがわかります。

まとめ

①契約のキーワードを目的と対象から特定する
②契約の対象業務の特徴的な性質を見極める
③長期関係には、基本契約や継続的契約を活用する
④選択書式を誤ると思わぬ結果を生むことがあるので点検とカスタマイズを

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著者プロフィール

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池田 直樹

弁護士法人あすなろ 弁護士

1961年愛媛県生まれ。87年大阪で弁護士登録。93年ミシガン州弁護士。あすなろ法律事務所パートナー。中小企業法務を中心としつつ、社会起業家やNPOの支援など公益活動にも力を入れている。

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