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第1回 事業計画書の書き方のポイント

専門家に学ぶ!シーン別事業計画書の書き方

著者:西岡経営管理事務所 代表  西岡 隆


事業計画書を作成する上で、絶対に外せない重要ポイント

皆さんは、事業計画書というと、どういうイメージを思い浮かべられるでしょうか?
おそらく多くの方は、数年後までの売上や利益の数値がびっしりと並んだ計画表のようなものを連想されるのではないでしょうか。私も普段から多くの企業の事業計画、経営計画を目にしますが、この手の計画書がほとんどと言っても過言ではありません。

でも、それだけでいいのでしょうか。実は、その計画を見て事業のイメージが頭に浮かぶのは社長様だけかもしれませんね。本当は、自分以外の第三者事業の概要や将来性を説明する役割を持つ事業計画がその役割を果たせていないケースがあまりにも多いのです。

事業計画書に登場する数値には必ずその根拠が必要

そうです。事業計画書の書き方のポイント①は、この数値の根拠をどこまで具体的に説明できるかなのです。

例えば、5年後の売上高を現在の2倍に増やすという目標を設定し、それに基づいて計画を作成するとしたら、「気合を入れて全社一丸となって達成する!」では、何の根拠にもならないことは皆さんもお気づきでしょう。そこには、その数値を実現するためのストーリーが具体的な形で描かれていることが必要なのです。単なる数値の羅列は、まさに「絵に描いた餅」以外の何者でもないのです。
では、どうすれば、その数値に根拠という息吹を吹き込むことができるのでしょうか。

特に重要なのは、第三者が判断可能な客観的数値の提供

そうは言っても、数値の根拠を明らかにするというのは、そんなにたやすいことではありません。第三者が見て、根拠と思えるには、何らかの客観的な判断基準を伴うものでなければなりません。例えば、小売店や飲食店などの店舗出店をする場合なら、その立地から、半径○○Km以内を商圏とする地域内の人口や世帯数、駅の付近ならその駅の乗降客数などが客観的数値として挙げられます。

また、その商圏範囲内の競合店数も把握して置くべき重要な数字です。競合店の数によってその商圏内での獲得可能シェアが違ってきます。要は、こうした客観的な事実に基づく数値をベースに、そのうちの○○%の顧客を獲得するというストーリーをそのための手段や手法とともに示せれば第三者がそれを基に実現性のある数値かどうかを判断できるのです。

売上高は、可能な限り要素とプロセスに分解すること

前述までは、主に売上の数量(飲食店、小売店で言えば客数)の根拠についてお話しましたが、売上は、金額(同じく客単価)も重要な要素です。しかし、実は、客数、客単価もさらに分解しようとすればできますよね。客数なら既存顧客の来店頻度や新規顧客の獲得数など、客単価なら買上商品点数と平均商品単価などといった具合です。こうした要素に分解する意味は、実際に事業を開始した後、当初の計画とどこに食い違いがあるかを見つけやすくなり、より迅速な対応が可能になるという点です。

次に、例えば新規の顧客を獲得するまでにどういったプロセスを経ているかを見える化するプロセス分解が考えられます。チラシ広告がどのくらいの来店に結びついて、そのうちのどのくらいのお客様が実際に購入に至ったかなどを数値として把握できる仕組みをつくってその経過をみるといったようなことです。

事業計画書の書き方のポイント②、③について

事業計画書の書き方のポイント②は、売れる理由の説明です。ただひたすら商品やサービスの良さを訴えるだけではいけません。ここでのポイントは、お客様のニーズが現実にあることの裏付けと競合他社と比べた場合の優位性をどれだけ説得力をもって訴求できるかです。事業計画書の書き方のポイント③は、課題の把握とその対応策についてです。事業が計画通りに進まない場合、どういう課題が生じ、対応策としてどんな打ち手を用意しているかをきっちりと書面に落としておく必要があります。

今回のポイント(まとめ)

  • 数値の根拠をどこまで具体的に説明できるか
  • 売れる理由の説明(顧客ニーズと競争優位性)
  • 課題の把握(洗い出し)とその対応策について

次回から、書式に沿って、より具体的な解説を行いますのでよろしくお付き合いください。

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著者プロフィール

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西岡 隆

西岡経営管理事務所 代表

現在まで、延べ3,000人以上の経営者と接し、その経験を通して「行動評価マネジメントプログラム」という独自のコンサルティング手法を構築、社員のマネジメントに悩む企業への導入を推進しています。

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