事業資金の資金調達に必要な書式の書き方ガイド

第1回 金融機関から融資を受けやすくする方法とは

2012/7/2

株式会社 MMコンサルティング
代表取締役 上野光夫

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儲かっている経営者は資金調達が上手い

企業の経営をしていると、資金調達は最も重要な課題の一つです。
「売り上げが増えてもお金をもらえるのが2カ月先で、従業員の給料や仕入れの支払いは今月末にしなければならない」となれば、資金繰りのための運転資金が必要になります。また、「機械を導入したい」と思えば、「設備資金」が必要ですね。
無借金経営が理想と考えている経営者も多いのですが、事業を拡大していこうと思えば、まとまった資金を調達しなければならない場面に直面します。事実、儲かっている経営者のほとんどは、資金調達がとても上手な人です。
今回は、資金調達の方法として最も一般的な、「金融機関から融資を受ける」ために役立つ書式の書き方についてご紹介します。

初めて「融資を受けたい」と思ったらどうしたらいい?

中小企業が、初めて金融機関から融資を受けようとする場合、いきなり銀行へ行って相談をしても、冷たい視線を浴びせられることになるのがオチです。銀行は、これまで何の付き合いもない企業が来ても、すぐに信用してくれないからです。
ですから最初は、日本政策金融公庫の融資や、都道府県や市区町村が行っている「制度融資」などを利用することが現実的です。その後は、複数の資金調達手段を確保するために、銀行など民間の金融機関とも信頼を構築していくことをお勧めします。

そのためには、まず預金口座を作る、その銀行と取引のある人に紹介してもらう、銀行が主催するセミナーなどに行って担当者と顔見知りになる、といったことから始めるといいでしょう。

金融機関だって「融資したい」と思っている

「金融機関は敷居が高くて、融資をしたがらない」と思っている方も多いかもしれません。しかし、金融機関はホンネとしては融資をしたいと考えているのです。
金融機関にとっては、融資をすることにより、得られる利息収入が大きな収入源となると同時に、地域への貢献につながるからです。金融機関は、融資の残高を増やすことが大きな目標です。各支店や担当者には、「今月はいくら融資する」といったノルマが課せられています。
ですから、金融機関の担当者は、すでに取引のある企業だけではなく、新たな融資先を常に探しています。しかし、最近は経営状態が厳しい企業が少なくないので、安心して融資できる先を探すのに苦労している状況なのです。

金融機関は確実に返済が見込めるところにしか融資しない

よく金融機関は、「晴れた日に傘を貸し、雨が降ったら傘を取り上げる」と言われます。これは、企業の業績がよくて資金がそれほど必要のないときには融資のセールスに来る半面、業績が悪くなると融資の回収に走るといった行動を皮肉った表現です。
「金融機関ってひどいところだ」と思われるかもしれませんが、金融機関側からみると当然のことなのです。融資した先が1件でも返済できなくなると、それをカバーするのが大変なので、「確実に返してもらえる」と判断できるところにしか融資できないのです。
そこで、企業が融資を受けるためには、金融機関に「確実に返してもらえる」と判断してもらえるように、うまく自社の情報を提供することが重要になってきます。

効果的な情報提供のために書式を活用しよう

金融機関へ融資を依頼すると、たくさんの書類の提出を求められます。
最も重要なものは「決算書」ですが、それ以外にも「試算表」や「資金繰り表」など、企業によっては作っていないものまで提出を求められることがあります。「それは作っていません」と回答することもできますが、当然、融資はNGになる確率が高くなってしまいます。
こうした資料は、融資を受けるためだけではなく、自社の経営状態を理解しておくためにも、普段から作成しておくことを心がけましょう。
また、起業するときや新規事業を行うときなどの資金の場合は「事業計画書」、赤字や債務超過の企業の場合は「経営改善計画書」を作成することが必要です。

今回のポイント(まとめ)

・初めての融資は公的機関から受けてその後は取引金融機関を増やしましょう
・金融機関のホンネは融資を増やしたいが、「確実に返済できる先」でないと融資しない
・金融機関が信用してくれるように、書式を活用して自社の情報を提供しよう

次回:資金繰り表を作成しましょう

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