事業資金の資金調達に必要な書式の書き方ガイド

第3回 新規事業のための資金調達に必要な「事業計画書」を作成しましょう

2012/7/23

株式会社 MMコンサルティング
代表取締役 上野光夫

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金融機関を説得できる「事業計画書」とは

既存の中小企業が、これまでやっていた事業とは異なる新規事業を始めようとすると、まとまった資金が必要になる場合があります。そのための融資を金融機関へ申し込みする場合は、金融機関を説得するための「事業計画書」が必要です。
それでは、「これから始める事業が成功する」ということを、金融機関に理解してもらえるような内容の「事業計画書」とはどのようなものでしょうか?
端的にいうと、「こんな事業を始めるために、これだけの資金が必要です。これくらいの収支が見込めるので、融資を受けても返済することができます。」という内容を備えている必要があります。
この「事業計画書_03」は、エクセルにマクロを組み込んであり、とても作成しやすい書式になっています。各項目を埋めていくことにより、資金調達のための事業計画書を完成させることができます。

まずは新規事業の内容を分かりやすく記入する

金融機関がまず初めに知りたいのは、「どんな事業をやろうとしているのか」ということです。この書式では、「2.開業の目的」、「3.事業戦略」の部分が該当します。ここでは、専門用語など難解な表現は極力避けて、中学生でも分かるように分かりやすく記入することが重要です。一般的に金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、IT関係など最近のビジネスには疎い人が多いからです。
さらに、「十分な売上を確保できるかどうか」という観点で重要なことが、「市場性」、「商品・サービスの優位性」、「収益確保の仕組」という部分です。説得力を高めるためには、必要に応じて、補足資料などを準備することも有効です。

必要な投資金額を見積もって調達手段を検討する

次に重要なことが、「何にいくらお金をかけて、どうやってお金を調達するのか」ということを明らかにすることです。「5.資金計画」の欄がそれに該当します。
一般的には、建物建築や内装工事といった、不動産にかかる資金が最も高額になります。その他「機械・営業設備」など、「資産」に計上できるものへの投資が「設備資金」です。「開業前仕入資金」、「開業前家賃」などは、「運転資金」と呼ばれます。
金融機関は、投資内容について「過大投資ではないか」などといった観点で、妥当性をチェックします。一方、「調達方法」では、「自己資金」など返済不要の資金の有無がポイントです。全額が借入の場合は、「リスクが高い計画」とみなされてしまいます。

最も大切な部分「収支計画」に関する記入上のポイント

融資を受けるための「事業計画書」において、金融機関が最も着目するのが、「返済できるのか?」という点です。この書式では「6.収支計画」がその部分に該当します。
新規に始める事業ですから「やってみなければ分からない」というのが本音だと思いますが、首尾よく融資を受けるためには、できる限り根拠のある予測を立てることが必要です。とくに「①売上高」については、単に数字だけを記入するのではなく、「なぜそれだけの売上が見込めるのか」という質問の答えとなる根拠を持っておくことが欠かせません。
根拠については、「7.売上高根拠 事業・商品別売り上げ計画」の欄に記入するほか、別添として補足資料を作成しておくことも有効です。

新規事業を開始することによる既存事業への影響も記載する

既存の事業を続ける場合は、新規事業を開始することによる既存事業への影響についても「事業計画書」(または別添資料に)記載する必要があります。
たとえば、婦人服小売店がネットショップを始める場合、既存の小売店の売上が伸びるのか、それとも客がネットショップにシフトして実店舗の売上は下がるのか、というような観点です。
既存事業の売上が伸びる場合は、従来よりも利益が増えることが見込めるため、融資審査においてはプラス材料となり得ます。逆に利益が減ってしまうような場合は、マイナス材料になるかもしれませんが、「時代に合った合理的な事業転換だ」といった評価をしてもらえるように、事業計画書全体のストーリーを組み立てればいいのです。

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