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読みやすさが心証を高める

著者:株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役 一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事  平野 友朗

画面で見る文字は、紙の上の文字よりも読みにくく、目に負担がかかります。

そのため、内容と同じくらい「見た目」に配慮することが必要です。

どんなに優れた提案が書かれていても、読みにくいために、相手に意図が伝わらないこともあります。


メールは、主にパソコンの画面上で読まれるものです。

これから挙げるポイントに注意して、あなたの意図がより伝わるメールを書きましょう。

■テキスト形式にする

■フォント環境の違いに気をつける

■改行は多めに

■横幅にも気をつけて

■読点は多めに

■専門用語は避ける

■記号や罫線を使う

■機種依存文字を使わない

テキスト形式にする

メールには、HTML形式とテキスト形式があります。
HTML形式では、メールに画像をつけたり、文字の大きさを変えたり、色をつけたりすることができます。

しかし、そのように見栄えを良くすることができる反面、データの容量が大きくなるばかりか、メールソフトによっては表示できないものがあります。

メールを使い慣れた人にとっては、HTML形式は「初心者の証」。
文字の大きさや色を変えなくても、以下のポイントに気をつければ、十分に読みやすい体裁に整えられることができます。

ビジネスでスマートなメールを心がけるのであれば、テキスト形式で送るようにしましょう。

フォント環境の違いに気をつける

メール上に表示されている文字には、「等幅フォント」と「プロポーショナルフォント」の2通りがあります。

等幅フォント どんな文字であっても、一文字一文字の大きさが等しいフォント

プロポーショナルフォント 文字のデザインに合わせて文字の大きさが変えられているフォント

つまり、等幅フォントで「あ」と連続して30文字書いた場合と、プロポーショナルフォントで「あ」と連続して30文字書いた場合では、同じ文字を同じ個数書いていても、一文の長さが変わってくるのです。

どちらの文字を使うのが正しいということはありませんが、常に意識しなければならないのは、あなたと相手のフォント環境は必ずしも同じではないということです。

ですから、相手の環境によって体裁が大きく変わってしまうような文面づくりは避けたほうが無難でしょう。

どうしてもあなたが整えた体裁のまま相手に見てもらいたい場合には、次のような一文を添えておくといいでしょう。

記入例
「このメールは等倍フォントで作成しています」
「等倍フォントでご覧下さい」

改行は多めに

モニター上の文字を追い続けると、誰でも目が疲れるものです。
そこで、少しでも目を疲れさせない工夫として適宜改行を入れるようにしましょう。

意味のまとまりごと(2~3行程度でも可)ごとに1行空白を入れるだけで、全体的に読みやすくなります。

横幅にも気をつけて

文字幅は、長すぎても短すぎても読みにくいもの。
一般的には30~35文字くらいで折り返すのが適当のようです。

もしくは、意味が変わるところ、読点(、)ごとで改行してもいいでしょう。

やりとりが増えることもふまえ、推奨横幅は20~25文字

返信を続けると「>」の記号が増えていきます。
そのため文字幅が長くなり、予期せぬところで改行されることもあります。

これを避けるために、やや少な目の文字数で改行しておくといいでしょう。

弊社としては、20~25文字で改行することを推奨します。

読点は多めに

意識的に「読点(、)」を多めに入れるようにしましょう。
メールにリズムが生まれ、テンポよく読み進めることができます。

ただし、あまり多すぎても、かえって読みにくくなってしまうので注意が必要です。

また、読点を多用しすぎると稚拙に見えることがあるので、ビジネスメールでは特に注意が必要です。

専門用語は避ける

メールを送る相手が専門家でないなら、よりわかりやすい言葉を選ぶようにしましょう。

相手がクライアントの場合は、意図が伝わらないだけでなく、誤解が生じることもあるでしょう。
それでは、知識を見せつけることはできても、肝心の内容が伝わらず、メールを送った意味がなくなってしまいます。

どうしても専門用語を使わなければならない場合には、カッコ書きなどで注釈を付け加えて、言葉を補うように配慮しましょう。

しかし、専門家どうし、業界人どうしのやりとりの場合には、専門用語を使わないと伝わりにくいことがあるのでご注意を。

記号や罫線を使う

用件が複数あるときには、見出しに「○●◎■◇★」といった記号や、区切りに罫線を使いましょう。

メール全体にメリハリをつけることができ、さらに読みやすさが向上します。

記号・罫線も使いすぎると幼稚に見られる可能性があるので注意が必要です。
記号の代わりに(1)や(2)、(a)や(b)などの数字や文字を使いうのもいいですね。

機種依存文字を使わない

自分のパソコン上で表示されても、相手のパソコンでは表示されない文字があります。
これは、あなたと相手の環境が違うために起こる現象です。

表示されない文字は「機種依存文字」と呼ばれ、文字化けの原因のひとつになっています。

例えば、

■Windowsで丸付き数字の「1」を入力すると、Macintoshでは「(日)」と表示

■文中に半角カタカナ文字が含まれていると、すべての文字が化けてしまう可能性
カタカナを使う場合は、半角を避け、全角を使うようにしましょう。

その他、つい使ってしまいますが、省略文字(カッコ株など)、単位(平方メートルなど)、丸付き数字、ローマ数字の大文字などが機種依存文字です。

文中に機種依存文字が含まれているかどうか、チェックすることができるホームページや、フリーソフトがあります。

メールソフトに機種依存文字をチェックする機能が付いていない場合には、これらのツールを利用して確認をするとよいでしょう。

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著者プロフィール

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平野 友朗

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役 一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事

メールスキル向上指導、組織のメールのルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がけ、企業などへのコンサルティングや講演研修回数は年間100回を超える。著書は22冊を超え、メールマナーなどに関する取材を300回以上受けるビジネスメール教育の第一人者。ビジネスメールスキルの標準化を目指し、ビジネスメールの研修プログラムの開発やツールの提供を行なう。一般社団法人日本ビジネスメール協会を設立し、認定講師を育成。2014年「ビジネスメール実務検定試験3級」を立ち上げ、ビジネスメール教育の普及に尽力している。

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