事業資金の資金調達に必要な書式の書き方ガイド

第4回 会社の業績が悪化している場合は「経営改善計画書」を作成しよう

2012/7/30

株式会社 MMコンサルティング
代表取締役 上野光夫

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金融機関に対して「今後の経営改善策」を伝える

最近は景況悪化の影響で、経営状態が厳しい企業が少なくありません。「決算書」も赤字とか、債務超過(貸借対照表で負債が資産を上回っている状況)になっていることもあります。
金融機関は、取引先それぞれについて、「信用格付」や「債務者区分」といわれるランク付けを行っています。「決算書」の数字が厳しいと、低いランクになってしまい、融資を受けられる確率も低下してしまいます。
しかし、「経営改善計画書」を提出して説明することで、融資を受けられる可能性は出てくるのです。また、融資は難しくても、「リスケジュール」と呼ばれる、返済金額の減額や元金の据え置きといった方法をとってもらえる可能性があります。

まずは業績が悪化した要因を分析して記載する

この書式はあくまで例であり、すべての企業に合致するものではありません。それぞれの企業の実態に合わせて、カスタマイズして作成する必要がありますが、基本的な構成や記載内容については非常に参考になると思います。
最初に記載するのは、「経営の概況」にあるように、企業の現況についての説明です。とくに、業績が悪化した原因について言及してください。
次に、「現状分析_内外環境分析」のように、業績悪化の原因を、項目別に記載した表を盛り込むといいでしょう。
さらに、実際の経営状態について、「現状分析_P/L分析」、「現状分析_B/S分析」、「現状分析_C/F分析」のように、数字で分析したものを分かりやすく記載します。

経営改善の方針とアクションプランを記載する

次に、最も重要な「どのように経営の立て直しを図るのか」について、できるだけ具体的に記載していきます。
「現状分析_経営悪化の要因と経営改善計画の基本方針」のように、業績が悪くなった原因ごとに対策を記載するのが一つの方法です。金融機関がチェックするのは、「要因をしっかり掘り下げて分析しているか」、「改善方策は具体的で実効性があるか」というポイントですから、そこを意識して作成することが重要です。
また、改善の方策だけではなく、具体的にどのように実行していくのかを記載するのが「経営改善計画の具体的アクションプラン」です。この記入例のような表に加えて、日付を入れた行動スケジュールを盛り込むと説得力が高まります。

金融機関に対して何を依頼するのかを明確にする

ここでは、「経営改善計画書」を提出した主旨を明記します。「依頼事項」の例のように、「借入返済の負担を軽くして欲しい」、あるいは「新たな融資をして欲しい」といった内容です。
場合によっては、最初に結論を明確に示すために、この内容を「経営改善計画書」の冒頭に持ってくるという方法もあります。
依頼したいのが「借入返済負担の軽減」であれば、「借入返済計画」のような表を組み込みます。また、「経営改善後の経営目標値」の表のように、経営改善の対策を講じて、どのような経営状態にするのかについて細かく予測を立ててください。
最後に「経営再建への誓い」にあるように、意気込みをしっかりと伝えることも重要です。

「実現可能性が高い」とみられる計画を立てることが重要

「経営改善計画書」は、本当に経営改善が実現できる計画でなければ意味がありません。せっかく作成しても、ハードルが高すぎる方策を書いていたり、客観的に見て実現可能性が低い目標を掲げていたりすると、金融機関から「絵に描いた餅」と判断されてしまいます。
金融機関は、「これまで業績を改善できなかったのに、そう簡単に上向きになるはずがない」という先入観で見がちですから、実現できる計画をしっかりと練り上げることが重要です。社内のメンバーだけではなく、税理士や中小企業診断士など、専門家の協力も得ながら作成することをお勧めします。
苦しいときを乗り越えて、企業を維持発展させるためにも、「経営改善計画」を作成しましょう。

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